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エヴァ初号機のアートを新宿ミラノ座跡地で公開、作者が鑑賞ポイント語る

ナタリー

19/12/25(水) 19:45

「Evangelion Styrofoam」

現在実施中の「シン・エヴァンゲリオン劇場伝言板 AR出現計画」に関連し、東京・新宿ミラノ座跡地の工事現場仮囲いでアート作品「Evangelion Styrofoam」が公開されている。

これは、発泡スチロールを用いた作品などで知られるアーティスト・開発好明によるもの。約77mの仮囲いをキャンバス代わりに、さまざまな発泡スチロールの梱包材から形を起こしたモチーフでエヴァンゲリオンの世界観が表現されている。このアート作品自体がARマーカーとなっており、公式アプリ「EVA-EXTRA」のARカメラをかざすと“エヴァ文字”のメッセージボードが浮かび上がる仕組みだ。

開発はオファーを受けた際の心境を「元々、自分で巨大なロボット、アイディアとしては『エヴァンゲリオン』的なものをいつか作りたいと思っていました。今回の話を頂いた時には、“やっと何かエヴァと関わることが出来るかもしれない”と」と回想。「この作品を見て、『エヴァ初号機』のどこかのパーツであるということ以外に、“この形は元々何の梱包材だったのだろう”と想像するのも楽しいのではないかなと思います」と鑑賞ポイントを紹介した。

庵野秀明が総監督を務める「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」は6月より全国ロードショー。

※「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」の「:||」はリピート記号が正式表記

開発好明 コメント

アート作品制作のオファーを初めて聞いたときの気持ち

お話自体は、半年ほど前に頂きました。元々、自分で巨大なロボット、アイディアとしては「エヴァンゲリオン」的なものをいつか作りたいと思っていました。今回の話を頂いた時には、“やっと何かエヴァと関わることが出来るかもしれない”と。ただ、決定していたわけではないので、あんまり期待すると、選ばれなかったときの落差が大きいので(笑)あまり期待しすぎないように、そういう話があるんだ程度に半信半疑に思いながらやっていました。

今回のアート作品へ着想を得た経緯

制作サイドの方々から、自由でいいですよとおっしゃっていただいたので、自分の作品に置き換えたらなにが出来るのかなと考えました。僕の元々のライフワークの一つが発泡スチロールを用いたアート作品で、絵として描いていたこともあるので、それを使って「エヴァ」を再構築したらどうなのかなと思い、今の形になりました。

「エヴァンゲリオン」を描くにあたり意識した点は?

有り難いことにあまり「エヴァ」そのものに似通ったものにしなくてもよいと言って頂いたので、本当に自由にやらせて頂きました。ただ、なんとなくエヴァに見える程度で、僕の持っている発泡スチロールのコレクションの中から写真に撮り、平面に置き換えてそれを組んでいきました。モザイクアートに近いですね。
大まかなアイディアは3カ月ほど前には出来ていて、その後、完全にそのアイディアでいこうとなってから、2週間ぐらいでまとめた感じです。
僕らの世代は「マジンガーZ」からはじまり、ロボット系は男子の誰もが好きで。
ロボット系の作品でしっかり観たのは、「エヴァ」が最後かもしれません。
しかも、抽象的な表現があり、大人になってから見ると面白かったですよね。
僕は美大卒なので、ただの球体とかただの八面体が敵だということをものすごく斬新に感じて、熱中していました。

新宿というロケーションについて

発泡スチロールはごみなので、都市の片隅というかビルの片隅に打ち捨てられているようなものがアートとなり、それが壁に堂々と現れるという落差が面白いなと思いました。
地上からの高さ3メートル・長さ77メートルという画面が絵画として、非常に作りにくい。その中でどう構成したら、人が歩きながら楽しんでもらえるかに集中していました。
皆さんが慣れていて、一番観やすいのがテレビサイズ・映画サイズだと思うのですが、今回の画角はそれらとは全く異なる画角で、どう表現するかというのが難しかったです。壁面を見ながら歩くことで絵を動画のように体験することも意識しました。今までの作品の中で一番長い作品です。これだけのサイズの作品はこの先も無いと思います(笑)。新たな体験をさせて頂きました。

アート作品に使用した発泡スチロールについて

色んな製品を包んでいた発泡スチロールを撮影して絵に起こしています。
僕としては、買ってから家まで後生大事にされていた一部の発泡スチロールが空けた瞬間に完璧なごみになるという落差が好きなんです。
この作品を見て、「エヴァ初号機」のどこかのパーツであるということ以外に、“この形は元々何の梱包材だったのだろう”と想像するのも楽しいのではないかなと思います。

作品を鑑賞して

既にご覧になっている人たちもいらっしゃって、嬉しいです。自分自身、身体スケールで見てみて、ケーブルのカーブが思っていたよりもダイナミックでよかったなと思いました。場所によって、パースがかかった感じに見えるなど、絵を描いていた時とはまた違う見え方を体感することができました。

(c)カラー

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