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KICK THE CAN CREWの新たな攻めの一手 岡村靖幸とのコラボで生まれた“一対一のラブソング”

リアルサウンド

18/8/27(月) 18:00

 KICK THE CAN CREWと岡村靖幸。そしてプロデュースは蔦谷好位置。ありそうでなかった絶妙な組み合わせというだけでもテンションが上がるが、しかもそこから〈そうさ住所 一緒のとこにしよう 約10畳くらいの部屋でどう?〉というパンチラインが生まれてくるから感服する。

 KICK THE CAN CREWが、約15年ぶりとなるシングル『住所feat. 岡村靖幸』を8月29日にリリースする。昨年に結成20周年を迎えて完全復活、アルバム『KICK!』のリリースやツアーを経てシーンの第一線に戻ってきた彼ら。これでグループとしての活動は一段落、それぞれのソロやユニットに戻るかと思いきや、再び攻めの一手を繰り出してきた。

 しかもKREVAは先日に新作『存在感』をリリースしたばかり。8月31日にはKREVA主催の『908 FESTIVAL 2018』、9月1日にはKICK THE CAN CREWのワンマンライブ『現地集合~武道館ワンマンライブ~』が、それぞれ日本武道館で開催される。

 つまり、KREVAはソロとグループの活動を完全に並行させて進めているわけだ。それぞれのクリエイティブについてKREVAに話を聞くと、こんな風に語っていた。

「キックに関しては、自分のプロジェクトと全く逆で、みんなの意見を全部取り入れて乗っかっていく作り方ですね。『コラボとかどうですか?』『いいんじゃない?』って」

 ファンキーなベースライン、カッティングギターとストリングスの響きが印象的な、ディスコサウンドの「住所」。実は曲の原型はかなり違うものだったらしい。

「最初はすごくメロウな曲で岡村さんとやるのが面白いかなって思ってたんですよ。俺が作ったのは全然違ってて、チルウェーブみたいな感じだったんです。でも、岡村さんが『蔦谷くんを入れて派手な感じにするのはどうですか』って言って。コウちゃん(蔦谷好位置)は友達なんで連絡して。そこからファイルのやり取りをしたり、岡村さんのアイデアをもらったり、それこそみんなで作った感じ。それを楽しんでる感じですね。自分でKICK THE CAN CREWをこうしてやろうとか、こんな風になってやれという意志はまったくない」

 蔦谷好位置はTwitterで楽曲の制作風景を明かしている。

 それを見ても、蔦谷好位置のサウンド面での貢献は明らかだろう。

 曲の構成も実はかなりユニークだ。ディスコなので基本的には四つ打ちのビートの上で同じコード進行がループしていく展開。その上でMCUとLITTLEがラップし、KREVAが歌い、さらに岡村靖幸が二つのヴァースを歌う。曲の後半には転調も織り込み、最後は3人の掛け合いのラップで終わる。かなり盛り沢山な構成だ。

「分量を同じにしたかったというのはありますね。でも最後のラップは岡村さんのアイデアです。『一瞬で全員が覚えるようなラップを作ってくれ』ってとんでもないハードルの高い要求があって。それで頑張って書きました」

 そしてやはり、この曲の魅力は、純度の高いラブソングである、ということだろう。実はKICK THE CAN CREWにはそういうタイプの曲は少ない。グループの成り立ちや、3人がマイクリレーを行うスタイル、最初に作った「カンケリ」「タカオニ」の世界観も含めて、彼らの曲は必然的に主語が「俺ら」であるものが中心だ。代表曲の「イツナロウバ」や「マルシェ」もそうだし、復活後の「千%」などもそう。ある種の青春性が楽曲の核にあるものが多く、その一方で、一対一のしっとりした恋愛模様や、相手に恋い焦がれる思いを歌うような曲はあまりなかった。

 しかし、今回は岡村靖幸とのコラボによって、KICK THE CAN CREWに「一対一のラブソング」という表現の回路が生まれた。いわばプロポーズソングとも言える楽曲に結実した。そのあたりが「住所」という曲のすごく面白いところなのではないかと思う。

