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第30回シンガポール国際映画祭で名誉賞を受賞した三池崇史。

三池崇史がシンガポール映画祭で名誉賞に、「初恋」上映後ファンと大いに語る

ナタリー

19/12/3(火) 13:06

「初恋」の監督・三池崇史が第30回シンガポール国際映画祭で名誉賞を受賞。現地時間11月30日に行われた授賞式に出席した。

同映画祭は、シンガポール国立博物館で開催される東南アジア最古かつ最大の国際映画祭。名誉賞は、アジア映画に特別で永続的な貢献をしてきた映画製作者に贈られる。過去の受賞者には韓国のイム・グォンテク、イランのモフセン・マフマルバフ、香港のフルーツ・チャン、インドネシアのリティ・パンなどがおり、三池は日本人初の受賞となった。現地時間11月29日には、MIDNIGHT MAYHEM部門で「初恋」が公式上映。舞台挨拶に参加した三池は「30周年を迎えるこの映画祭で上映できることを光栄に思います。世の中では自分はけっこう誤解されていて、バイオレンスの色が強いと思われているが、これはピュアなラブストーリー。誰にも信じてもらえないかもですが(笑)」と観客に語りかけた。

現地時間12月1日に行われたマスタークラスのQ&Aにも登壇した三池は、作品での“三池らしさ”について尋ねられると「俺の作品だからこうしたい、というのは映画に対して余計なことだと思う。僕自身、自分らしさを気にしたことはない。余計なものを排除していくと、自分が作れるものが見えてくる」と持論を展開。そして「今の日本では、ドロップアウトした人やヤクザなど、今まで僕たちが描いてきた登場人物たちが、映画の中に登場する機会が少なくなっている。彼らも彼ららしく生きることで、予想外のピュアなラブストーリーが生まれる、というのを描きたかった」と明かした。

さらに、映画に登場する悪役に関して「台本上では一発で倒れる役でも、もう一度立ち上がって戦ってほしくなって、今度は椅子で殴られたりする。そうしてできあがるのはバイオレンス映画だけど、実はそこにあるのは僕のちっちゃな愛情。バイオレンスの根っこには、誰かを愛しむ愛情がある」と三池ならではの回答も。笑いと恐怖のバランスを聞かれると「不必要だけど何かホッとするようなものを入れたくなったりする。逆らいたくなるんです(笑)」と説明し、「それは観客への贈り物なのか?」という質問には「観客、同時に自分自身ですよね。そもそも悲しい映画だとずっと悲しいほうがいいとか、そういうのがあまり好きじゃない。このシーンはこう観てくれと、観客の感情を誘導しようとする行為があまり好きではない」と答えた。

最後に、ホラーやコメディなどさまざまなジャンルを盛り込む作風について「そもそもジャンルというのに、我々製作側がとらわれているのが怖いなと思う」と述べた三池。「いつのまにか製作現場では、ミュージカルじゃないから歌っちゃいけないと、ジャンルにとらわれている人がいることに怖くなりました。そこから解放されていいんじゃないかなと思っています」と考えを提示し、これからの映画業界を担う若者や映画ファンとの交流を楽しんだ。

窪田正孝が主演を務めた「初恋」は2月28日に全国で公開。

(c)2020「初恋」製作委員会

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