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Hakubi/PIA SONAR MUSIC FRIDAYインタビュー

京都発3ピースバンド「Hakubi」、メジャーデビュー1stアルバム『era』とワンマンツアーを語る。

特集連載

第12回

「今の私たちが最も詰まった作品になりました」(片桐)

── 昨年1年間を振り返って、バンドとしてはどのような期間になりましたか?

片桐 それこそこのアルバム『era』を作り始めたのが2019年の冬頃で、本来であれば2020年のどこかでリリースできたらいいなっていう気持ちで制作していたんですよね。でもコロナによって制作方針を見つめ直すことが必要になったり、予定していたライブもやり方を変えたり、いろいろな変化を経験することになりました。そうした経験があったからこそ『era』が今の形になったと言えますし、改めてライブというものの存在が自分たちにとってもファンの皆さんにとっても、すごく大事なものだったんだなって気づきました。だからこの1年というのはバンドにとってかなり重要な期間でしたね。

ヤスカワ アルバムの制作がいったん止まって、急遽でしたけど昨年の9月に『結ep』という3曲入りのEPをリリースしたんです。そこで挑戦したサウンドメイクや発見をアルバムにフィードバックできたことで、僕たちが当初想像していたよりもさらに良いものになりました。そこは経験としては大きかったですね。

── 難しい決断だったと思うのですが、アルバムはどの程度まで出来上がっていたんですか?

片桐 収録曲の内容を半分くらい決めきって、録音も終わっている曲もあったという段階でした。それで『結ep』を出して、そこからアルバムに関してはほぼゼロベースにしてまた始めましたね。

── もう一度命を吹き込み直す必要があったわけですね。

片桐 やり直したっていう感覚は一切なくて、どんどん曲ができていったんですよね。そうすると最初に予定していたものよりも変わっていって、結局新しいアルバムとして『era』が完成したという感じです。だから、今の私たちが最も詰まった作品になりました。

ヤスカワ 試行錯誤できる時間が偶然にもできたので、バンドとしての成長という意味では重要な時間でしたし、それに伴ってアルバムもブラッシュアップされていったという感じでしたね。

── 改めてバンドを見つめる機会になりましたか?

片桐 そうですね。特に楽曲面についてメンバー内で話す機会が増えましたね。今まではそこまで話し合ってというよりも、感覚でやっている部分というのが多かったんですけど。

片桐(Vo, G)

ヤスカワ そういう意味では、今回のアルバムはすごくコンセプチュアルというか、バンドで意図していろんなタイプの楽曲を収録することができたなって思います。すごく聴かせるタイプの曲もあれば、ライブ映えする曲もあったりっていう具合に、本当にバラエティ豊かですね。

「アルバム収録曲の中でも最も対象年齢の幅が広い曲になったと思います」(ヤスカワ)

── アルバムタイトル『era』にはどういう想いを込めましたか?

ヤスカワ 意味としては「時代」とかそういうことなんですけど、その中でも「変革」という意味合いが強くて。去年から今年にかけて約2年間で作り上げてきたのがこのアルバムで、この作品自体が僕たちにとっての“era”になればいいと思いますし、大きな変革をもたらしてくれることを期待してこのタイトルにしました。

── リード曲の『栞』は、映画『浜の朝日の嘘つきどもと』の主題歌にもなっていますが、イメージしたことは何ですか?

片桐 弾き語りから曲を作ったんですけど、やさしい曲にしたいなって思ったんですよね。映画『浜の朝日の嘘つきどもと』自体がすごくやさしくてあたたかい作品だったので、大切な人を思い浮かべられるようなイメージがまずはありました。

── 歌詞のテーマは、まさに大切な人への想いが溢れるもので、その中でも「信じること」というテーマに貫かれているなと思いました。そこの部分が、拡大解釈すると音楽への信頼だったり、バンドとファンとの関係だったりということまで感じられて、これから大切な曲になっていくのではと思いました。

片桐 本当にそうですね。やっぱりコロナ禍を通過したことで書けた歌詞なのかなと思います。私たちを信じてくれるファンの皆さんもそうだし、チームもそうだし、それから私たちを育ててくれた家族とか、いろんな大切な人を思い浮かべました。

── サウンド面でチャレンジしたことはありましたか?

