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NiziU、TWICEらに対話で導きを与えるJ.Y.Park=パク・ジニョン 彼の言葉の持つ説得力、影響力の背景にあるもの

リアルサウンド

20/7/16(木) 12:00

 Wonder Girls、miss A、TWICE、ITZYと人気K-POP女性グループを世に送り出してきた韓国の音楽プロデューサーJ.Y.Parkことパク・ジニョンが、デビューメンバーを自ら選抜するガールズグループプロジェクト『Nizi Project』にて結成されたNiziUは、これまでK-POPやガールズグループに関心のなかった層の支持を獲得するまでに至った。

(関連:SM ユ・ヨンジン、JYP パク・ジニョン、Big Hit パン・シヒョク……K-POP支えるプロデューサー陣

 本オーディションの模様を放送する番組がお茶の間の心をとらえた一つの要因としては、参加者たちが披露するそれぞれのステージと、それに対し審査員であるパク・ジニョンが投げかける評価やアドバイスに焦点が当てられていたことが挙げられるように思う。彼からの言葉を受け止め、体現すべくレッスンを重ねることで、回を重ねるたびみるみる魅力的になっていく参加者たちのパフォーマンスと表現者としての姿は、過剰にドラマ仕立てされた演出を必要としない素朴な感動を与えた。

 NiziU結成後初のメディア出演となった『スッキリ』(6月26日放送/日本テレビ系)では、その場に同席したパク・ジニョンがスタジオの出演者から「オーディション内で話されていた日本語がとてもお上手でした」と声をかけられ、「いいえ、全然です。僕は、このプロジェクトの前は日本語を話すことが出来ませんでした。(中略)プロジェクトを始めるときに、参加者ともっと深く分かり合いたくて勉強しました」と返す一幕があった。

 事実、オーディション内で彼によって投げかけられていた言葉の多くは日本語によるものであったとともに、1次予選において韓国語や英語のほうが話しやすいと答えていた参加者にはそれぞれの言語を交えてアドバイスしていたことも印象的であった。

 これには、パク・ジニョンが本プロジェクトをはじめるにあたり語っていたこんなスタンスが反映されているように思う。

「僕は、音楽とは歌だけで機能するものではないと考えています。歌で与える感情ももちろんありますが、例えば歌手が歌い終わった後に話した言葉やインタビューなど、そのアーティストの生き方や人生を言葉を通じて感じることでより感動が深まると思います。だから、その国の言葉でコミュニケーションが取れるということは、それだけ共感を深めることができるということなのです」(参照:https://news.yahoo.co.jp/byline/tanakahisakatsu/20190223-00115769/)

 プロデューサーとしてアーティストと対話を交わし互いに影響しながら、表現者そして一人の人間としてそれぞれがさらに輝くことが出来るよう導きを与えるパク・ジニョンの姿勢は、これまでのJYPグループにおける彼のプロデューシングにも見られるものだ。

 例えば先日、元Wonder Girlsヘリム、ソンミ、ユビン、ソヒとともにパク・ジニョンがTV出演し、グループ活動当時の思い出を語る機会があった。K-POPの世界的人気が現在ほど大きくなかった当時、アメリカツアーに繰り出していた彼女たちと彼は舞台の外においても多くの時間を共にしたといい、ユビンが「あの頃は本当に楽しかった。とても大変な時期だったけど、それでも最高でした」と話し、パク・ジニョンも「当時は僕自身にとっても辛く、あれよりも大変な経験をすることはもう無いでしょう」と明かしながら「god、ピ(RAIN)、そして君たちと過ごした多くの時間は、僕にとっても特別なものだった。たくさんのことを君たちから学んだんだ」と語っていた。

 またデビュー前のTWICEと彼がデビュー前に共にした会食の場において、これから表現者としての道を歩み始めようとする彼女たちから投げかけられた様々な質問に対し、自身も現役で活躍する一人のアーティストとして返答をする姿も見られた。

 彼がアーティストたちに施すのはプロデューシングのみではない。自らが作詞曲を手がけヒット作を生み出している2PMのJun. KやDAY6メンバー、GOT7のJBらは、それぞれの音楽理論における構築の背景にパク・ジニョンの影響があったことを明かしている。

 パク・ジニョンが放つ言葉の持つ説得力や影響力の背景には、彼自身が第一線でステージに立つアーティストであるということがあるだろう。昨年の年末に行われた音楽授賞式『2019 MAMA(Mnet Asian Music Awards)』においては、人気グループMAMAMOOとともにJ.Y.Parkとしてコラボステージを行ったパク・ジニョンは、自身が90年代に身に付けていた“伝説の衣装”こと透明ビニール素材の衣装でセルフオマージュしながらパフォーマンス、会場を大いに沸かせていた(その時、会場に同席したGOT7・ジャクソンのあんぐりと口を開けた驚愕の表情も話題となった)。

 プロデューサー、そして表現者として長きにわたりトップを走り続けるパク・ジニョンの情熱は、2016年にリリースされた「Still Alive」からもうかがえる。

「10年超えれば歌手/20年超えればスター/30年超えればレジェンドだ/だからこうやって未だに俺は飢えてるんだ」

 数々の人気グループを生み出しヒットソングを世に送り続けながら“飢え”続ける彼は、これからどんな驚きを世界に届けるのか、目が離せない。(菅原 史稀)

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