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ぴあ

いま、最高の一本に出会える

『ペン偽らず 暴力の街』(写真提供:独立プロ名画保存会)

小西康陽 5243 シネノート

6月から7月

毎月連載

第1回

18/7/19(木)

 最近、ふいに気づいたことがあった。それは、自分がまだ聴いたことのないレコードを探して買い求めたり、まだ観たことのなかった映画を名画座に観に行ったりするというのは、つまり、以前に素晴らしい作品と出逢って大きな感銘を受けて、その感動、感激をまた味わいたい、と思うからであるらしい、ということ。
 この年齢になって気づくのもどうか、と思うけれども、そう考えるとすべてはなるほど、と腑に落ちてくる。
 仕事も同じ。何か作って、それを誰かに褒められたりすると、その喜びが忘れられなくて、また誰かに褒められたくて、木に登ってしまうのだ。恋愛も、飯を食うのも、旅に出るのも、過去の甘美な経験があったればこそ。
 そういえば、この間、なんだかどうしようもなく幸せな夢を観た。あの日から眠りに就くときは、いつもつい期待してしまう。夢よもう一度、と真剣に考えている男。

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