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中尾明慶と毎熊克哉、花嫁はどちらの手に? 『まんぷく』が描く不器用な恋心

リアルサウンド

19/2/21(木) 6:00

 萬平(長谷川博己)と福子(安藤サクラ)が日々研究を続けた甲斐あって「まんぷくラーメン」が完成。『まんぷく』(NHK総合)では、福子と萬平が「まんぷくラーメン」の販売に夢中になっている傍で、吉乃(深川麻衣)を巡って岡(中尾明慶)と森本(毎熊克哉)が恋のバトルを繰り広げている。

 岡と森本は元塩軍団のメンバーで、神部(瀬戸康史)らと共に萬平の塩づくりやダネイホンづくりを支えてきた。そんな2人が恋に落ちた吉乃は、タカ(岸井ゆきの)の妹。福子の母・鈴(松坂慶子)からすれば、神部に奪われてしまったタカに続き、2人の大事な孫を塩軍団の若者に射止められてしまうのは気が気でないだろう。

【写真】岡(中尾明慶)と森本(毎熊克哉)

 岡は、真面目な性格ではあるのだが、自尊心が高くケンカっぱやい。塩軍団を結成した当初も街中でケンカして警察に逮捕されたり、「塩づくり組」と「ダネイホンづくり組」で起きた大げんかのきっかけとなったり、何かと短気な男だ。しかし、吉乃といるときの岡からは、普段とは違う一面が現れている。吉乃に初めて出会った瞬間、岡は仏頂面で、はたから見ればかなり強面の表情をしていた。だが、極端に言葉数が少なくなることから一目惚れしたのだと、すぐにわかってしまう。岡は、神部や森本に対して少々乱暴な口をきくが、吉乃に話しかけるときは言葉を選んで話している印象を受ける。肝心なところで口下手な岡は、とにかく恋に不器用で、吉乃の気持ちを尊重しようとする姿が微笑ましく映る。

 ここにきて新しい岡の感情を、中尾は顔つきで巧みに表現している。しかし、吉乃に対して見せるその表情は、神部や森本に対して見せる眉間にシワを寄せた不機嫌そうな表情ではない。吉乃への想いが募っているからこそ、どう行動すべきか分からない自分に不安や焦りを感じている、そんな様子なのだ。吉乃に対してすら、あまり笑顔を見せない岡だが、中尾はそんな岡の吉乃に対するぎこちなさを表現することで“恋する岡”の姿を視聴者に伝えている。

 一方、森本は無愛想な印象が強い。塩軍団として活躍していた際、フィリピンの戦地で心に深い傷を受けた森本の発する言葉は、悲愴な戦争体験をうかがわせるものだった。普段は愛想がない森本だが、吉乃と会話するときは笑顔を意識しているように見える。岡や神部に対して言葉を発するときはぶっきらぼうなままなのに、吉乃に視線を向けるときは必ず笑顔になる。森本は岡に比べると吉乃に対する正直な気持ちが顔に表れやすい。しかしその気持ちを口にすることはかなわないようで、吉乃を前にすると岡と同じように口数が少なくなってしまう。

 毎熊は“恋する森本”を、岡とはまた違った不器用さで演じている。毎熊が見せる笑顔は、森本の吉乃への想いが正直に伝わってくる。恋に自信がないようにも見える笑顔なので決して爽やかとは言えないが、森本の好意は視聴者の心にすんなりと届いたはずだ。また毎熊は、吉乃に話しかけるときには心なしか言葉を優しく発しているようだ。吉乃に想いが伝わっているかどうかは不明だが、森本らしい不器用な優しさを、毎熊は表現し続けている。

 今はまだ、岡、森本、吉乃が3人仲良く「パーラー白薔薇」で「まんぷくラーメン」の現状について話しているが、いつまで3人の画が見られるのだろうか。「まんぷくラーメン」で盛り上がる傍で、徐々に恋の炎を燃やす岡と森本と吉乃の三角関係からも目が離せない。

(片山香帆)

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