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長谷美穂が語る、『17Live』の活動を経た歌への挑戦 「イチナナライバーだからこそ“今”を発信できる」

リアルサウンド

20/4/4(土) 18:00

 全世界4,200万人以上のユーザー数を誇るライブ配信アプリ、『17 Live(イチナナライブ)』。フォロワーも一緒に盛り上がれるイベントや、新たなスターを生み出すオーディションなども開催されており、エンターテインメントの新たな可能性を切り拓くコンテンツとして注目を浴びている。

 ライブ配信者はイチナナライバーと呼ばれているが、そのなかでも35万人以上のフォロワーを持つのが長谷美穂だ。このたび、彼女が歌う、自身の『17 Live』の配信内のテーマソング「Everlasting-17 Live Mix-」が配信リリースされた。

 楽曲はSOFTTOUCHの佐野史紀(Vo/Gt)が提供し、作詞は長谷と佐野との共作、さらにレコーディングはTurntable Filmsの井上陽介(Vo/Gt)がディレクションやギター・キーボード・プログラミングなどで参加。豪華なバックアップのもと、キラキラと爽やかなロックチューンの中で、長谷が伸び伸びとまっすぐな言葉を歌っている。

 インタビューでは、彼女の経歴から『17Live』について、そしてもちろん「Everlasting-17 Live Mix-」について、たっぷりと聞いた。彼女の歌そのままの誠実な人柄と、『17 Live』の新鮮な魅力が伝わるものになったと思う。(高橋美穂)

挑戦に次ぐ挑戦の日々だった 

ーー「Everlasting-17 Live Mix-」は、すでに配信されていますし、長谷さんのところにリアクションも届いているのではないでしょうか?

長谷美穂(以下、長谷):そうですね。番組でも毎日のように流していますし、リリースの日はちょうどバレンタインの日で、感謝の気持ちをいつも応援してくれるみんなに伝えられたのが嬉しかったです。曲に関しても“かっこいい”って言ってもらえて……ロック調なので、今までの私の、ポップなイメージとは少し違いますし、新しい私を見てもらえたかなと思いました。

ーー長谷さんとしては、今回のシングルで、新しい自分を見せたいという気持ちはあったんですか?

長谷:もちろんありました。歌手活動そのものが挑戦だったし、ずっとやりたかったことでもあったので、新しい自分を見せるなら今だ! みたいな。いつもと違う雰囲気も出したかったので、とてもぴったり合った楽曲だと思います。

ーープロフィールには、小学生の頃からダンサーとして活動してきて、そのあとはライターになり、今はモデルもやっているとあります。かなり多才ですよね。そんな中で、長谷さんにとって歌手とは、どういうものなのでしょうか?

長谷:小さい頃からダンスをしてきて、誰の曲かわからないけど踊っていたんです。“このジャンルが好き”とか“誰が好き”とかではなく、音楽が聴こえたら、踊ったり歌ったりすることが自然だったんです。だから、日常生活に必要なものが音楽であり、歌うことは自分を表現する一つの方法だったんだと思います。

ーーあえて挙げるなら、影響を受けたアーティストや、好きだったアーティストは?

長谷:ダンスをやっていたので、やっぱりヒップホップ系ですね。ビヨンセや(クリスティーナ・)アギレラ。でも、アヴリル・ラヴィーンのようなロック系やカーリー・レイ・ジェプセンのようなポップな曲も聴いていましたし、それぞれのいいところを見て、こうなれたらいいな! って思っていました。

ーー洋楽が多いんですね。

長谷:そうですね。ダンスをする時は洋楽が多かったので。あと、歳上の兄がいて、ロックが好きだったんで、その影響もあると思います。

ーーそんなルーツを、満を持して生かした「Everlasting-17 Live Mix-」ですが、参加アーティストが強力ですね。

長谷:そうですね。自分でも信じられないぐらいの方々にサポートしてもらって。レコーディングも作詞も、全てが初挑戦だったので、私の感情をひとまとめにしてもらって曲ができあがった時は、本当に感動しました。こんなふうに曲はできあがっていくんだ! って。

ーー曲はどういうふうに作っていったのでしょうか?

