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昨年入籍のバカリズム、のび太の結婚式当日の失踪に「理解できない」と激怒!?

ぴあ

かれこれ十数年にわたって“ドラえもん大好き芸人”を自称してきたというバカリズム。独特の鋭い観察眼と表現力による芸人としての活躍に加え、いまや脚本家、俳優など多彩な活躍を見せているが、そんな彼が熱望してきた『ドラえもん』のゲスト声優のオファーがついに巡ってきた!

2014年に83億円を超える興行収入を記録し、第38回日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞を受賞した3Dアニメーションの6年ぶりの続編となる『STAND BY ME ドラえもん 2』にて、未来デパートのセールスマン、ナカメグロを演じている。今年、連載開始50周年を迎えた『ドラえもん』の魅力をたっぷりと語ってもらった。

子供向けでありながら
発想は大人なのが『ドラえもん』

── 『ドラえもん』が好きすぎて、最もお気に入りのエピソード「さようなら、ドラえもん」を自身で模写したこともあったとか?

バカリズム そうですね。模写したのは大人になってからなんですけど、てんとう虫コミックス6巻に収録されている、一度、実際に原作の連載が終了する際の最終回として描かれた「さようなら、ドラえもん」は子供の頃から大好きでした。(※その後、「帰ってきたドラえもん」で連載は再開)

── 今年で連載50周年を迎える『ドラえもん』ですが、これだけ多くの人に愛される国民的な作品になった秘密はどこにあるのでしょう?

バカリズム ドラえもんというキャラクターももちろん魅力的ですが、加えて藤子・F・不二雄先生のおっしゃっていた“すこしふしぎ(※藤子先生が自身のSF観を表現した言葉)”な世界観──誰もが経験していそうなごく普通の日常にドラえもんが現れるというところが、自分を投影しやすくて魅力的なんだと思いますね。みんなが感情移入して「自分だったらこんなひみつ道具で……」と楽しめるからこそ、これだけ愛されているんでしょうね。

── バカリズムさんは以前から、自身のクリエイティブに関して、藤子・F・不二雄先生の短編作品などに大きく影響を受けていると話されていますね。

バカリズム そうですね。SF系だと『ミノタウロスの皿』(※牛が人間を家畜として支配する星に不時着した主人公を描く)とか『ノスタル爺』(※終戦を知らず、30年ぶりに日本に帰国した元日本軍兵士の主人公が、タイムスリップで幼少期の故郷に迷い込んでしまう物語)とか、大人向けの作品が好きで、発想であったり物語の設定にはすごく影響を受けていますね。

『STAND BY ME ドラえもん 2』

── そんなバカリズムさんが、大人向け作品ではなく『ドラえもん』が大好きというのはちょっと意外な気もしますが……。

バカリズム いやいや、これが子供向けでありながらも、その発想は大人が読んでも面白いところが結構あるんですよ。

僕が好きなエピソードで、ドラえもんがのび太の宿題をやることになってしまい、ひとりじゃ無理なのでタイムマシンで未来の自分を何人も集めて手伝ってもらうという話があるんです(「ドラえもんだらけ」てんとう虫コミックス5巻)。その後、過去からドラえもんが来て、何度も宿題を手伝いに過去に行かなきゃいけないハメになるってオチなんですけど、そういう設定は大人が読んでもすごいですよね。のび太が小学生で、子供向けに描かれてはいますけど、発想は大人ですよ。

結婚式当日に失踪しても見捨てられない
のび太の人望がなせるワザ

── 『ドラえもん』を語る上で、のび太の存在も欠かせません。多くの人が、大人になっても“自分(こそ)はのび太である”という不思議な感覚を持ち続けていると思います。

バカリズム ありますよね(笑)。やっぱりみんな「学校や会社に行きたくない」とか「怠けたい」って気持ちを持っているからでしょうね。

ただ、そんなのび太もビミョーに成長しているんですよね。初期の頃と比べると、ちょっとだけ勇気があったり、「あれ? 以前だったらそんなこと言わなかったよね? もっと怠けてたでしょ?」というところで飛び込んでいったり。その微妙に強くなったり、成長しているところが好きですね。

