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『HiGH&LOW』Netflix配信で国外の人気も獲得? 世界が驚くキャラクターとアクションの魅力

リアルサウンド

20/9/21(月) 12:00

 9月20日から、Netflixで映画『HiGH&LOW』シリーズ7作品が世界62の国と地域に向けて配信された。本作は英語、中国語の簡体字、繁体字、そして作品によっては韓国語の字幕もついており、またこのNetflix配信に合わせてYouTubeの『HiGH&LOW』公式チャンネルにも、英語、中国語に加え、インドネシア語のトレイラーを公開。9月20日時点ではインドネシア語のトレイラーの視聴回数が多くなっている。

“HiGH&LOW” COMMENT(ENGLISH)

 それ以外にも、出演者が各国の言葉で『HiGH&LOW』をお勧めする動画も公開。川村壱馬が英語、吉野北人が中国語、龍がインドネシア語、鈴木昂秀がタイ語で同シリーズを紹介している動画も公開されている。

 こうした多言語での公開には、同シリーズの海外への波及に対する本気度がうかがえる。海外で観てもらうには、こうした積極的な取り組みが重要である。

 だがそもそも、『HiGH&LOW』シリーズ、そして『HiGH&LOW THE WORST』には、海外で受け入れられるポテンシャルがあったとも思われる。

 中国では、『HiGH&LOW』に影響を受け、同作品に達磨一家の日向として出演中の林遣都が『青禾男高(Fist & Faith)』にも出演。また、『HiGH&LOW THE WORST』は、『HiGH&LOW』の世界と、『クローズ』『WORST』の高橋ヒロシの原作とのクロスオーバー作品であるが、その高橋ヒロシ原作の映画『クローズZERO』シリーズは、海外でも人気が高い。特にブータンではその人気は高く、滝谷源治のキャラクターはその中でも別格とのことである。さきほど紹介した中国映画『青禾男高(Fist & Faith)』には黒木メイサも出演しているが、彼女が出演したのも、『クローズZERO』で黒木の演技を見た監督がオファーしたそうだ。

 コミックの登場人物は、海外での知名度もあり、またキャラクターもある程度まで出来上がっており(そこからまた映画化などにより成長していくという意味での「ある程度」という表現である)強度も高い。また、その作者や作品のファンも存在している。オリジナル作品であった『HiGH&LOW』シリーズに、原作ものである『クローズ』『WORST』の世界を掛け合わせたというのは、もしかして同シリーズがより強くなるための考えられたルートなのかもしれない。

 海外での配信の発表とほぼ同時期に、『HiGH&LOW THE WORST』その後を描く新作スピンオフドラマ『6 from HiGH&LOW THE WORST』が始動するとのニュースも飛び込んできた。もちろん、今回も脚本に高橋ヒロシが名を連ねている。

 高橋は以前、Twitterで『HiGH&LOW』とのコラボの話が立ち上がった際に「申し訳ないが、オレは全員主役という物語は作れません」と伝えたと語って話題となった。

 これについては、シリーズが「全員主役」をうたってきただけに、ファンの間で賛否両論の意見も見られたが、高橋の語る「皆さん『脇役』という言葉が気になったようですが、脇役は素敵なんですよ 物語は脇役が作るとオレは思ってます。輝く脇役が大好きで、むしろ主役より力を入れて作ることが多いです」という言葉は多くの作品でも共通しているし納得できるところでもある。

 現に、『HiGH&LOW THE WORST』でも、鳳仙学園の四天王・“小沢仁志”(小田島有剣(塩野瑛久)、沢村正次(葵揚)、仁川英明(小柳心)、志田健三(荒井敦史))など、輝く脇役がたくさん生まれていることを考えても、「主役」「脇役」は、どこを切り取るかの問題で、「脇役」もスピンオフでは主役になることもある。キャラクターが描けていれば可能性は無限なのだと思わされる。海外で滝谷源治が人気ということを考えても、「主役」をまず強固にすること、そして「脇役」も魅力的になっていくことは、海外に向けても「強い」取り組みなのかもしれない。

 また、同シリーズが海外で注目されるに相応しい理由として、華麗なアクションも無視できないだろう。香港に渡り、ドニー・イェンなどの元でスタントとアクションの設計を学んできた大内貴仁は、その経験を生かし、アクションチームのメンバー自らが、ワイヤーを身に着け、撮影をするという手法も駆使している。

映画『HiGH&LOW THE WORST』Special Trailer【鳳仙学園】

 カメラマンが、アクションをしている俳優たちの中にいて、あたかも戦っている1人のような目線で映像を見せていたかと思うと、ときおり浮き上がってふわっと移動したりするワンカットでのカメラワークにはオリジナリティーがあり、またワイヤーで吊られたまま川の上中を移動していく、戦う鬼邪高校と鳳仙学園のメンバーたちの間をすり抜けていく映像の独特の浮遊感は、ドローンで撮るのとは違った中毒性がある。

 大内とともにアイデアを出し合い独自のアクションシーンを作り上げてきた久保茂昭は、長らくLDH所属アーティストのミュージックビデオや、ライブ映像を監督してきた人物である。アーティストのアドレナリンの出た瞬間を切り取るという監督が、その技術を映画でも生かし、絵のように美しい瞬間が一作品の中にもたくさん存在している。

 アクションシーンでもそうした美しい瞬間がたくさん見られるのも同シリーズの醍醐味である。観たものに理屈ではなく感覚として訴えかける映像も、「世界」においての強みになっていると言っていいだろう。

※高橋ヒロシの「高」は「はしごだか」が正式表記

■西森路代
ライター。1972年生まれ。大学卒業後、地方テレビ局のOLを経て上京。派遣、編集プロダクション、ラジオディレクターを経てフリーランスライターに。アジアのエンターテイメントと女子、人気について主に執筆。共著に「女子会2.0」がある。また、TBS RADIO 文化系トークラジオ Lifeにも出演している。

■放送情報
『6 from HiGH&LOW THE WORST』(全6話)
日本テレビにて、11月19日(木)スタート 毎週木曜24:59〜25:29放送
※関東ローカル。放送時間は変更になる場合あり
企画プロデュース:EXILE HIRO
監督 : 久保茂昭、平沼紀久、上條大輔
出演:川村壱馬、白洲迅、中務裕太、小森隼、富田望生、矢野聖人
プロデューサー :植野浩之
脚本:高橋ヒロシ、平沼紀久、増本庄一郎、渡辺啓、上條大輔 
企画制作:HI-AX
制作プロダクション:サルベージ

■配信情報
映画『ROAD TO HiGH&LOW』(2016年)
映画 『HiGH&LOW THE MOVIE』(2016年)
映画 『HiGH&LOW THE RED RAIN』(2016年)
映画 『HiGH&LOW THE MOVIE 2 / END OF SKY』(2017年)
映画 『HiGH&LOW THE MOVIE 3 / FINAL MISSION』(2017年)
映画 『DTC -湯けむり純情篇- from HiGH&LOW』(2018年)
映画 『HiGH&LOW THE WORST』(2019年)
Hulu、Netflixにて、配信中

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