 では、この先、KICK THE CAN CREWはどのような方向に向かっていくのか。この「住所」は復活後のグループにとってどのような象徴になるのか。KREVAはプランや戦略のようなものは「全くない」と言う。

「逆にどうなるか楽しみで。岡村さんとやれてよかったなって思いますね。流れに乗っていきたいから、デカい神輿をかついでくれたらそこに乗るし、小さい祭りに呼ばれてもそれを盛り上げる。そういう気持ちでやってます」

 どちらにしろ、とても面白いことになりそうだ。

KICK THE CAN CREW 「住所 feat. 岡村靖幸」Music Video

■柴 那典
1976年神奈川県生まれ。ライター、編集者。音楽ジャーナリスト。出版社ロッキング・オンを経て独立。ブログ「日々の音色とことば」Twitter

KICK THE CAN CREW
■リリース情報
『住所 feat. 岡村靖幸』
発売:8月29日(水)
初回限定盤(2CD)¥2000+税
通常盤(CD)¥1000+税 

<CD収録曲>
1.住所 feat. 岡村靖幸
2.Keep It Up 
3.住所 feat. 岡村靖幸 (Inst.)
4.Keep It Up (Inst.)

<BONUS CD> ※初回限定盤のみ付属
昨年発表した最新アルバム『KICK!』ライブ音源を全曲収録
01. 全員集合
02. 千%
03. 今もSing-along
04. SummerSpot
05. なんでもないDays
06. 完全チェンジTHEワールド
07. また戻っておいで
08. また波を見てる
09. I Hope You Miss Me a Little
10. タコアゲ

8月29日よりiTunes Storeほか主要配信サイト、Apple Music、dヒッツほか定額制聴き放題サービスで配信予定

■ライブ情報
KICK THE CAN CREW
『現地集合~武道館ワンマンライブ~』
9月1日(土)日本武道館

開場/開演:17:00 / 18:00
チケット代:7,000円(in tax)
*U19キャッシュバック(19歳以下の来場者には当日1000円返金)

KREVA
■リリース情報
『存在感』
発売:8月22日(水)
【初回限定盤(CD+DVD)】¥2,300(税抜)
【通常盤(CD)】¥1,500(税抜)
※初回限定盤はスペシャルパッケージ(デジパック仕様)
〈CD〉
1. INTRO 
2. 存在感 
3. 俺の好きは狭い 
4. 健康 
5. 百人一瞬 
〈DVD〉
1. 存在感 (Music Video)
2. 存在感 (Making)

・配信情報
8月22日(水)より、iTunes Storeほか主要配信サイト、Apple Music、dヒッツほか定額制聴き放題サービスで配信予定

『存在感』特設サイト

■ライブ情報
『908 FESTIVAL 2018』
8月31日(金)日本武道館
出演アーティスト:KREVA / 三浦大知 / 絢香 / JQ from Nulbarich / 尾崎裕哉 /高畑充希
開場/開演:17:30 / 18:30
チケット代:8,300円(税込)
※U19キャッシュバック(19歳以下の来場者には当日500円返金)
908 FESTIVAL特設サイト

『クレバの日 スペシャルライブ 〜大阪編〜』
9月08日(土) Zepp Osaka Bayside
開場/開演:17:45 / 18:30
1Fスタンディング/スペシャルプレゼント付 ¥9,080(税込)
2F指定席/スペシャルプレゼント付 ¥9,580(税込)
一般公演チケット発売日:9月1日(土)
お問合せ:キョードーインフォメーション 0570-200-888(10:00-18:00)
クレバの日〜大阪編〜特設サイト

■関連リンク
KICK THE CAN CREW HP
KREVA OFFICIAL HP
岡村靖幸 OFFICIAL HP
KICK THE CAN CREW New Single「住所 feat. 岡村靖幸」スペシャルサイト

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