長谷:『17 Live(以下、イチナナ)』を2年間やってきて、普通の生活では味わえないような体験をしてきたんです。『イチナナ』って、毎回イベントが開催されていて、それに勝つ/負けるっていうことも含めて、挑戦に次ぐ挑戦の日々だったんですね。ハラハラしたり、ドキドキしたり、泣いたり、笑ったり。その感情を全て歌詞に書いて、それをまとめられないまま(詞を共作したSOFTTOUCH佐野史紀に)渡して、まとめてもらったんです。

ーーその過程を考えると、先に『イチナナ』のお話を聞いた方がいいかもしれませんね。まず、長谷さんがイチナナライバーとして活動するようになったきっかけは何だったんでしょうか?

長谷:友達がやっていて、私もできるかな? 楽しそうだな? って思ったからですね。その頃はライターをやっていて、家に引きこもる仕事だったので、人と話したいっていうのもあったんですよ。

ーー気軽なものだったんですね。まさか、こんな35万人以上のフォロワーを持つとは……。

長谷:そうですね。他のライバーさんに憧れていたわけでもなく、何もかもわからない状態からはじめて、ライターの片手間で「みんな元気~?」ってやっているような感じだったんです。でも、応援してくれる人がだんだん増えてきて、いろんなことに挑戦できるんだなって思えるようになって、モデルやタレント活動もするようになりました。自分に少しずつ自信がついたんですよね。

ーーライターって裏方じゃないですか。歌手やモデルやタレント活動って、近いようでいて真逆の立ち位置ですよね。

長谷:そうですね。もともとは、さっきのお話のようにキッズダンサーだったんですけど、腰を痛めてダンスを断念せざるを得なくなったから、ライターをはじめて。だから、芸能活動はしたかったことではあるんですよね。でも、『イチナナ』を始めて応援してくれる方が増えてきて、一度諦めたからこそもっと芸能活動をやりたいという気持ちが熱くなっていきました。

ーーフォロワーを増やしたいという気持ちは、徐々に大きくなっていったんですか?

長谷:そうですね。『イチナナ』をはじめた時は、自分に自信がなかったんですよ。いろんなことに挑戦するのも怖かったし。でもだんだん自分が出せるようになって、応援してくれるみんなを信じてもっとたくさんの方に知ってもらいたいと思うようになりました。

ーー『イチナナ』と共に成長してきたと言っても過言ではない?

長谷:本当にその通りだと思います。一人じゃ何もできないけれど、みんなが集まれば大きな力になるんだなって、ここで学びました。

ーーSNSってドライなところもあると思うんですが、今のお話を聞いていると『イチナナ』は、ある意味で体育会系というか、すごく血が通った熱いもののように感じます。

長谷:そうですね。私も最初はそう思っていなかったんですが、だんだんイベントに挑戦していくごとに、自分やみんなの熱い気持ちが合わさって大きな形になっていって、それを実感したんですよね。

『イチナナ』は、かっこつけない素の自分を見せていく場所 

ーー今、SNS、ネット上には、いろんな表現のスタイルがあると思うんですが、そんな中で『イチナナ』の魅力って、長谷さんはどう感じていらっしゃいますか?

長谷:一番身近なんじゃないかなって思いますね。後で見せるものではなく、リアルタイムなので、失敗もあるし、悔しかったら涙が出ちゃうし、面白かったら笑っちゃうし、近い距離でみんなと接することができるツールだと思います。

ーー何回も撮り直してクオリティを上げていく、という方法ではなく。

長谷:かっこつけない素の自分を見せていく場所ですね。

ーーでも、それ怖いですよね。

長谷:怖いですよ。配信する時に“今日はできるかな”“自信ないな”って思う時もあるんですけど、毎日毎日積み重ねて2年間続けてきて。みんながいたからこそできたし、歌も出せたと思っています。

ーー『イチナナ』では、具体的にどんな挑戦をしてきたんですか?