ヤスカワアル(B)

ヤスカワ そこまで大きなチャレンジはないんですけど、アルバム全体のリード曲になるものにしようという意識は最初からありましたね。だから耳馴染みがいいというか、より普遍的なサウンドメイクというのはポイントとしてありました。アルバム収録曲の中でも最も対象年齢の幅が広い曲になったと思いますし、より多くの人に聴いていただけたらうれしいですね。

── MVには空手の植草歩選手が出演されていますね。こちらはどういったアイデアから実現したんですか?

片桐 先ほども言ったみたいに、自分を支えてくれた大切な人を思い浮かべて作った曲だったので、自分の夢に向かって一生懸命に取り組んでいる人に出演してもらいたいなって思ったんです。そこでスタッフの皆さんといろいろと話をしていくなかで、ちょうどオリンピックの時期でもあったので、空手の植草選手はどうだろうか?っていうアイデアが出てきたんです。それで植草選手に実際に『栞』を聴いていただいたら、「すごく今の私に通じます」って快諾していただいたんですよ。実際にお会いしたんですけど、めちゃくちゃカッコ良かったです(笑)。

「アルバムって情報量が一番多い名刺だから、しかもメジャーデビューっていうタイミングで回れるツアーなので、来てくれる人に喜んでもらえるライブにしたいですね」(片桐)

── 他の収録曲についてもお伺いします。M-3『辿る』とM-9『mirror』は過去曲で、2曲ともライブでは外せないナンバーですよね。

片桐 このアルバムを制作するときにまず思ったのは、これまでのHakubiとこれからのHakubiを見せたいということだったんです。だから過去曲は絶対に入れたいと思いました。『辿る』と『mirror』は、おっしゃっていただいたようにライブでは欠かさずセットリストに入る曲ですし、ライブで成長した曲でもあるんですよね。だから満場一致でこの2曲は1stアルバムに入れようということになりました。

── 特に『mirror』はHakubiの存在感を決定づけた曲でもあると思うのですが、バンドにとってどういう曲ですか?

ヤスカワ そうですね、『mirror』は2枚目のEP『黎明』(2018年)のリードトラックだったんですけど、ツアーでライブを何本も経験したりする中で、そこには常にこの曲があって、苦楽を共にしてきた曲っていう感じですね(笑)。

片桐 ひとりぼっちで作った曲だったんですよね。そこで感じたことを吐き出すように歌ったのが『黎明』に収録されているものなんですけど、そこからツアーに出て歌っていたら、伝えるべき人が少し見えて来た感じがしたんですよね。最後この曲は、答えがわからないまま終わっているんですけど、わからないままでもいいって伝えられるようになったっていうのが『mirror』での成長かなと思いますね。

ヤスカワ バンドを始めて2年目の時に作った曲で、それくらいの時期に片桐が、「もう曲ができない」って言い出して。

片桐 (笑)。

片桐(Vo, G)

ヤスカワ いくらなんでも早すぎるやろ?って思ったんですけど(笑)。けどそういうキツい中でも『mirror』を作ってくるっていうことでひとつ殻を破れた感じもしたし、この曲をリリースしてから3年くらい経っていますけど、今でもライブのスタメン組に入っている曲に成長できたっていうのはバンドとしても壁を越えて来たのかなという気がしますね。そういうポテンシャルを秘めた曲を作れた昔の自分たちに、ありがとうって言いたいです(笑)。

── 外部のプロデューサー/アレンジャーが入っている曲と3人だけで完成させている曲の2軸がありますよね。これはバンドとしてはどのような違いとして認識しているのでしょうか?

片桐 『栞』が代表的だと思うんですけど、外部のプロデューサーさんに入ってもらって、より洗練されたというか、耳馴染みの良い曲の可能性を探っていく曲がある一方で、ライブバンドとしての軸も大事にしたいんですよね。聴かせる部分と荒々しい部分、完成された曲と未完成の曲というものがバランス良く入れられたんじゃないかなと思います。

── 片桐さんの書く歌詞というのは、生々しいまでの感情が言葉になっていてとても印象に残るものばかりですけど、創作するにあたって苦しさは伴うものですか?

