一度も撃ってません
20/7/3(金)
一度も撃ってません (C)2019「一度も撃ってません」フィルムパートナーズ
覗き見をする。
自分の知らない世界。それは、闇や異業種やSFや歴史的過去、海外、マイノリティということばかりではなく、大人の世界、ということが大きいのではないか。
何歳になっても、そんな大人の世界は存在する。誰もが、あらゆる面で大人ではないからだ。
この映画が、大人、なのは、メインキャストが中高年だから、ではない。
覗き見したくなる世界がひろがっているからに他ならない。
大人の世界を覗き見するとき、こころは、気持ちのいい背伸びをする。
把握できないからこそ、魅力的なものがある。分からないからこそ、愛おしくなるなにかがある。
少し謙虚に距離をとり、ディスタンスの彼方に、大人の世界を感じることは、21世紀のいまも、令和のいまも、実は映画の本質である。
本作には、自分の知らない世界を覗き見する、映画ならではの愉悦が、にやにやしながら寝転がっている。
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