長谷:今日はこれやってみよう、あれをやってみようの繰り返しでした。最初はダンスからはじまって、歌はやっていなかったんですよ。歌をはじめた時は、マイクも通さずに、音楽をかけてそのまま歌っていたので、音がズレたり、自分の音が聴こえなかったり、音を外したりして……いろんなコメントが届きましたね。そのなかでも応援してくれる方がいたので、ずっと続けられたんだと思います。自分はこういう道を進みたい! という気持ちを強く持って『イチナナ』を続けていましたね。

ーー歯に衣着せぬコメントも届くわけですよね。

長谷:もちろん。直で届きますね。

ーー『イチナナ』の魅力の近さが、辛さになってしまうこともある。

長谷:そうですね、それはあります……。

ーーそのコメントも糧にして、じゃあここは直そうとか。

長谷:そう、毎日それの繰り返しです。今でもそうですし。押し潰されそうになって涙したりもありますが、自分の思いをしっかり伝えることもできるようになったかなと思います。あとは服装や髪型でもモチベーションが変わりますし、部屋の模様替えをしてみることもありますね。

ーー見た目も中身も試行錯誤しながらやってきたんですね。そこで培ってきた成長や感情を、「Everlasting- 17 Live Mix-」の歌詞にぶつけたという。

長谷:そうですね。

ーー〈答えの出ない問題に答えを 出さないことを選ぶのも未来〉という歌い出しは、特に印象的でした。

長谷:『イチナナ』をやっていると、なんでそれがよかったのか、だめだったのかもわからないことがあるんです。でも、答えを出さなくてもいいんじゃないかなって。意外と真面目なので(笑)、考えすぎちゃうところがあるんですけど、自分自身の心と闘いながら、自分自身に刻んでいることなので、こういう歌詞にしました。

ーーあとは〈リアルであればそれで良いと 言い放つことはたやすい〉という歌詞も響きますね。『イチナナ』というライブ配信をしている長谷さんが歌うという意味も感じます。

長谷:『イチナナ』をやっていなければ、こういう歌詞は出てこなかったと思います。こうしてリアルに会うことも大切だけれど、配信で一人ひとりに寄り添うこともできると思うし。“楽しかった”とか“心が楽になった”って言ってもらえるような配信を心掛けているので、そういう中でこの歌詞が出てきたんだと思います。

ーー佐野さんとの共作は、どんなやり方で行われたんですか?

長谷:会わずに、メールでやり取りをしたんです。それも今っぽいなって思いますね。それでも、私の気持ちを汲み取って、歌詞にしてくださった佐野さんには本当に感謝です。私はライターをやっていたからか、みんなにわかりやすい表現を選んで書いていたんですけど、歌詞にするにはこういう言い回しをした方がいいっていうことも教えてもらいました。いろんな場面で、いろんな人が聴いてわかりやすい、でも深い歌詞を、一緒に作り上げられたと思います。 

ーー曲に関してはどう思いましたか?

長谷:最初にいただいた曲が、私が歌ったことで、どんどん変わっていって。曲ってこんなに変化するものなんだな! って知ることができましたね。

ーーTurntable Films・井上陽介さんのディレクションはいかがでしたか?

長谷:6時間ぐらいレコーディングしたんですけど、こんなに歌うんだ! って。勉強になりましたね。サポートしてくださる方がいたからこそ歌えたと本当に思います。

ーー井上さんからかけられた言葉で、印象的だったものはありますか?

長谷:私は思いを強く歌ってしまうので、(もっと)優しくっていうことだったり……私らしさを見つけて声をかけてくれたんだと思います。私、つい張り切って歌っちゃうんですよ(笑)。だけど、いつも通りでいいんだよって。

ーー佐野さんや井上さんに見つけてもらった長谷さんらしさは、これからの音楽活動やイチナナライバーとしての活動に活かされていきそうですね。

長谷:自分の成長には必要だったと思います。これからの成長も見てもらいたいと思える作品になりましたね。

ーーこれから、イチナナライバーとしてはもちろん、音楽活動もより本腰を入れて行く予定ですか?

長谷:そうですね。次の曲も作っていますし、SNSを生かして、みんなの輪を広げていくようなことも考えています。

ーーお話を聞いていると、自己表現だけではなく“みんなで”というところが、長谷さんにとって大事なスタンスのようですね。

長谷:それが第一というぐらいです。みんなで楽しいこと、ワクワクすることを突き詰めていきたいです。自分もワクワクしたいし、みんなで楽しむことを実現できたらいいなって思いますね。

ーー自己主張から徐々に聴き手を意識した表現に変わっていくのではなく、スタート地点からみんなと一緒に作っていきたいという発想は、SNS時代ならではだと思います。イチナナライバーの音楽活動の可能性を、どのように捉えていますか?

