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松下洸平、ディーン・フジオカらに続く朝ドラ経由の大ブレイクへ 視聴者を虜にした八郎の魅力

リアルサウンド

20/3/27(金) 6:00

 視聴者を夢中にさせ続けてきたNHK連続テレビ小説『スカーレット』が、3月30日に最終回を迎える。無駄な台詞がひとつもなく、細部まで散りばめれた脚本、時間の変化、人物の関係性の編成の変化がはっきりと分かる丁寧な演出、主人公・喜美子を演じた戸田恵梨香の演技力、適材適所だった出演者たち……と成功の要因を挙げていけばキリがない。その中でも『スカーレット』を通し、最も多くの人を夢中にさせたのは、十代田(川原)八郎を演じた松下洸平と言っても過言ではないだろう。

参考:松下洸平、『スカーレット』出演で注目度上昇中! その高い演技力はどのように生まれた?

 戸田恵梨香の相手役として、伊藤健太郎の父親役として、林遣都の親友役として、名だたる俳優陣たちを相手に、“八郎そのもの”としか思えない演技を見せてくれてきた。「#八郎沼」に落ちた人も数知れず。そんな松下洸平の魅力を、ライターの西森路代氏は次のように語る。

「先日、『スカーレット』を改めて最初から見直したのですが、驚いたのは八郎が初登場のときと、現在の白髪交じりの姿と、まったく別人のように見えたことです。若い頃の“青さ”と、歳を取ってからの風格、どちらもその年齢の人にしか見えませんでした。喜美子を演じる戸田さんの年齢を重ねていくお芝居ももちろん良いのですが、松下さんは出演がない時期もあっただけに、余計にそのギャップに驚きました。八郎は喜美子に対して、呼び方が「川原さん」から「喜美子」に、そして再び「川原さん」になり、また「喜美子」に戻ります。この呼び方ひとつとっても、ふたりの関係性、八郎の心情がよく表れていました。離婚をして再会することで、結婚前のようにふたりがドキマギしていて、二度目の恋愛ドラマを観ているようでもありました。台詞がないシーンでも何気ない視線、佇まいにさまざまな情報が詰め込まれていて、視聴者は『本当は何を思っているんだろう』『八郎さんの気持ちを理解したい』と夢中になっていたように思います」

 朝ドラをきっかけに飛躍を遂げた俳優は多い。『あさが来た』で五代才助(友厚)を演じたディーン・フジオカや、『半分、青い。』の中村倫也などが挙げられるだろう。いまや主演として多くの作品を背負っているディーンや中村だが、松下洸平はどんなその後を歩むのだろうか。西森氏は次のように続ける。

「ディーンさんは、『あさが来た』に続けて、『ダメな私に恋してください』(TBS系)に、中村さんも『半分、青い。』のあとに、『初めて恋をした日に読む話』(TBS系)に出演されました。朝ドラの後に、正統派ラブコメに出るというパターンも昨今は多いですね。その後、ディーンさんも中村さんも、探偵や検事などの硬派な中にもコミカルさがあったりという役で出演したりと幅を広げています。

 松下さんは、次回作はラブコメではなく映画『燃えよ剣』の出演が決まっています。松下さんの落ち着いた佇まいは時代劇とも相性がいいのではないでしょうか。人気の高いキャラクター、新選組・斎藤一を演じるということで、また新たなファンを獲得しそうですね。八郎の年齢による変化を見事に体現していたように、松下さんはどんなキャラクターにも染まることができる余白がある。クールで冷徹な役柄も似合いそうなので、悪役なども演じてもらいたいです。ハードボイルドもので、感情を抑えた演技で、最後までどういう立場なのかわからないような、秘めたキャラクターにもぴったりなようが気がします。例えば、韓国映画『新しき世界』の主人公イ・ジャソン(イ・ジョンジェ)のような……。主演作も期待したいですが、作品を締める2番手3番手としても、今後オファーが絶えないのではないでしょうか。一方で、ディーンさんや中村さんのように、民放連ドラのラブコメなどで、八郎の若い頃の甘い姿を再び観たいという気持ちもあります」

 現在出演が発表されているのは映画『燃えよ剣』のみだが、テレビ、映画、舞台にさまざまな姿を今後も見せてくれることだろう。まずは、『スカーレット』八郎としての最後の姿を目に焼き付けたい。(石井達也)

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