── そんなのび太が前作『STAND BY ME ドラえもん』での“結婚前夜”のエピソードに続いて、ついに本作では結婚式を迎えます。

バカリズム 「のび太の結婚前夜」のエピソードも、昔からすごく好きな話だったんですけど、今回は式当日のお話ですね。昔からのび太って共感され、愛されつつも、時々イラっとさせられるところがあったじゃないですか? 今回の大人のび太に関しては、今までで一番イラつきましたね(笑)。

── 結婚式当日に、まさかの失踪という……。

『STAND BY ME ドラえもん 2』

バカリズム 僕自身もちょうど去年、結婚したこともあって、身近なテーマでもあったんですけど、大人のび太がしずかちゃんを式当日にほったらかしにして行方不明になるって……(怒りのこもった声で)ちょっと理解できなかったですね。大人になってもひどいな!と思いました。

むしろ少年時代の方がしっかりしてるという、まあ、それものび太らしいといえば、らしいんですけど……(笑)。

── 結婚に向き合うという点で、のび太の心境に共感する部分はなかったんですか?

バカリズム 逃げ出したくなる感覚はなかったですね(笑)。いや、もちろん結婚をするときに「もうこれからはひとりじゃないんだからしっかりしないといけないな。大丈夫かな……? 自分に務まるのかな?」という気持ちは、自分も含めて誰しもあると思うんですよ。でもそこで“逃げる”という決断をしてしまうのび太は、さすがに理解できなかったですね。

ただ、そこでみんながなんとかのび太を連れ戻そうとしてくれる、見捨てないというところに、これまでののび太の人望があり、愛されているんだなぁ……と。これ、僕が本当にそんなことしたら、終わりですからね(笑)。

もし『ドラえもん』の新しい脚本を
書いてほしいとオファーされたら?

── 『ドラえもん』、そして藤子作品への熱い愛があるからこそ、今回のオファーはうれしかったのでは? しかも今回演じたナカメグロは、藤子先生の短編作品などに登場する未来のカメラのセールスマン、ヨドバ氏と同じキャラクター造形です。

未来デパートのセールスマン、ナカメグロ(右)

バカリズム そうなんです。そこはプレッシャーでしたね(苦笑)。今回の映画に突然登場する新しいキャラクターならともかく、僕も含めて藤子先生のファンにはおなじみの存在なので、汚すことはできないな、ちゃんとやらなきゃ!と。

── 作品を見ると、ほとんどの人は、事前に知らされていなければナカメグロの声をバカリズムさんが演じているとは気づかないのではないかと……。

バカリズム でしょうね(笑)。今回は完全に役に徹しましたね。

USJ(※8月より期間限定アトラクション『STAND BY MEドラえもん2』 XRライドが運行中で、ナカメグロがタイムツアーを担当している)にも実際にお客として行ったんですけど、当時はまだ映画のキャストは発表されていなくて、誰も気づいてなかったです(笑)。

── すさまじい『ドラえもん』愛ですね。今後、もし『ドラえもん』の新しいエピソードの脚本を書いてくれとオファーがあったら?

バカリズム ファンとして関わりたい気持ちはありますけど、今回のボイスキャストと同じで、それ以上に“汚したくない”という気持ちが強いですね。オファーがあれば喜んでやらせていただきますけど、相当慎重に書くと思います。自分の色を出そうなんてまったく思わず、藤子先生から出てこないであろう発想は絶対に出さずに。

── 最近では“ドラ泣き”というワードが注目を集めたり、近年の『映画ドラえもん』の“エモい”ポスターなどが大きな話題を呼んでいますが、こうした現象に関してはどのように受け止めていますか?

バカリズム やっぱり、小さい頃からみんな『ドラえもん』を見てきているから、大人になっても入りやすいというのはあると思います。

ただ“大人も泣ける”というのはあくまでも結果であってほしいなと思っています。基本的には『ドラえもん』は子供に向けたものであるべきで、やたら“大人向け”が強調されるのは違うと思うので。

ただ『ドラえもん』に関しては、そこは大丈夫だろうと心配はしていません。大人に歩み寄るのではなく、あくまでも子供たちのために作ったものが、結果的に大人も泣けるというのが、『ドラえもん』の素晴らしいところだと思います。



取材・文:黒豆直樹 撮影:源賀津己

『STAND BY ME ドラえもん 2』
公開中

(C)Fujiko Pro / 2020 STAND BY ME Doraemon 2 Film Partners

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