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関ジャニ∞が稀有なグループである理由 「All you need is laugh」制作背景に迫った映像を見て

リアルサウンド

18/11/9(金) 7:00

 関ジャニ∞が、今夜の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に出演し、最新シングルより「ここに」を披露する。WANIMAが初提供した楽曲「ここに」が、いかに今の関ジャニ∞にふさわしいかは、以前の記事(「関ジャニ∞を愛さずにはいられない 新曲「ここに」とドームツアーから滲み出る“がむしゃらさ”」)を参照していただきたい。今回は、そのシングル『ここに』に収録されている、もうひとつの名曲について。

(関連:関ジャニ∞の“新しさ”と“らしさ”ーーアーティストとしての成長感じる新作『ここに』を分析

 「All you need is laugh」。この曲は、今年4月に大阪観光局のシンボルキャラクターに任命された関ジャニ∞が地元大阪への愛を歌おうと制作した曲。“笑いこそがすべて”という、なんとも関ジャニ∞らしいフレーズは、紛れもなく彼らの中から生まれたものだ。

 『ここに』の201∞盤では、「関ジャニ∞の曲作りすべてみせます プロジェクトA to Z こんな時だからこそめっちゃ笑顔 地元大阪のために最高の歌を作ろうの巻」と題して、この楽曲の制作背景に迫ったドキュメンタリー映像を収録。プロジェクトは、新たに6人体制で挑んだドームツアー直前から動き始めていた。

 深夜からスタートした緊急ミーティング。ムードメーカーの丸山隆平が大阪観光局の“お偉いさん”との窓口になっていると聞くと、早速くすくすムードが漂う。伝えベタな部分がある丸山を横山裕が優しくサポートしながら進行していく。だが、毒舌を投げかけて困る丸山を愛でる大倉忠義、普段のいじりを反省するも逆に「いつもありがと」と感謝されてしまう村上信五、独特なセンスで絡むもストレートな悪口になって丸山も笑うしかなくなる安田章大、そして「亮ちゃんはいい」と遠慮する丸山に「腫れ物扱いしてんの?」と詰め寄る錦戸亮……と、なかなか本題に入らない、いつもの関ジャニ∞らしさが微笑ましい。

 そんな彼らのやりとりを、『関ジャニ∞クロニクル』(フジテレビ系)でお馴染みの絶妙なテロップやヘタウマイラストのilaught(参照:TVのヘタウマイラストilaught(イラフト)の実績)が盛り上げる。ファンの大好物である彼らのわちゃわちゃを、よりおいしい状態で届けようと腕を振るうスタッフたちの愛と気合が感じられるVTRだ。

 外国人観光客が1千万人を突破し、全国1位になった大阪。その魅力を世界に伝えるため、依頼された楽曲は「英語詞で」というリクエストをもらったという丸山。大阪の特徴を英語にしてみようと試みるも、笑いに貪欲な関ジャニ∞のこと、珍回答が続出する。『関ジャニ∞クロニクル』内の英会話伝言ゲームで、たびたび奇跡を起こす村上に関しては「天下の台所=トップ オブ システムキッチン」「お好み焼き=ラブ ファイヤー」と、さすがの一言だ。

 長年共にしてきた彼らだからこそ成り立つ、遠慮のない問答。みなまで言わずとも伝わる、コミュニケーションのスピードの速さ。思わず吹き出してしまうトークの連続だが、気づけば朝方まで話し合いが続いていた。誰ひとり妥協を知らない“関ジャニ∞”のものづくりに対するプライドを、ぜひ映像で確かめてほしい。

 錦戸と安田はドームツアーのリハーサルと並行して、作曲を進める。札幌ドームの控室でのセッションは、息を飲んで見守ってしまう真剣な眼差しだ。パソコンで打ち込む錦戸と、アコースティックギターを弾く安田。個性もやり方も違うことを楽しむ姿勢こそ、関ジャニ∞の武器だ。6人で掘り返した無数のアイデアの原石を積み上げては、壊し、笑い、そしてまた別の形に積み上げる。その繰り返しを経て、デモが完成するころには、ひとつの原石だった〈All you need is laugh…〉というフレーズが、ピカピカに磨き上げられていた。

 私たちの手元には、いつも完成した状態で歌が届く。だが、その背景には、こうした血肉の通ったプロセスがある。葛藤や迷い、そして潔い判断があるのだと、改めて気づかせてくれる映像だ。背景や想いを知るほど、出来上がったものに対する愛しさが増す。それは楽曲のみならず、アイドルグループという表現物にも通じるのではないだろうか。

 今夜の『ミュージックステーション』のライブのように、音楽番組に出る彼らはいわば完成された状態。だが、そこに至るまで人間くさい経緯がある。関ジャニ∞はテレビやラジオ、そして特典映像など様々なコンテンツで赤裸々に語ってくれる稀有なグループだ。その様子を見守ることで、私たちも一員になったようなワクワクを味わう時間もくれる。その“笑顔こそすべて”だと、きっと関ジャニ∞はニヤリと微笑むに違いない。(文=佐藤結衣)

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