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フィロソフィーのダンスが最新作を経て語る、より鮮明さを増した“目指すアイドル像”

ぴあ

フィロソフィーのダンス

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2021年初の新曲「カップラーメン・プログラム」のリリースを記念し、5月1日に生バンドを率いた無観客配信ワンマンライブ『Cup Ramen Night』を開催したフィロソフィーのダンス。7月17日には人気曲「シスター」のアナログ・シングル・レコードのリリースを控え、その活動は蓋を開けるまで毎回楽しみが尽きない。

今回ぴあ初登場となるメンバー4人のインタビューでは、そんな枠に囚われることなく成長を続ける彼女たちの最新作の話からアイドルに対する考え、活動の根底にある精神論を紐解いた。

メジャーデビューの時よりも成長した姿を見せたかった(佐藤まりあ)

フィロソフィーのダンス(左から十束おとは、日向ハル、奥津マリリ、佐藤まりあ)

――5月1日の生バンドを率いたライブは配信でも毎ライブごと熱量が高く、気持ちが伝わって、凄まじかったです。

奥津マリリ(以下、マリリ) 配信ライブを「どうにか楽しんでもらおう!」という気持ちでやりました。初のマルチアングルも試みたんですが、久しぶりのライブが楽しみな気持ちが大きかったですね。7月のライブも、ファンの中で伝説と呼ばれる1日にしたいなって思ってます。

十束おとは(以下、おとは) ハッピーな1日でした!

日向ハル(以下、ハル) 今回は久しぶりのフルバンドセットでの大編成でした。

――メジャー発表してから約1年ぶりのフルバンドセットでしたね。

ハル 大人数でやることの楽しさはこれだなって感じました。新曲のカップリング「フォーカス」はライブで映える曲なので、ホーンが加わり、さらにCO2の演出も盛り込んであって楽しかったです。

――「フォーカス」はCHAIのユウキさんが作詞されたのにも驚きましたが、ラストのクライマックスに向けて起爆剤になる1曲でしたね。

一同 ありがとうございます。

佐藤まりあ(以下、まりあ) 今回はメジャーデビューシングルの時よりも成長した姿を見せたかったんです。配信ライブってごまかしが効かないし、楽しいだけでやり過ごせないので丁寧に歌おうと意気込みましたね。

佐藤まりあ

――マリリさんも頷いてますね(笑)。それにしても凄いペースで配信ライブをやられていますね。昨年のAR演出を駆使した配信ライブもですが、いつも新たな試みに驚きます。音源でライブするアイドルも多い中、生音にこだわったキッカケは?

まりあ 私たちの音楽はグルーヴを大事にしてるから、バンドセットが合うよねっていうプロデューサーの加茂啓太郎さんの意見が発端でした。初めての時はグルーヴが掴めずついていくのに必死でしたが、今ではグルーヴに乗るだけでなく、そこから“何を伝えるか”という余裕もできはじめました。

――2019年の年末に新木場コーストでのフルバンドでワンマンライブをした時と比べるといかがでしたか?

まりあ 私はあの時はじめてバンドメンバーと対等にステージに立てている自信がつきました。なので、今回は私たちが「バンドメンバーを燃えさせよう!」って気持ちで臨めました。

常に明るくいたいって思うようになって(奥津マリリ)

奥津マリリ

――音域やグルーヴ感もどんどん成長して凄い一体感に仕上がってきてますよね。マリリさんは活動のスタートがアイドルでなくシンガーでしたが、アイドルに対しての考えも聞かせて下さい。

マリリ シンガーソングライター時代を経てアイドルになったので価値観の違いに驚くこともよくありました。応援してくださる方が増えて、自ら物販に立ってCDを販売していた時と比べると逆に「今まで何をしてたんだろう?」って考えた時期もあったけど、アイドルになってからは応援される価値のある女になろうと思って努力しました!

――アイドルでやっていこうと決めたのはいつ頃から?

マリリ フィロソフィーのダンスのプロデューサーの加茂さんに声をかけて頂いたときからですね。ソロで活動している時にスカウトされ、アイドルの知識が皆無でしたし、踊ったこともなかったので悩みましたが面白そう!と思い、飛び込んでみました!

――そうなんですね。アイドルになってからはシンガーソングライター時代と比べて気持ち的な変化はあったんですか?

マリリ はい。メンバーを見ていたら常に明るくいたいって思うようになって、明るく楽しいを提供することを目指したポップなフィロソフィーのダンスになっていった気がします。他の人の個性は否定しないで、のびのびとやらせていただいております(笑)。

――松田聖子さんやaikoさん好きを公言してますが、指標となった存在でいうと?

マリリ アイドル像は松田聖子さんなんですけど、アイドルになって勉強して「これが今のアイドルや!」って感じたのは、モーニング娘。さんですね。「泡沫サタデーナイト!」という曲を聞いて、規律が守られた中で個性をブチのめしてくれるのが、もう…ギュンギュンしました!

――シンガーからアイドルを目指す中でメンバーはどう映っていましたか?