片桐 『栞』にしてもそうなんですけど、基本的には負の感情から出発することが多いんですよね。だからある意味では苦しさは伴うのかもしれないんですけど、だから楽になりたいとか明るい方を目指さなきゃ、というふうには思っていないんですよね。もちろんそうなったらいいんですけど、でもわからないならわからないでいいっていう、その時に一番正直な気持ちで書いています。

── その片桐さんの歌詞をバンドサウンドにアレンジするにあたって意識していることは何ですか?

ヤスカワアル(B)

ヤスカワ 僕たちはパソコンで打ち込んで作るようなやり方はしていなくて、スタジオでいっせーので合わせるところから始めるんですよね。というのもあってか、あまり歌詞に引っ張られすぎずにサウンドメイクしていくっていうところはポイントとして意識していますね。歌詞の世界とサウンドでバランスを取っていくのが今のHakubiにとっては重要なことなのかなと思います。

── だからこそバンドである意味がそこにあるんでしょうね。

片桐 そうですね。

ヤスカワ そこは最初から自然とできていましたね。

── 1stアルバム『era』では、Hakubiの理想の音を鳴らせたという手応えはありますか?

片桐 いろいろな振り幅を見せられたかなという手応えはあります。新しいことに挑戦したり、原点に戻ったり。これからのHakubiが進んでいく道の道幅をグッと広げられたのかなと思います。

ヤスカワ ひとまず現時点でのHakubiのベストというか、制作期間自体が長かったので、やり切った感というのはすごくあります。と同時に、これからやってみたいことっていうのも出て来ているので、そこはまた次に向けてチャレンジしたいですね。そのためにもこのアルバム『era』をひとりでも多くの人に届けたいと思います。

── 9月30日から全国26都市を回るツアーが始まります。

ヤスカワ アルバムをリリースするのも初めてで、その答え合わせをワンマンツアーでできるというのは本当に楽しみですね。やっぱりお客さんの反応が見られるのが何よりの答えですからね。

片桐 やっとっていう感覚がすごいあって。作品ってそのバンドなりアーティストなりの名刺だと思うんですけど、やっぱりアルバムって情報量が一番多い名刺だから、しかもメジャーデビューっていうタイミングで回れるツアーなので、来てくれる人に喜んでもらえるライブにしたいですね。

片桐(Vo, G)

Text:谷岡正浩 Photo:吉田圭子

リリース情報

メジャーデビューアルバム『era』 2021年9月8日(水)リリース

(初回限定盤)

■初回限定盤(CD+LIVE DVD)WPZL-31869 ¥4,000(税込)*デジパック仕様
■通常盤(CD)WPCL-13298 ¥3,000(税込)

[CD収録曲]
01 栞 (映画『浜の朝日の嘘つきどもと』主題歌)
02 在る日々 (全国のラジオ局、CSチャンネルなど47局でパワープレイを獲得)
03 辿る
04 フレア
05 :|| (読み:リピート)
06 道化師にはなれない (カンテレ×BSフジ ドラマ『クロシンリ 彼女が教える禁断の心理術』主題歌)
07 color (アニメ『Artiswitch』第2話挿入歌)
08 灯
09 mirror
10 誰かの神様になりたかった
11 悲しいほどに毎日は
12 アカツキ (福島中央テレビ開局50周年記念ドラマ『浜の朝日の嘘つきどもと』主題歌)

[初回限定盤(disc2)LIVE DVD収録内容]
今年2/9に渋谷・TSUTAYA O-EASTにて行われた「極・粉塵爆発ツアー」初日のライブ映像を10曲収録
01 光芒
02 辿る
03 ハジマリ
04 アカツキ
05 サーチライト
06 在る日々
07 夢の続き
08 Sommeil
09 Dark.
10 mirror