長谷:イチナナライバーだからこそ、「今」を発信できると思うし、新しい発見やムーブメントを起こせるんじゃないかなぁと思っています。男女問わず、年齢層もバラバラな方々に、どんな時にも輪が広げられる曲を作っていきたいですね。自分にしかできないことは何なのかな? って考えながらやっています。

ーー現状のフォロワーさんも、年齢や性別は様々なんですか? 勝手に長谷さんと同世代の女性が多いのかと思っていました。

長谷:様々ですね。髪型やメイク配信とかをすると、やっぱり女性がたくさん来てくれるんですけど。男性も来ますし、50代、60代の方もいます。あと「Everlasting-17 Live Mix-」を保育園の先生が流してくれて、子どもも歌っているよって教えてくれて。今、こういうご時世なので、みんなとハッピーになれるような曲を、これからも作っていきたいですね。

ーー確かに、今「Everlasting-17 Live Mix-」の歌詞を見返してみて思いましたけど、若い世代のラブソングとか、女性の葛藤とか、そういった限定したシチュエーションを描いていないので、あらゆる人が自分自身を当てはめられますよね。そこって意識していたんですか?

長谷:そうですね、どの場所でも、どんな人にも、わかってもらえたらいいなっていう思いで書いていました。

ーー今、アーティストは生でライブができない、それどころか誰もが外にさえ出にくい状況じゃないですか。そんな中で『イチナナ』という舞台で自分にはどんなことができるかを考えたりはしますか?

長谷:考えながら活動していますね。外に出られない時にみんなが楽しめること、みんなでひとつの道を作り上げられることを考えています。配信でつながっているよって、みんなにも伝えたいし、配信を見て元気になって、活力にしてほしいです。まだまだ私も模索している最中ですけど、みんなと一緒に成長していきたいなって思います。

ーー長谷さんの成長を見られることも、励みになるでしょうね。

長谷:そう思ってもらえると嬉しいですね。私、(配信中に)本気で泣くんですよ(苦笑)。みんなから“またみーちゃん泣いてるよ”ってコメントが来るんですけど。同じ気持ちだよ、って思ってくれる方も中にはいるので、そんなみんなと一緒に長谷美穂を作っていきたいですね。

ーーすでに自分だけのものではないんですね。見ている、聴いているみんなも、アーティスト・長谷美穂の一部であると。

長谷:一部になってほしいと思っています。

ーーこれから、どんどん輪を大きくしていきたいですね。

長谷:そうですね。曲が増えたら、いつかライブ活動にも飛び出していきたいです。それを、またライブ配信するとか。いろんな可能性を考えています。フォロワーさんに住んでいる街を教えてもらって、そこに行って歌うとか。そういう企画もできますよね。

ーー音楽的には、どんな方向性を考えているんですか? こういうロックテイストだけではなく……。

長谷:はい。ダンス経験もあるのでアップテンポな曲などいろんな曲をやっていこうと思っています。

ーー最後に、何か目標があれば教えていただけますか?

長谷:『イチナナ』の配信のエンディングで加山雄三さんの「海 その愛」を使っているんですけど、加山雄三さんとコラボしたいです! 私の配信に出ていただけないかなあと思っています。

ーー加山雄三さんの曲を使ったっていうのは、何かいきさつがあったんですか?

長谷:フォロワーさんが教えてくれたんですよ。配信の時、私テンションが上がっちゃって、そのあともなかなか眠れないっていう話をしたら、この曲の加山さんの優しい歌声を聴くと落ち着くよって。それからエンディングで流すようになって、落ち着いて眠れるようになったんです。それから加山さんのことを調べて、会ってみたいって思うようになりました。「Everlasting -17 Live Mix-」の歌詞にも〈波〉って入れているんですよ。

ーーそこから来ていたんですね! 

長谷:いつか一緒に歌えるように、私も頑張っていきたいです。

ーー本当に、いろんなフォロワーがいて、そしてその声をしっかりと聞いているということが、よくわかるエピソードですね。

長谷:小さい子からおじいちゃんおばあちゃんまで聴いてくれるようなアーティストになりたいです。まだアーティストとしては赤ちゃんみたいな状態なので、成長していく姿をみんなに見てほしいですね。

■リリース情報
「Everlasting-17 Live Mix-」
配信はこちら

長谷美穂 オフィシャルサイト
17 Live(長谷美穂のページ)

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