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ルーベンス、クラーナハなど名匠の油彩画と磁器が共演!『ヨーロッパの宝石箱 リヒテンシュタイン侯爵家の至宝展』

ぴあ

19/10/19(土) 0:00

中央:ウィーン窯・帝国磁器製作所 ヨーゼフ・ガイアー《金地花文クラテル形大花瓶》 1828年頃

Bunkamura ザ・ミュージアムで開幕した『建国300年 ヨーロッパの宝石箱 リヒテンシュタイン侯爵家の至宝展』では、世界で唯一、君主である侯爵家の家名が国名となっている小国リヒテンシュタインの個人コレクションから選りすぐられた油彩画や陶器約130点が、12月23日(月)まで展示されている。

リヒテンシュタインは、スイスとオーストリアにはさまれた小国。神聖ローマ帝国でハプスブルク家に仕えていたリヒテンシュタイン家のカール1世が、1608年に侯爵の地位を授与され、その領地は1719年に侯国として成立。以来300年の間、爵位と領地を守り続けているという。

代々美術品の収集活動に力を入れてきた侯爵家は、現在までに約3万点にも及ぶ世界屈指の個人コレクションを形成。その華麗さは宝石箱に例えられ、世界の注目を集めている。

同展では、そんな侯爵家秘蔵のルーベンス、ヤン・ブリューゲル(父)、クラーナハ(父)を含む北方ルネサンス、バロック、ロココを中心とする油彩画と、ウィーン窯を中心とする優美な陶磁器を合わせて約130点が、全7章構成で紹介される。

第1章「リヒテンシュタイン侯爵家の歴史と貴族の生活」では、侯爵家の人々の肖像画とともに、音楽の集いや宴、馬の調教といった貴族生活の雰囲気をよく表した絵画が並ぶ。

フランチェスコ・ソリメーナに帰属《リヒテンシュタイン侯ヨーゼフ・ヴェンツェル1世》1725年
第1章の会場風景

第2章と第3章では、コレクションの中心となる「宗教画」「神話画・歴史画」を展示。ルーカス・クラーナハ(父)による《聖バルバラ》や、ルーベンスとその工房が描いた《ペルセウスとアンドロメダ》といった巨匠たちの作品とともに、イオタリア・ルネサンスやバロックなど多様な作品にも注目したい。

左:ダニエル・グラン《貧者に施しを与えるポルトガルの聖イサベル》(ウィーンのカールス聖堂右翼廊の礼拝堂側面祭壇のための祭壇画習作)1736-37年 中央:ルーカス・クラーナハ(父)《聖バルバラ》1520年以降 右:ルーカス・クラーナハ(父)《聖エウスタキウス》1515-20年頃
ペーテル・パウル・ルーベンスと工房《ペルセウスとアンドロメダ》1622年以降

第4章「磁器—西洋と東洋の出会い」、5章「ウィーンの磁器製作所」では、日本や中国から輸入した磁器に金属装飾を施した作品から、ウィーン磁器工房製作の技巧を凝らした作品まで、繊細で華やかな磁器が並ぶ。

日本・有田窯 金属装飾:イグナーツ・ヨーゼフ・ヴュルト《染付山水文金具付ポプリ蓋物》磁器:1670-90年代 金属装飾:1775-85年
左:ウィーン窯(デュ・パキエ時代) 《馬狩文八角皿(リヒテンシュタインのディナーセット)》 1730-40年頃

第6章「風景画」では侯爵家が拠点としたウィーンやファドゥーツを取り巻く雄大な山々が、続く第7章「花の生物画」では美しく咲き乱れる可憐な花々を写し取った作品が展示される。

左:ルーカス・ファン・ファルケンボルフ《滝と水車のある山岳風景》 1595年 右:ヤン・ブリューゲル(父)《市場への道》 1604年
左:ウィーン窯・帝国磁器製作所 ヨーゼフ・ニッグ《白ブドウのある花の静物》 右:ウィーン窯・帝国磁器製作所 ヨーゼフ・ニッグ《黒ブドウのある花の静物》

優雅な貴族の宮廷空間へと誘う同展。歴代侯爵が珍重し愛でてきた絵画と陶磁器の共演を心ゆくまで楽しんでほしい。

【開催情報】
『建国300年 ヨーロッパの宝石箱 リヒテンシュタイン侯爵家の至宝展』
12月23日(月)までBunkamura ザ・ミュージアムにて開催

【関連リンク】
建国300年 ヨーロッパの宝石箱 リヒテンシュタイン侯爵家の至宝展

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