Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

編集部の週末オススメ番外編 『ハイバイ、ママ!』『人間レッスン』で韓国ドラマ充に

リアルサウンド

20/5/8(金) 20:00

 毎週末に編集スタッフが週替りでオススメ映画・特集上映を紹介する「週末映画館でこれ観よう!」番外編。緊急事態宣言が延長になってしまいましたが、今週もオススメの配信作品をご紹介いたします。

 今週は、韓国ドラマを観て、昨年の編集部旅行で訪れた弘大の路上で先輩が泥酔していたあの夜を思い出した大和田が、Netflixにて連日トップ10にランクインしている『愛の不時着』『梨泰院クラス』の次に観たい、韓国ドラマ2作を紹介します。

【写真】『愛の不時着』のソン・イェジンとヒョンビン

■『ハイバイ、ママ!』

 韓国ケーブルチャンネルtvNで『愛の不時着』の後番組として放送され、最終話を迎えた4月19日にNetflixにて配信スタートした本作は、笑いと感動を絶妙なバランスでおくる、ヒューマンコメディドラマ。

 事故によって、自身の子供を一度も抱き上げることができないままこの世を去り、家族のそばから離れることになった主人公のチャ・ユリ(キム・テヒ)が、死別の痛みを抱えつつも新しい人生を始めた夫のガンファ(イ・キュヒョン)と娘のソウ(演じるソ・ウジンは実際は男の子だがキム・テヒとルックスがそっくりとのことで女の子役でキャスティングされている)の前に現れることで繰り広げられる、ゴーストママの49日蘇りストーリーを描く。

 ユリが亡くなって4年が経過し、ガンファは新しい妻・ミンジョン(コ・ボギョル)を迎えたが、悲しみで負った傷を閉じ込めて過ごしていた。ユリの母親・ウンスク(キム・ミギョン)は痛みを全て一人で背負おうとし、ガンファとソウとは一切の関係性を断っている。親友のヒョンジョン(シン・ドンミ)&グンサン(オ・ウィシク)夫妻はガンファたちをずっと気にかけている。ユリが彼らと再会して気づいたのが「死んで分かったのは、自分の人生は自分のものだけじゃない」ということ。ユリやほかの幽霊たちのエピソードを通しても、人生の中で大切なものについて考えさせられる。

 幽霊が登場する韓国ドラマには『トッケビ』などもあるが、本来ならば信じ得ないファンタジーの設定が、とても受け入れやすく描かれている。様々な経緯で突然、死んでしまった幽霊たちが登場し、残された者、亡くなった者が互いに別れを悲しむ。そして、自分のせいで涙している姿を見て、より一層辛くなってしまう幽霊たち。悲しみで溢れて、泣いてばかり、落ち込むだけの話になりそうなところに、それぞれのキャラクターたちの個性の面白さや、コミカルな演出、互いを思いやる心温まるセリフのおかげで、最後にはあたたかな気持ちにさせてくれる。ただやはり、毎話号泣必至回ではあるので、ハンカチは欠かせない。

 本作には『パラサイト 半地下の家族』で家政婦役を演じたイ・ジョンウンや、『愛の不時着』で北朝鮮の軍人ピョ・チス曹長役を演じたヤン・ギョンウォンも登場。どんなキャラクターを演じているのか、前2作を観た方は続けて楽しんでほしい。

■『人間レッスン』

 Netflixのオリジナルシリーズとして制作され4月29日から配信スタートした本作は、『梨泰院クラス』でチャン・グンス役を演じたキム・ドンヒが主演の学園ホラーサスペンス。

 『梨泰院クラス』では、チャン会長(ユ・ジェミョン)の次男でありながら子供の頃から異母から虐待を受けていたため十代で家から独立、イソ(キム・ダミ)には片思い……と可哀想な境遇を背負っていたキム・ドンヒ。そして本作でも、学校では静かな優等生だが、両親は家を出て一人暮らし、大学に進学し結婚して普通の幸せを手に入れたいという平凡な人生を夢を叶えるために組織犯罪を犯し、生計を立てているという、こちらも観ていて辛い境遇の主人公・ジスを演じている。

 本作は、金を稼ぐために取り返しのつかない犯罪の道を選択した高校生たちが、それによって取り返しのつかない残酷な対価を払う過程を描く。オーディションで選ばれたという、人気者で通じるジスの同級生ギュリ(パク・ジュヒョン)、ジスが犯した犯罪の真ん中にいる不良のミニ(チョン・ダビン)、ミニのボーイフレンドであり、学校のリーダーであるギテ(ナム・ユンス)、キム・ドンヒら高校生役の俳優たちの新人とは思えない、繊細な表情が素晴らしく、吸い込まれて一人一人をつい目で追ってしまう。基本的に学校を舞台に物語が進むので、学園モノとして観進めていくと、『パラサイト』の終盤並のハラハラな展開が待っている。誰が亡くなって、生きているかも分からない、続編がありそうな終わり方に、最終回を終えてもますます気持ちが高まってしまう作品だ。

 1話1時間越えの16話の韓国ドラマの構成は、観終わったあとの達成感はもちろん、あんなに長く熱中していたものが終わってしまった、どうしよう……という謎の中毒性があり、日本のドラマを楽しんだ後とは、また違うロスを感じる。長らく続いているおうち時間の刺激が足りない人は『人間レッスン』、人との接触が少ない今、ぬくもりや温かさを感じたい人には『ハイバイ、ママ!』をおすすめしたい。

(大和田茉椰)

新着エッセイ

新着クリエイター人生

水先案内

アプリで読む