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Sexy Zone マリウス葉の休養に寄せて 問われるアイドル活動の在り方

リアルサウンド

20/12/10(木) 6:00

(以下、筆者の見解による記事のため、文体および呼称は、筆者がいつも使用しているものにさせていただきます。)

 12月2日、Sexy Zoneのマリウス葉くんが体調不良により、一定期間芸能活動を休止することがジャニーズ事務所から発表されました。活動休止の期間については公表されておらず、グループとしての活動は当面、マリウス以外のメンバー4人で継続することになります。8月12日に、パニック障害により芸能活動を休止していた松島聡くんが復帰し、Sexy Zoneは5人での活動を再開しましたが、4カ月足らずでグループは再び4人での活動を余儀なくされました。

 マリウスの体調不良、そして活動休止について、その詳細はジャニーズ事務所からの公式コメントに端的に記載されています。裏を返せば、ファンが知ることができる事実は、このコメントしかありません。公式コメントを読む限り、仕事だけでなく学業にも全力で打ち込んだ結果、心身のバランスを崩した、という点が現状の全てであると理解できます。

 マリウスがSexy Zoneの活動と並行して、大学で学業に励んでいることは周知の事実です。マリウスが自身の活動や体験、そして学びの中で培ってきた知識や考え方は、過去に筆者が記事(Sexy Zoneが創り出す“新たなアイドルの概念” ダイバーシティの重要性訴える、マリウス葉らの言動)にしたように、いくつかの形で実を結び始め、それがマリウス葉という個人としての魅力に直結していると感じていました。

 マリウスが昨今培ってきた知性は、Sexy Zoneが唯一無二の存在となる上で、非常に重要な要素となる可能性を秘めています。美しい容姿で歌って踊るだけでなく、さまざまな知識を持ち、さまざまな考えを受け入れ、さまざまな言語を駆使して形にできる才能に、ファンも、そして彼自身も、大きな期待を抱いていたはずです。その先には、マリウス自身がSexy Zoneの大きな原動力となり、1人のアイドルとして、そしてSexy Zoneの一員として、大きな夢を実現する強い意志を持っていた、そう想像しています。

 もちろん今回の休養は、とにかく元気に回復して欲しいという気持ちが、まずあります。しかし、正直に申し上げれば、マリウスがこれまで目指してきたことと、そして筆者を含むファンがマリウスとSexy Zoneに求めてきたことが、結果として心身のバランスを崩すに至ったのだとすると、それはあまり残酷で、私にはそのことが非常にショックでした。

 「5人揃ってSexy Zone」、これはファンの多くが口にする想いです。11月にデビュー10年目を迎えたSexy Zoneですが、さまざまな事情で5人揃って活動できなかった期間も長く、本人たちも含め「5人揃って」という想いは非常に強いと感じています。その言葉には、単純に5人が揃う、という意味はもちろん、5人それぞれが力を発揮し全員でSexy Zoneを牽引する、という意味もあると理解しています。

 特に、Sexy Zoneとは一時離れ、育成的意味合いも兼ねて活動していた経験のある聡くんとマリウスには、自分が力を発揮したいという気持ちが特に強かったように思います。その気持ちは非常に意義深いですが、それがあるいは、聡くんが体調を崩す原因になったかもしれないし、マリウスにも同じことが言えるのかもしれません。

 また、10周年への想いも強かったと想像します。さらに、大学生の今しかできないこと、活躍が認められ始めた今だからできること、それらを余すことなくやり切りたい、という気持ちもあったと思います。しかし冷静に考えれば、過負荷に陥るのもやむを得ない状況と言えます。普通ならばできないことが、マリウスが頑張ればできてしまう、できてしまうが故に期待してしまう。その悪循環が彼のバランスを崩した、そう思うとやはりこの結果はあまりに切ないです。

 心身のバランスを回復するには、まず休養がメンタルヘルスケアにおいて重要です。その上で、これまでの活動スタンスの見直しを迫られるかもしれません。改善せずに不安定な状況を繰り返してしまう、というのが最悪のシナリオです。従って、取り返しがつかなくなる前に改善を図り、上手に活動を制御することが何よりも重要です。

 マリウスの大学生活があと2年は続くことを考えると、長期的に無理のない活動を見据える必要があります。彼らはエンターテイナーですから、多くの活動を通じてファンの期待に応えたい、という気持ちも大きいでしょう。10周年という節目を控えた今は、なおさらです。しかし、期待をすることがファンの役目であり、期待に応えることがアイドルの役目である、というアイドルの基本的定義を揺るがす状況に、Sexy Zoneは立たされています。Sexy Zoneが新しいアイドル像を模索する中で、その活動の在り方もまた、図らずも問われているのかもしれません。

 奇しくも、雑誌『SPUR』でマリウスが持つ連載のタイトルは「One step at a time 一歩ずつ進もう」。Sexy ZoneがSexy Zoneとして存在するためには、マリウスも、メンバーも、ファンも、一歩ずつ進むしかないのです。

■ジャニヲタおじさん
ジャニヲタのおじさん。1974年生まれ。福岡県在住。AB型。妻、息子、娘の4人家族。ジャニーズを見て、かっこいいな、素敵だなと思ったことをTwitterやブログに記しています。
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