マリリ 入った当初は別世界の人みたいでした。アイドルや芸能人になりたいって志を持った子が周りにもいなかったので。

まりあ 私は別世界の人だとは思ってなくて(笑)。アイドル志望で入ってアイドル像が凝り固まってたけど、こういう歌い方や表現があるんだって、3人が壊してくれましたね。

――まりあさんはいつからアイドルを目指したんですか?

まりあ 私はモデルさんや女優さんになりたくてオーディションを受けていたんです。けれど、全然受からなくて。唯一受かったのがオーディション雑誌のアイドルオーディションでした。アイドルっていろんなお仕事ができるから良いなと思ったんですけど、王道アイドルになりたかったから、自分の所属するアイドルが楽曲派と言われるのは想像してなかったですね(笑)。

――楽曲派だからできたことも多そうですね。

まりあ バンドさんとのツーマンだったり、生バンドのプロのミュージシャンと一緒のステージに立てたことは、音楽を大事にしてるからこそでしたね。上手い人に引き上げられて、歌の音域も圧倒的に広がりました。

――ハルさんはどんな経緯でアイドルの道へ?

ハル 母が邦楽好きで、最初に好きになったのが美空ひばりさん。昭和の髙橋真梨子さんや中森明菜さんを一緒に歌ったりしている幼少期でしたね。

――以前はバンドもやられていたんですよね?

ハル はい。ヴォーカルになってから好きになったのが椎名林檎さん、東京事変やRADWIMPSと邦楽ばかりで。その時は歌手になりたいという夢を叶える為に手段を選んでいる場合じゃないっていう焦りが強くて。歌える場所が欲しいと思った時に、(フィロソフィーのダンスの)オーディションをやってるというのをプロデューサーさんから聞いて。

――アイドルの道を選んで、すぐにアイドル像は掴めましたか?

ハル はじめる前は王道アイドルしか知らなかったので、自分がどういうキャラクターになれるかも分かりませんでした。でも、今は王道じゃない人やいろんなアイドルがいて、ファンの人も多様性を受け入れることができるって分かって。時間はかかったけど自分らしく無理無く振る舞えるようになりましたね。

――影響を受けた人は?

ハル ここ何年かで韓国のMAMAMOOを知って、しっくりハマるものがありました。K-POPっていわゆる細くて可愛いってイメージがあったんですけど、MAMAMOOのファサは王道アイドルじゃないけど自信を持って表現してるし、それがカッコ良いと思いました。精神面というか歌以外の部分でそうなりたいという表現の指標が見つかった気がしました。

――おとはさんは?

おとは 私は家族が音楽好きで、小さい頃に出かけると別のジャンルの曲を家族でかけるイベントがあって。お父さんはJ-POP、お母さんはクラシック、姉は洋楽と全員の好みがバラバラだったこともあり、色々なジャンルの音楽にいつも触れてました。

――その中でも特に憧れた人は?

おとは 思春期に深夜アニメにハマり出して、初めて自分でチケットを取って声優の田村ゆかりさんとか水樹奈々さんのコンサートに行くようになったんです。そこからアイドルも好きになったけど、自分が好きになったのは声優さんやアニソン、ボカロでしたね。

はじめて他のメンバーの魅力を羨む歌詞を歌いました(日向ハル)

日向ハル

――それぞれが探りながら、今のフィロソフィーのダンスになっていったんですね。最新作「カップラーメン・プログラム」の話に移りますが、作詞は「なんで?」以来の児玉雨子さんですね。

ハル 今回は「女性目線で書いてくれる方が良いよね」ってなって、メジャーデビューシングルで「なんで?」の歌詞を書いてくださった児玉さんにお願いしました。

――もともとスパゲティプログラムという言葉から着想を得たタイトルですが、ラーメンってワードは誰が言い出したんですか?

まりあ はい! 私が言い出したんですけど、まさか私が考えた“カップラーメン”って言葉が、こんなにドラマチックに返ってくるなんてビックリしました(笑)。

おとは 今回は熱い女がテーマなんですけど、アッチアチに100℃で歌うというよりは、じんわり40℃くらいのお湯加減で外側から包み込むようなイメージで、聴いてくださる方々に寄り添い、癒すように歌おうって話しました。

ハル これまでは自分の魅力を自分で歌うことが多かったんですけど、今回は自分に自信が無かったり、誰かを羨んでしまうような時もあるよねという側面を出していきたかったので、はじめて他のメンバーの魅力を羨むような歌詞を歌いました。

――じゃあ、リアルとのギャップもあった?

まりあ 私は結構SNSを見て自分もこうなりたいって思うので、歌詞もしっくりきましたね。「同じ気持ちの人もいるんじゃないかな?」って思うので、共感してもらえたら嬉しいです。

マリリ 人を羨む気持ちを歌うことで、私たちの新たな側面を見せることができて、幅が広がった気がします。

――ミュージックビデオもいつもとは違う作品に仕上がりましたね。

おとは これまでの曲は強い表情が多かったのですが、今回は前半に悩ましい表情であったり弱い部分も見せつつ、後半ではこれまで通りのフィロソフィーのダンスらしい強い表情へ変化していくという二面性を表している内容には注目して頂きたいです。

フィロソフィーのダンス「カップラーメン・プログラム」MV

縛られすぎなくても良いのかなって(十束おとは)

十束おとは

――YouTubeに投稿されたお風呂でうたってみた動画もですが、新しい可能性を模索する取り組みがいつも面白いですね。話しているとアイドルって言葉に囚われず勝負しているような印象を受けました。改めてフィロソフィーのダンスの一言で魅力を言うと?

