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LUNA SEA、さいたまスーパーアリーナでSLAVEと再会「俺たちは死ぬまでLUNA SEAを続ける」

ナタリー

21/3/29(月) 23:30

LUNA SEA(撮影:田辺佳子)

LUNA SEAが3月27、28日に埼玉・さいたまスーパーアリーナで約1年1カ月ぶりのワンマンライブ「LUNA SEA -RELOAD-」を開催した。この記事では2日目公演の模様をレポートする。

「LUNA SEA -RELOAD-」は昨年12月に実施される予定だったが、真矢(Dr)の新型コロナウイルス感染により延期されていた。当日は新型コロナウイルス感染拡大を防止するため、客席数の50%以下の人数を上限とするなど感染対策が施されたほか、場内の換気を徹底するために途中に20分の休憩時間を設ける2部構成でライブが行われた。

荘厳なオープニングBGMが流れ、神々しいライトとスモークに包まれる中でメンバーが登場。ステージ後方にスクリーンや壁はなく、無人の観客席をバックにLUNA SEAは「LUCA」でライブをスタートさせた。この曲は5度のグラミー賞受賞歴を持つ世界的音楽プロデューサーのスティーヴ・リリーホワイトを共同プロデューサーおよびミックスエンジニアに迎えて制作された、2019年発表の結成30周年記念アルバム「CROSS」の収録曲。SUGIZO(G, Violin)のギターソロ前にはINORAN(G)が手拍子をし、それに続いてRYUICHI(Vo)も手を叩く。観客は歓声に代えて、手拍子を送った。人気曲「Dejavu」では「さいたまスーパーアリーナ! お前たちの“心の声”を聞かせてくれ!」とSLAVE(LUNA SEAファンの呼称)を煽ったRYUICHI。彼はMCで「会いたかったぜ! 大変な時期に勇気を持ってここに来てくれて本当にどうもありがとう」と話し、「全世界で配信を観てくれている人は画面の前で絶叫してください」とライブの模様を配信で楽しむ視聴者に呼びかけた。続けてLUNA SEAは「Close」「You're knocking at my door」「PHILIA」と、アルバム「CROSS」の収録曲を中心にしたライブを展開。プログレッシブロックのエッセンスを感じさせるアンサンブルの「PHILIA」では、J(B)がピアノ演奏を披露した。

1部の中盤、RYUICHIはコロナ禍の世の中について触れ、人との分断が生まれやすい世の中ながら「メンバーとも話していたんだけど、この状況が俺たちとみんなの結び付きをより強固なものにしてくれているんじゃないか」と話し、「進化した時代を僕たちが作っていけると思っています。ルールはもちろんあるけど、夢を叶えるには覚悟が必要。僕らにしかできない未来を勝ち取っていきましょう」と話を続ける。「みんなが思いを投げてくれているのがマスク越しでもわかるんだよな。顔をクシャッとしたり、ニコッとしたり。とても美しい景色で、泣きそうになります。俺たちの音楽で世界を温めていきたいです」と述べ、「真矢くんが不死鳥のように戻って来てくれました! ドラムス真矢!」と真矢を紹介した。

1部の後半、「宇宙の詩~Higher and Higher~」に続いて「静寂」が演奏されたあと、RYUICHIが「ベース&ボーカル、J」とJのほうに手を向けると、Jはクールに親指を立てる。5人の思いが込められた曲「Hold You Down」の演奏後、RYUICHIは「みんなの声が聞こえる時代が来たらすごい。でも今は“静寂の時代”を極めていきたいよね」と話し、1部を「THE BEYOND」で締めくくった。

2部はオープニングSEの「月光」が流れたあと、「LOVELESS」で幕開け。この曲ではSUGIZOがトリプルネックのギター、INORANが12弦アコースティックギターを抱え、きらびやかなギターサウンドを鳴らした。続けて「BELIEVE」「DESIRE」と、1990年代に日本のロックシーンを彩った名曲の数々が演奏された。さらに1998年発表の大ヒットアルバム「SHINE」の表題曲や、同じく2000年にドラマ主題歌としても人気を博した「gravity」と、終幕前に発表されたLUNA SEA楽曲が続く。名バラード「I for You」ではSUGIZOがジョン・レノン仕様のEPIPHONE製カジノ、INORANはFENDERのAmerican Acoustasonic Jazzmasterという普段とは異なるギターで演奏し、観客に新鮮な印象を与えた。2部の終盤、RYUICHIが「みんな盛り上がっていこうか! はみ出してしまいましょうか。精神的にはみ出すってすごいね、壊れちゃう? 埼玉! 飛ばしていこうぜ!」と声を上げ、演奏が始まったのは「ROSIER」。間奏でJがマイクスタンドを放り投げると、観客の波が大きくうねった。興奮冷めやらぬ場内にラストナンバー「TONIGHT」のイントロが鳴り響き、LUNA SEAはメンバー同士が向かい合ったり、カメラに向かって笑顔を見せたりしつつ、白熱のパフォーマンスを展開してライブを終えた。

