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「はな恋」企画の孫家邦、U-NEXTに期待「映画館との共存が一番大事」

ナタリー

孫家邦(左)

「U-NEXT主催 メディア向け勉強会 映画における “ONLY ON戦略”」と題したイベントが本日6月17日に東京都内で開催。「花束みたいな恋をした」で企画を務めた映画プロデューサーの孫家邦(リトル・モア)、U-NEXT映画部部長の林健太郎が登壇した。

U-NEXTは21万本以上の映画、ドラマ、アニメが見放題で楽しめ、最新作を含む約2万本のレンタル作品を配信している動画配信サービス。2020年11月時点で有料会員数209万人を突破し、SVOD(定額制動画配信)サービスではNetflix、Amazon Prime Videoに次ぐ国内シェア3位を誇る。林が「当たり前にあるべき映画を当たり前に配信する」と語るように、その見放題配信作品の量で他の配信サービスを圧倒しているU-NEXT。現在、外国映画と日本映画を合わせて約1万1000本の作品を見放題で配信しているほか、アニメ、韓流・アジアドラマ、国内ドラマのジャンルでももっとも作品数が多い。

コロナ禍では122作品のオンライン公開を実施。映画館での鑑賞料金に近い金額で配信することで、コロナ禍で減った興行収入を補填する役割を担った。そのほか林は2020年より14の映画祭と連携した実績、U-NEXTのポイントを鑑賞チケットに交換できる映画館との取り組みに触れながら、「映画興行と配信は競合関係ではなく共存関係」とU-NEXTの考えを表明。映画との接点を増やし、興味を向上させ、鑑賞の習慣性を維持できるサービスを目指すという基本方針を示した。

これまで「どついたるねん」「ポルノスター」「まほろ駅前多田便利軒」「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」など数多くの映画作品を手がけてきた孫。そんな孫も企画の参考として映画を鑑賞する際、まずU-NEXTを検索するという。「映画を観るときはまずU-NEXTから検索します。探し甲斐があるアーカイブ」とU-NEXTの多彩なラインナップに言及し、吉田喜重やロベール・ブレッソン、ライナー・ヴェルナー・ファスビンダーらの名を挙げる。林は「正直数字が伸びないことはありますが、観る1人ひとりの熱量は高い。それを信じて重要な監督は全部そろえるつもりです。またA級からZ級までの映画をそろえる。まさにレンタルビデオ店のやっていたことを目指してます」とラインナップへのこだわりを明かした。

勉強会はU-NEXTで7月14日からの配信が発表された「花束みたいな恋をした」の話へ。全国映画動員ランキングで6週連続1位、興行収入では37億円を記録し、2021年上半期の映画界の話題をさらった本作。邦画メジャーではない東京テアトルとリトルモアの共同配給としても異例のヒットとなった。その要因を問われた孫は、キャストや脚本の魅力に触れつつも「コロナで大きな映画が延期した。興行はライバルがたくさんいたほうがいいかと言うと、どうも違うような気がして。毎週映画観たいなという人の選択肢が狭まった結果。この映画は延期する余裕がなかった。もう公開するしかなかった」と時期的な要因を語る。

東京テアトルやU-NEXTとの連携について、孫が「インディペンデントはどんどんつらいところに追い込まれる。小さな映画にお金が回らなくなったのは確か。稼ぐ映画がすごく稼いで、稼げない映画との格差は拡大してます。これからは手段を選ばずに勝ちたいと思っている人たちとの闘い。僕らは手段を選びます。だから東京テアトルとの共同配給を考えたし、U-NEXTさんで配信したいと思った」と述べる場面も。また「映画館との共存が一番大事。U-NEXTはちゃんと映画館と共存していこうという姿勢。林さんにはがんばってもらいたい」と期待を込めて語った。

(c)2021「花束みたいな恋をした」製作委員会

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