ぼくが性別「ゼロ」に戻るとき 空と木の実の9年間
20/7/23(木)
「性同一性障がい」について今日よく聞くが、そうした障がいを持った人々の苦悩が果たしてどんなものなのかは、どれだけの人がわかっているのだろうか。そんな「性同一性障がい」のため幼い頃から悩んできた若者の姿を、15歳から9年間にわたって取材したドキュメンタリーだ。戸籍上は女性と生まれた主人公は、心と身体の不一致から男性として認められるための努力をして法的に男性と認められるが、それはまた自分が誰であるのかを問う歳月でもある。その間に出会った同じ苦悩を抱えた人々との出会い。中でも老齢で性適合手術をした95歳の老婦人の戦前の思い出はやるせない。性別の違いの考えは歴史とともに変化するとはいえ、それ以上に「自分」でいることの大切さを教えてくれる世界として面白い。
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