アンコールを待つ間、観客は事前に配られた青い半透明シールを携帯電話のLEDライトに貼っており、場内を青い光で彩った。LUNA SEAがステージに戻ると、RYUICHIが「宅配業者、運送業の方がいるから家で籠もれます。エッセンシャルワーカー、フロントワーカーの方がいますが、特に医療従事者の方はときに誹謗中傷にも遭いながら戦っています。世界中の人たちにこの青い光を届けたい。絶対にトンネルの出口まで行こうね」と話し、コロナ禍の昨年4月に発表した「Make a vow」を演奏した。その後、メンバーが順番に紹介され、真矢は「ひさしぶりに会場でも、画面上でも会えて本当にうれしいです。なかなか会えたなかったけど、そのぶん俺たちLUNA SEAとみんなの絆が深まったと思います。コロナに感染して、医療従事者の方々に本当に頭が上がらないです患者にも笑顔で接してくれて。そういう人たちは日本だけじゃない、人類を支えてくれている人なんだと尊敬しています。どれだけ僕は助けられたことか。これからみんなに恩返ししたいです。みんなのことが、大好きの最上級“大好キング”だぜ!」とコメント。Jは「止まってた時間をみんなとともに進めることができた感じがします。明るい未来に向かってみんなとロックしていきたい。これから少しずつ俺たちの日常を、みんなで取り戻しにいきましょう」と熱いメッセージをファンに送った。

SUGIZOは「青い光が最高に美しかったです。俺たちのメッセージが世界中の医療従事者やエッセンシャルワーカーに届くことを願っています。昨日もここに立ってつくづく思ったこと、それはLUNA SEAのライブがないと生きていけない。そして命があることに心から感謝しています。RYUや真矢も生還してきた。でもいつまでいられるかわからないから、今の状況が信じられないような奇跡です。この奇跡を起こし続けていこう。俺たちは死ぬまでLUNA SEAでいます。今、この瞬間を完璧に生きましょう。闇のトンネルを越えて、新しい未来を、希望に満ちあふれた未来を」と話し、「音楽、エンタメがないと文化は死にますよ。不自由かもしれないけど、こういうところでライブをやるのは素敵じゃないですか? いろんな弊害があるけど、堪えて越えて、音楽の新しいシーンを俺たちで作る。ありがとう。心から愛しています」と自身の思いを語った。INORANは「いろんな個性があっていいね。僕は短くまとめよう(笑)。明るい未来のために音楽は必要。僕らファミリーは全力で音楽を鳴らし続けたい。今日はありがとう!」と笑顔を見せた。

SUGIZOから「最重要人物。神奈川が誇る星!」と紹介を受けたRYUICHIは、「メンバーを支えてくれているスタッフにも熱い拍手を! スターッフ!」と叫び、観客は盛大に拍手。続けて「埼玉盛り上がっていこうか、思いをこのステージまで届けてください。かかって来い!」という煽りから人気曲「WISH」、そして「so tender...」が届けられた。終演後には無事にステージにカムバックした真矢が男泣きし、INORANが寄り添う。真矢は「みんな本当に最高だよー!」と喜びを爆発させ、INORANは「本当にどうもありがとう。僕らは結成30年、いろいろありながらもここまで来れた。これからも5人で、本当にいけるところまでいこうと思ってる。これからもよろしく。また会おうな!」とファンとの再会を約束した。

「LUNA SEA -RELOAD-」2021年3月28日 埼玉・さいたまスーパーアリーナ セットリスト

第1部

01. LUCA
02. Dejavu
03. Closer
04. You're knocking at my door
05. PHILIA
06. 宇宙の詩 ~Higher and Higher~
07. 静寂
08. Hold You Down
09. THE BEYOND

第2部

01. LOVELESS
02. BELIEVE
03. DESIRE
04. SHINE
05. gravity
06. I for You
07. ROSIER
08. TONIGHT
〈アンコール〉
09. Make a vow
10. WISH
11. so tender...

※「Dejavu」のeはアキュートアクセント、aはグレイヴアクセント付きが正式表記。

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