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GENERATIONS、“国民的実力派グループ”という大海原へーー東京ドーム公演で見せた無限の可能性

リアルサウンド

18/8/26(日) 16:00

 GENERATIONS from EXILE TRIBEが初のドームツアー『GENERATIONS LIVE TOUR 2018 “UNITED JOURNEY”』を完走した。名古屋、大阪、福岡、そして東京で計10公演を行ない、41万5000人を動員。さらに、東京公演ではライブビューイングに4万人が参加したという。“めざす場所は、どこにあるのか――この海の向こうに待つ、新たな世界へ“。

 8月5日、ツアー最終日。東京ドームは満員だった。開演時間と同時に聞こえてくる波の音。ブルーのライトが会場を照らし、マーチングバンドが出港のときを知らせる。メインステージのモニターには、無限の可能性を感じさせる大海原。そして、7人が乗り込んだ船が映し出される。船首に立ち雄々しく風を浴びる数原龍友。勇んで帆を揚げるリーダーの白濱亜嵐。冷静な眼差しで単眼鏡を覗く佐野玲於。ミステリアスな色気を放つ中務裕太が銃を構え、バラエティで進行役を務める小森隼が地図を広げると、関口メンディーがパワフルに操舵輪を回し、我らが王子・片寄涼太が新たな扉を開ける。それぞれのキャラクターがよく分かるオープニングに改めて思うのは、GENERATIONSはギャップの塊だということ。


 一見、強面でガキ大将な龍友は、誰よりも甘い歌声で不器用な想いを歌うシャイボーイ。完璧な肉体美とつややかなダンスを披露する亜嵐は、知れば知るほど天然の親しみやすさを兼ね備える。クールな眼差しの玲於の内には、ダンスへの情熱が燃えたぎり、謎めいた魅力を放つ裕太がどこまでも人間臭く男気にあふれている。まとめ役に奮闘するも子犬のような愛くるしい笑顔を見せる隼。超人パワーを放つメンディーは繊細で朗らかだ。そして、ウインクや甘い言葉でファンを喜ばせる涼太は誰よりも真面目で誠実。ギャップがあるということは、それだけ魅せる幅が広いということ。一人ひとりにある個性×7人とあれば、GENERATIONSの魅力の沼はどこまでも深い。そして、その魅力をダイレクトに味わえるのがライブなのだ。

 船出をしたGENERATIONS号は、アジア、アメリカ、ヨーロッパ、そしてジャパンへと巡る旅を繰り広げる。その行く先々にある音楽文化を取り入れながら楽曲を披露していくさまは、GENERATIONSが培ってきた豊かな表現力を示すものになった。彼らのパフォーマンスに合わせて、観客が振る水色×白色のフラッグも、GENERATIONS号を進める風や波に見えてくるから不思議だ。そう、今GENERATIONSにはいい風もいい波もキテるのだ。メインステージに出現した巨大な帆を前に登場した7人は「UNITED JOURNEY」から「AGEHA」「ALRIGHT! ALRIGHT!」と、アッパーチューンでその“勢い“を見せつける。


 続く、「Hard Knock Days」では龍友がドラムを叩き、メンディーがラップで焚きつける。筋骨隆々の二の腕、炎の特効……レギュラー番組『GENERATIONS高校TV』(AbemaTV/テレビ朝日系)で、度々肉を巡って争う肉食男子コンビがGENERATIONSの“強さ“を、これでもかとぶちかす。かと思えば、しなやかな涼太のハモリが加わって、これぞ剛柔併せ持つGENERATIONSの“深み“と、惚れ惚れする展開。勇ましいシーンを見せたかと思えば、今度は「Always with you」でキッズダンサーたちと青空をバックに突き抜けるような爽やかなステージを見せたり、「PIERROT」で艶めかしい仮面武道会を披露したりと、様々な顔を見せてくれる。堂々とソファに腰掛けた亜嵐と玲於の滴る色気は、きっと彼らの積み上げてきた自信を比例しているのだろう。「Love You More」ではフロートに乗り込み、女性ダンサーとカップルダンスを披露。密着度の高い振り付けに会場からは悲鳴も。そんなファンの素直な反応に涼太が少しニヤリとする、意外とSな一面もチラ見えした。


 この1人ずつ乗っていたフロートが合体して船の形をしたバックステージになるのだが、これが客席から本当に近い! ドームであることを忘れてしまいそうなほど近くまで迫ってくるため、亜嵐の衣装が汗で身体に張り付いているところまでハッキリ見える。そして、中国の民族衣装に着替えた裕太と隼がステージに上がる直前に、ハグをしてお互いに士気を高め合う姿も確認できた。裕太は、自分の胸をバシッと拳で叩き、喝を入れる。幾度となくステージを重ねてきた彼らであっても、その一瞬一瞬がいかに真剣勝負であるかを感じさせる一幕。気迫みなぎる表情で決めたアクロバティックな技の数々に、胸を打たれずにはいられなかった。

