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マスクは上演に何をもたらすのか?関田育子の新作「霊雨」

ナタリー

関田育子「霊雨」ビジュアル(c)小久保悠人

関田育子「霊雨」が11月5日から7日まで、東京・SCOOLにて上演される。

公式サイトには「マスクと演劇」と題した関田のコメントを掲載。そこでは、「私たちの演劇では、観客の目の前にあるものについて意識を向けてきた」と言い「マスクの着用が常態化された『現在』は私たちの演劇空間においてもその存在を拡張している」「では、マスクは上演に何をもたらすのか」「マスクからの変貌にネガティヴにならずこのクリエーションを進めたいと思う」と思いがつづられている。

クリエーションメンバーには、関田に加え、久世直樹、黒木小菜美、小久保悠人、長田遼、長谷川利穂子が名を連ねた。なお一部の公演では、ゲストを迎え、クリエーションメンバーが作品について話すアフタートークを展開。5日13:30開演回は佐々木敦、6日18:00開演回は演劇ジャーナリストの徳永京子、7日13:30開演回はいぬのせなか座の山本浩貴が登壇する。

関田育子コメント

マスクと演劇

私たちの演劇では、観客の目の前にあるものについて意識を向けてきた。その対象は、俳優の身体、劇場、戯曲がもたらす虚構など、挙げればきりがない。それらを、有用性で規定された眼差しとは異なる見方ができないかと試みてきた。

今回、観客の目の前にあるものとして現在がその大きさを拡大している。そして、マスクの着用という行為によって、その一部が現れる。マスクの着用が常態化された「現在」は私たちの演劇空間においてもその存在を拡張している。よって、私たちはガイドラインを遵守した上でも、マスクをしないという選択に容易には至らない。まずは、マスクをしない・するについて考えるところから始めてみる。

では、マスクは上演に何をもたらすのか。マスクは「現在」の一部の体現に過ぎないが、様々な意味と結びつき、宛もなく漂い観客の目の前のものを覆い尽くす。さらに、この含みを持つマスクは虚構にも現前にも属さない。この単なるマスクからの変貌にネガティヴにならずこのクリエーションを進めたいと思う。

関田育子「霊雨」

2021年11月5日(金)~7日(日)
東京都 SCOOL

クリエーションメンバー:久世直樹、黒木小菜美、小久保悠人、関田育子、長田遼、長谷川利穂子

※2021年11月3日追記:本公演は出演者の体調不良により延期となりました。

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