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フライドチキン、ピザ、ステーキ……クリスマスは『美味しんぼ』の極上料理を作ってみよう!

リアルサウンド

20/12/24(木) 10:00

 2020年も残りわずかとなり、クリスマスの足音が聞こえてきた。今年は感染症対策の一環として、クリスマスを家庭で過ごす人も少なくないだろう。

 とは言ってもクリスマスパーティーで、どんな料理を作っていいのかわからないという人も多いはず。そこで今回は料理漫画の草分け的存在、『美味しんぼ』から、クリスマスパーティーの参考になりそうな料理を選んでみた。

中華風フライドチキン

 クリスマス料理の定番の一つにフライドチキンがある。専門店で買う人も多いだろうが、『美味しんぼ』では独自の食べ方を提案している。

 それが10巻で紹介された中華風フライドチキンだ。アメリカ人の妻を持つ東西新聞社政治部の松川記者は、フライドチキンが大嫌いで、「人類が発明したもののなかで核兵器と並ぶ忌まわしいものだ」と叫ぶほど。

 しかし彼の妻でアメリカ人のメリーは、「フライドチキンを二度と食べないと言うようなわがままな人とは暮らせない」と、アメリカに帰る用意をしており、離婚のピンチに陥ってしまう。松川は山岡士郎に協力を依頼した。

 後日松川の家を訪れた山岡が作った料理が中華風フライドチキンだった。まず、内臓を取り除いた鶏肉に塩コショウをなすりつけ、表面を湯でくぐらせたうえ、皮をピンと張らせ、その上に、水アメを酢で溶いたものを塗って風干しにする。これは中華料理の技法らしい。

 続けて中華鍋に落花生油を入れて熱し、ジャーレンの上に載せた鶏肉に油をかけ、熱をじっくり中まで通す。そして充分中まで熱が通った頃に油を高温にしてかけると、表面がパリパリの中華風フライドチキンの出来上がり。

 フライドチキン嫌いだった松川はその表面がパリパリとした中華風フライドチキンの味を絶賛。「これは美味しい」と克服し、家族仲を取り戻した。(10巻)

 一般的なフライドチキンとは異なる「中華風フライドチキン」。少々手間はかかるが、その味は間違いなく本物。普通のフライドチキンは、なんだか物足りないと感じている人におすすめの一品だ。

シカゴ・ピザ

 クリスマスにはピザを食べたい! という人におすすめなピザが、27巻で取り上げられた「シカゴ・ピザ」だ。シカゴ・ピザはシカゴで発展した方式のピザで、数種のバリエーションがある。『美味しんぼ』に登場したシカゴ・ピザはディープディッシュ・ピザと呼ばれ、最もポピュラーなスタイルだ。

 ピザレストラン経営者の娘に惚れ、店に通う力士・鏡洋。交際を考えているが、親方がちゃんこ以外の食べ物を認めようとしない。そんな親方を同部屋の横綱・若吉葉が説得。そして同席した山岡が「ピザの横綱がある」と明かし、ピザ店に誘い出すことに成功した。

 店で山岡が「アメリカらしい超ド級のピザの横綱」として紹介したのが、シカゴ・ピザだ。ピザの生地で深皿を作り、中にミックスピザの具を二層に盛り込み、上にトマトソースとモッツァレラチーズを乗せ、オーブンで焼く。すると、超巨大なシカゴ・ピザができあがり。

 山岡も「普通の人間が食べ過ぎたら大変」と話す代物だが、クリスマスのような特別なパーティにはもってこい。自分で作るのもいいが、実際にシカゴ・ピザを提供するレストランもある。テイクアウトでアメリカンなクリスマスを満喫するのもよさそうだ。(27巻)

ザッハ・トルテ

 クリスマスに欠かせない定番メニューと言えばもちろんケーキだろう。ショートケーキ、フルーツタルト、ティラミスなど、バラエティ豊富だけに、どれにしようか迷ってしまうはず。

 『美味しんぼ』に登場したケーキのなかでクリスマスにおすすめなケーキが「ザッハ・トルテ」だ。結婚を決めた山岡と栗田を、それぞれの友人が「初恋の人と違う」「つまらないサラリーマン」と罵る。しかも、その2人も結婚するのだという。

 周囲から結婚の取り止めを勧める声もあったが、山岡の世話役・おチヨの仲介もあり、無事仲直り。そして「パリ以外のお菓子は田舎の駄菓子」とうそぶく2人に、一泡吹かせるため、美味しいウィーンのケーキを食べさせることを企む。

 川崎市麻生区のウィーン菓子店「リリエンベルグ」に2人を呼び出した山岡と栗田。「フランス菓子以外は田舎」とバカにする態度を見せる2人をよそに、店主がチョコレートを使ったウィーンの伝統的菓子ザッハ・トルテと、アップルストゥリューデルを作り上げた。

 「フランス以外田舎」と話した2人はザッハ・トルテとアップルストゥリューデルを食べると、言葉を失ってしまう。そしてケーキの味と山岡と栗田の相性を絶賛し、大団円となった。(44巻)

 ザッハ・トルテやアップルステゥリューデルの作り方は、ネットで簡単に探すことができるので、チャレンジしてみるのもいいだろう。また、今回登場した菓子店「リリエンベルグ」は実在する店で、多くの人に愛されている名店だ。実際に購入したいところだが、同店のウェブサイトによると、今年は新型コロナウイルス感染拡大に伴い、クリスマスケーキの販売を行わないそう。

ステーキ

 クリスマスに食べたい花形料理はもちろんステーキではないだろうか。そんな人に今回覚えてほしいのが、『美味しんぼ』流のステーキだ。

 日本一の味と評価される牛肉を育てる大南牧場の大南が身分を隠してステーキレストランを訪れる。居合わせた山岡と栗田を前に、大南は「肉がまずい」と泣き崩れてしまう。

 料理人は「営業妨害だ」「うちの店は日本一の大南牧場の肉を使っている」と啖呵を切ると、大南氏は「私が大南牧場の大南重吉だ」「こんな肉の扱われ方を見ると悲しい」「この店には大楠牧場の牛肉は入れさせない」と言い渡す。

 衝撃の仕打ちの理由がわからず戸惑う料理人に、山岡と三谷が紹介したのがステーキ焼きの名人、伝助老人。両者がレアで焼いたステーキを食べるとその差は歴然で、一様に「伝助さんのほうがずっと美味しい」と驚きの声を上げる。

 伝助は「レアっていうのは火が充分通った生のことなんだ」とアドバイス。そして、「前持って肉の両面を固めておくと中の肉汁が逃げないんだよ」「サラダオイルは使うなよ。肉の香ばしさがなくなるからな」と話す。そして一緒に肉を焼き、技を伝授した。

 山岡の計らいでもう一度大南に肉を焼いた料理人。大南は肉の味を褒め、自身が育てた最高の肉を贈ったのだった。クリスマスのメインディッシュにステーキを考えている人は、名人伝助の焼き方をぜひ参考にしてみてほしい。(3巻)

『美味しんぼ』を読んでクリスマスを楽しもう

 家で過ごすことが多くなりそうな今年のクリスマス。『美味しんぼ』を手に取りながら、とっておきのクリスマス料理にチャレンジしてみるのもいいかもしれない。

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