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『エセルとアーネスト ふたりの物語』エンディング曲を歌ったポール・マッカートニー、父親との楽曲共演秘話が公開

ぴあ

19/9/24(火) 12:00

『エセルとアーネスト ふたりの物語』 (c)Ethel & Ernest Productions Limited, Melusine Productions S.A., The British Film Institute and Ffilm Cymru Wales CBC 2016

『スノーマン』『風が吹くとき』などでイギリス人なら知らない人はいない国民的絵本作家レイモンド・ブリッグズが、自身の両親の人生を愛情込めて描いた原作を映画化した、大人のためのアニメーション映画『エセルとアーネスト ふたりの物語』が9月28日(土)より公開される。この度、映画のためにエンディング曲を書き下ろし歌っているポール・マッカートニーと本作の秘められたエピソードが、昨年亡くなったロジャー・メインウッド監督の製作日記より初公開されることとなった。

『エセルとアーネスト ふたりの物語』で描かれるのは、激動の時代を懸命に生きた、ごく普通の夫婦の40年にわたる心暖まる本当の物語。1928年ロンドンで牛乳配達のアーネストとメイドのエセルは恋に落ち、結婚。最愛の息子が誕生し、第二次世界大戦、戦後の発展と時代の変化、そして静かに忍び寄る老い……。しかしいつもエセルの横にはアーネストがいた。激動の20世紀を生きた庶民の歴史を、暖かなまなざしで表現していく。

この度発表されたのは、なぜポールがオリジナル曲を提供したのかが理解できるエピソード。昨年惜しくも亡くなった本作の監督、ロジャー・メインウッドの製作日記に、その理由と、さらにポールとの秘話が綴られていた。

2012年、ポールが原作者ブリッグズの大ファンで、絵本『いたずらボギーのファンガスくん』に着想を得た楽曲があることを知っていたメインウッド監督は、ブリッグズ本人に「映画のための曲を書いてくれないだろうか」と、ポールへの手紙を書いてもらった。しばらくしてポールからブリッグズに返事が届いた。答えはイエス!返事には、「いくつか曲のアイデアがあるので、私たちたちがミーティングをする時にはきっとお聞かせできるでしょう」と書いてあった。

けれどポールは当時ツアーなどで忙しく、その日が来たのは2年後の2014年。メインウッド監督、原作者ブリッグズ、プロデューサーのカミーラ・ディーキンがソーホーにあるポールの事務所をついに訪問した。ワーリッツァーのジュークボックスが部屋を占拠し、部屋の隅には1本のギターが置かれたオフィスで、ポールが聞かせてくれた曲の仮タイトルは「ママとパパ(Mum and Dad)」だった。もちろん曲は申し分なく、ポールが16歳の時に亡くなった母への想いを書いた歌詞がつけられた。それは『In the Blink of an Eye』というタイトルに改められ、エンディング曲となった。

さらに映画には、74 年にポールがシングルとして発売した、ポールの父、ジェームズ・マッカートニーの曲『Walking In The Park With Eloise』も新録で使われている。アマチュアのミュージシャンだったジェームズの曲を起用することになったのは、ポール自らのアイデアだった。ブリッグズの父アーネストも、ポールの父ジェームズも、戦時中に補助消防士として働いていたと昔話が盛り上がっていた時に、メインウッド監督が「お父上はチェット・アトキンスともレコーディングしてますよね」と言ったところ、ポールが「きみ、その曲が好きかい?」と返す。この会話がきっかけで、この曲が劇中で使われることになったのだ。

レイモンド・ブリッグズが両親を描いた物語のなかで、ポール・マッカートニーが父との楽曲共演……。映画のラスト、ポールの曲が流れた後、続けてもう一度父ジェームズの曲が流れるという粋な構成が用意されている本作。ファンの方々はぜひ耳を傾けてほしい。

『エセルとアーネスト ふたりの物語』
9月28日(土)公開

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