 そんなパフォーマーたちの熱意を受けて、ボーカルの龍友と涼太の歌声もさらに伸びを増していく。ふたりが奏でるバラードに乗せて会場はオレンジ色の夕日、そして気づけば星の光がきらめき始める。夜の海原をゆっくりと進むGENERATIONS号。〈この空の下でめぐり逢う奇跡〉と歌う「空」は、この正反対なボーカルふたりが出会ったことはもちろんだが、5人のパフォーマーとのめぐり逢い。そして、彼らを応援する人が連日、東京ドームを埋め尽くすほどに広がった奇跡に思いを馳せる。MCでは、東京ドームのラクーアガーデンで約500人ほどの観客の前でパフォーマンスを披露した日のことを振り返った龍友。そして「感謝しかない」と続ける涼太。“EXILEの意志を受け継ぐグループを“というコンセプトで集まったGENERATIONSが、この場所でATSUSHIが作詞した「片想い」を歌ったのは、特別な想いがあったはずだ。


 夜が明け、再び青空が広がると、そこはアメリカだった。ポップアップで登場した隼がブロードウェイ・ミュージカルを彷彿とさせる軽やかなステップを踏んだかと思えば、裕太はサタデーナイトフィーバー風のロックダンスで沸かせる。玲於はキャップ姿で得意のKRUMPを披露し、メンディーは毛皮に包まれた野性味溢れる出で立ちで力強いラップを歌い、亜嵐はバンダナで口元を隠したウェスタンスタイルで登場して観客の心を撃ち抜いた。これほど多様なファッションとダンスをこなしてしまうのもGENERATIONSらしさだ。そして、聞こえてくる涼太の口笛。「BIG CITY RODEO」が始まると、加速的な盛り上がりを見せる。「太陽も月も」「HOT SHOT」「ANIMAL」……「こんなもんじゃないですよね?」(龍友)、「ひとつになっていきましょう!」(涼太)とボーカルが煽りまくり! パフォーマーも体力を振り絞るように踊り、完全燃焼間近。玲於が思わず膝から崩れ落ちそうになるほどだ。

 さらに、『GENE高』とのコラボ企画で高校生100名がステージへ。「AGEHA」そしてラストナンバーの「Y.M.C.A」となったところで、汗だくな玲於がHIROやEXILE、三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBEも来てるのだ、と激白。するとファンもさらなる盛り上がりを見せ、会場中が「Y.M.C.A」の振りを踊る、お祭り状態に。ジャパンに戻ってきたアンコールは、EXILEの名曲「Lovers Again」を歌い継ぎ、GENERATIONSの最新曲「F.L.Y. BOYS F.L.Y. GIRLS」、そして〈夢見てた明日へ〉と歌う「ALL FOR YOU」、最後にデビュー曲の「BRAVE IT OUT」と続く流れは、このライブがこれまでの歩みの集大成であり、そしてここから始まる新たなストーリーの初心となることを感じさせた。「マジ愛してます!」と裕太が叫んだ、想いこそ、彼らの歩みを進めるエネルギーに他ならない。


 玲於が出演する『ハナレイ・ベイ』の映画公開が間近に迫り、さらに涼太がメンディー、玲於と共に10月クールドラマ『PRINCE OF LEGEND』(日本テレビ系)に出演したり、隼が放送作家・鈴木おさむのラジオ番組『AWESOME RADIO SHOW』(TOKYOFM)にレギュラー出演中など、個人の活動もめざましくなってきた。彼らがたどり着いた新しい世界は、きっと“国民的実力派グループ”という大海原。この先、どんな冒険が待ち構えているのか、楽しみで仕方ない。

(文=佐藤結衣)

【SETLIST】
M01 UNITED JOURNEY
M02 AGEHA
M03 ALRIGHT! ALRIGHT!
M04 Hard Knock Days
M05 Always with you
M06 PIERROT
M07 Sing it Loud
M08 Love You More
M09 花
M10 また、アシタ
M11 空
M12 涙
MC
M13 片想い
M14 BIG CITY RODEO
M15 太陽も月も
M16 HOT SHOT
M17 ANIMAL
M18 RUN THIS TOWN
M19 BURNING UP
M20 NEVER LET YOU GO
M21 Evergreen
M22 be the ONE
M23 to the STAGE
M24 AGEHA
M25 Y.M.C.A

アンコール
E01 Lovers Again
E02 F.L.Y. BOYS F.L.Y.GIRLS
E03 ALL FOR YOU
E04 BRAVE IT OUT

GENERATIONS from EXILE TRIBEオフィシャルサイト

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