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園子温、最新作は「愛のむきだし」に連なる“新たな代表作”

ナタリー

「エッシャー通りの赤いポスト」初日舞台挨拶の様子。左から園子温、山岡竜弘、モーガン茉愛羅、藤丸千、黒河内りく、藤田朋子、小西貴大。

「エッシャー通りの赤いポスト」の初日舞台挨拶が本日12月25日に東京・ユーロスペースで行われ、キャストの藤丸千、黒河内りく、モーガン茉愛羅、山岡竜弘、小西貴大、藤田朋子、監督の園子温が登壇した。

本作は園子温が自身のワークショップに参加した役者51人とともに作り上げた青春群像劇。映画「仮面」に出演するため、さまざまな境遇の者たちが思いを募らせて応募用紙をポストに投函し、オーディション会場に集うさまが描かれる。

イベントは最初、山岡がMCとして立っていたが、初めての舞台挨拶という山岡のため、園が気を利かせて急遽MCの交代を申し入れスタート。園は「ユーロスペースは自分にとってターニングポイントになった映画館。以前『愛のむきだし』を公開させていただいて。そこからバーンと跳ね上がった、思い出深い劇場。この映画は新しい『愛のむきだし』。新たな代表作として、ここから羽ばたいていけばいいなと思ってます」と挨拶する。

撮影は2019年8月。そこからコロナ禍になったことで封切りが未定に。ようやく公開を迎えた藤丸は「海外の映画祭に出品されて、そこでの感想が心の支えになっていました。無事に今日を迎えられて最高のクリスマスプレゼントをもらった気分です」と喜ぶ。黒河内は映画のメッセージとなっている「立ち向かえ。立ち上がれ」という言葉を紹介し「この時代だからこそ必要とされるものだと思っています」とアピール。モーガンも「たくさんの人に届いて、少しでも誰かを勇気づけられる作品になったら」と期待を込め、小西は「園さんが好きで、オーディションで何かきっかけを掴みたいと思って応募しました。ユーロスペースで公開できて本当に自分の何かが変わる映画になると思っています」と続けた。

全員無名というくくりで参加者を募集したワークショップだったが、「渡る世間は鬼ばかり」などで知られる藤田が参加。園は「全員無名の人のはずが、なぜか参加していて『同姓同名の違う人かな?』と思ったら本人だった。20代前半の若い世代と交じって授業を受けてくれて本当に感動しました」と、当時の驚きを振り返る。藤田は「園さんとは違うけど、どこか見守っている立場。楽しく過ごせて、みんながそろって笑顔で立っていることを母のようにうれしく思っています」と話す。山岡は「本当にいいものを作ろうという志のある人たちと作品を作れて、本当に胸がいっぱいです。園監督や園組のみんな、出会ってきた方々全員に『ありがとう』を言いたいです」と感慨深げに語った。

本作の制作を「ものすごく楽しかった」と充実の表情で振り返る園。「何百人から選ばれた51人。エキストラじゃなくて全員主役のこの映画を撮り終えた今、この51人からこぼれ落ちてしまった方々をもう1回オーディションして、“敗者復活戦映画”を作りたいなと思っています。『赤いポスト2』と言っていい。来年必ず制作します」と宣言する。パンフレットに付属する劇中チラシが応募用紙となっており、前回の落選者以外も参加可能だ。さらに「パンフレットを買わないとダメ、なんてアコギなことは言いません。(製作会社の)アクターズ・ヴィジョンに問い合わせすれば……」と応募の抜け道を示唆した。

「エッシャー通りの赤いポスト」はユーロスペースほか全国で順次ロードショー。

(c)2021「エッシャー通りの赤いポスト」製作委員会

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