マリリ んー…あっ、はい! 世界平和! 

――世界平和?

マリリ 自分の周りの世界が少し幸せになるみたいなところかな? いろんな人を許してあげられるような人になれると良いなと思います。大きな言葉で言うなら、そう。ふんわり言うなら、みんなの心を平和にする!(笑)。

一同 (笑)。

――それはみんなの共通認識なのかな?

ハル みんな言ってるっていうわけではないんですけど(笑)。あ…でもハッピーなオーラをみんなで分け与えるって意味では共通意識はあります(笑)。

――マインドとしての世界平和ですね(笑)。

マリリ 疲れた時にフィロソフィーのダンスを聞いたら、ちょっと泣いちゃうぐらいの優しい女たちでありたいなと思います。いろんな人が、いろんなところから来てくれるし。ここが凄い幸せな世界になれば良いなと。

まりあ 私はどうなりたいかって言ったら、嵐さんみたいになスーパースターになりたくて、アイドルというかもっと大きな枠になりたいですね。

――そこはあえて縛られず?

まりあ そうですね!

ハル 嵐さんを目指したいって前から言っているのも、男性アイドルは長く活動できるのに女性アイドルはある程度の年齢になったら引退するということに違和感を持っていたからなんです。私たちは成人してから集まったグループなので、他のアイドルと比べたら若くはないんですけど、続けることで私たちもひとつの指標になっていけたら良いなと思います。

おとは 世の中には自分が無個性だって感じてる人の方が圧倒的に多いと思うんです。そういう人たちも含めて、さっきマリリが言ったみたいに、私たちの音楽を聞いてると平和になれるとか、自分に自信が持てるって思っていただけるようになりたいですね。アイドルらしくとか個性的にっていうのに縛られすぎなくても良いのかなって思ってます。

――今後はどんなことを企んでいるんですか?

マリリ これからも面白いことはやっていきたいよね。いろんな人と関わっていけたら良いし、今回のカップリング曲で作詞してくださったCHAIのユウキさんも、同じ思想を共有して書いてくれるんじゃないかなって気持ちも込めてお願いしたので、パワーをお互い高めあえるつながりが増えていけば良いなと思います。

ハル ファンクだったりR&Bだったり他のメンバーがずっとルーツにしている音楽だったり。自分たちが対バンした人たちを集めた自分たち主催の最高の音楽フェスもしたいですね!

取材・文:後藤千尋 写真:You Ishii

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※当選後、お届け先ご住所のご連絡ができる方のみご応募ください。個人情報につきましては、プレゼントの発送以外には使用いたしません。
※当選発表は、賞品の発送をもって代えさせていただきます。

【応募締め切り】
2021年6月13日(日) 23:59まで
※期間中は何度でも応募可能です。

リリース情報

フィロソフィーのダンス 2ndシングル「カップラーメン・プログラム」

4月28日(水) 発売
配信リンク:
https://Philosophy.lnk.to/ts7WchWN

●初回生産限定盤A(CD+Blu-ray):6,500円(税込)
ライブ映像全19曲収録

“World Extension”2020.11.19@harevutai
M1. ダンス・オア・ダンス
M2. ライク・ア・ゾンビ
M3. なんで?
M4. オプティミスティック・ラブ
M5. ダンス・ファウンダー
M6. フリー・ユア・フェスタ
M7. アルゴリズムの海
M8. いつか大人になって
M9. シスター
M10. シャル・ウィ・スタート
M11. アイム・アフター・タイム(instrumental)
M12. ドント・ストップ・ザ・ダンス
M13. ライブ・ライフ

“Dive/Connect”2021.2.2@Zepp Online
M1. シスター
M2. バイタル・テンプテーション
M3. ニュー・アタラクシア

“LIVE IGNITION”2021.2.11@Toyosu PIT
M1. パレーシア
M2. ジャスト・メモリーズ
M3. カップラーメン・プログラム

カップラーメン・プログラム」初回生産限定盤Aジャケット

※スペシャルボックス仕様
※副音声にメンバーによるオーディオコメンタリー収録
※オリジナル・ステッカー封入
※撮りおろし写真で構成された豪華フォトブック付き

●初回生産限定盤B(CD+DVD):2,200円(税込)
カップラーメン・プログラムMV+メイキング
※紙ジャケット仕様

「カップラーメン・プログラム」初回生産限定盤Bジャケット

●通常盤(CD only):1,200円(税込)

「カップラーメン・プログラム」通常盤ジャケット

<収録曲・全形態共通>
M1. カップラーメン・プログラム
M2. フォーカス
M3. テレフォニズム
M4. CAT’S EYE

【URL】
Official HP:
https://danceforphilosophy.com/

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