●アルバム『era』予約リンク https://hakubi.lnk.to/era

ライブ情報

Hakubi 傾(かぶき)・粉塵爆発ツアー
9月30日(木)東京 渋谷CLUB QUATTRO [17:30 open/18:30 start]
10月6日(水)愛知 名古屋CLUB QUATTRO [17:30 open/18:30 start]
10月7日(木)大阪 梅田CLUB QUATTRO [17:30 open/18:00 start]
10月8日(金)岡山 岡山CRAZYMAMA 2ndRoom [18:00 open/18:30 start]
10月13日(水)静岡 静岡UMBER [18:30 open/19:00 start]
10月16日(土)群馬 高崎club FLEEZ [17:30 open/18:00 start]
10月17日(日)新潟 新潟GOLDEN PIGS BLACK STAGE [17:30 open/18:00 start]
10月19日(火)岩手 盛岡the five morioka [18:30 open/19:00 start]
10月20日(水)宮城 仙台MACANA [18:00 open/18:30 start]
10月28日(木)岐阜 柳ヶ瀬ants [18:00 open/18:30 start]
10月31日(日)神奈川 横浜F.A.D [17:30 open/18:00 start]
11月3日(水・祝)福島 福島アウトライン [17:30 open/18:00 start]
11月4日(木)茨城 水戸LIGHT HOUSE [18:00 open/18:30 start]
11月6日(土)長野 松本LIVEHOUSE ALECX [17:30 open/18:00 start]
11月7日(日)石川 金沢vanvanV4 [17:30 open/18:00 start]
11月10日(水)兵庫 神戸太陽と虎 [18:00 open/18:30 start]
11月12日(金)香川 高松DIME [18:00 open/18:30 start]
11月14日(日)鳥取 米子laughs [17:30 open/18:00 start]
11月15日(月)山口 周南rise [18:30 open/19:00 start]
11月17日(水)鹿児島 鹿児島SR HALL [18:00 open/18:30 start]
11月18日(木)福岡 福岡LIVE HOUSE OP's [18:00 open/18:30 start]
11月20日(土)大分 大分clubSPOT [17:30 open/18:00 start]
11月21日(日)愛媛 松山Double-u Studio [17:30 open/18:00 start]
11月26日(金)千葉 千葉LOOK [18:00 open/18:30 start]
11月28日(日)北海道 札幌SOUND CRUE [17:30 open/18:00 start]
12月1日(水)京都 京都MUSE [18:00 open/18:30 start]

TICKET:3,500円(税込) [+1 DRINK ORDER]
TOTAL INFO:https://hakubikyoto.com/live

9月13日(日)23:59まで先行受付実施中!
URL:https://w.pia.jp/t/hakubi-tour/

プロフィール

Hakubi
2017年結成、京都発のスリーピースバンド。Vo/Gtの片桐が紡ぎ出すストレートな言葉とその弱さを押し殺すように訴えかける力強い歌声が早耳のリスナーから支持を受け、MV「夢の続き」は310万回再生を突破。各地のフェスやサーキットイベントでは入場規制が続出するなど大きな注目を集める中、2020年10月には、ワーナーミュージック内のレーベル、unBORDEよりメジャーデビューを発表。第一弾先行配信シングル「アカツキ」は、バンド初となる地上波ドラマ「浜の朝日の嘘つきどもと」主題歌の書き下ろし作品となった。2020年USENインディーズ年間ランキングでは「午前4時、SNS」が4位にランクイン! さらに日本テレビ「バズリズム02」『これがバズるぞ2021』にて2年連続13位にランクインするなど、今年に入り様々なメディアでネクストブレイクアーティストとしてピックアップされた。2月10日に第二弾先行配信シングルとしてリリースされた新曲「在る日々」は全国のラジオ局、CSチャンネルなど47局でパワープレイを獲得! さらに今年2月より行われた初の全国ワンマンツアーは15都市全公演即日SOLD OUT! そして今夏9月8日に、満を持してメジャーデビューアルバム『era(イーラ)』をリリースする。

関連リンク

公式サイト: https://hakubikyoto.com/
Twitter: https://twitter.com/Hakubi_info
Instagram: https://www.instagram.com/hakubi_official/
YouTube: https://www.youtube.com/channel/UCPgWI9gfMkt8xAMqJSRKuuA

番組概要

放送局:J-WAVE(81.3FM)
番組名:PIA SONAR MUSIC FRIDAY
ナビゲーター:櫻井海音
放送日時:毎週金曜 22:30~23:00
番組HP:https://www.j-wave.co.jp/original/sonarfriday/
番組twitter:https://twitter.com/SONAR_MUSIC_813
ハッシュタグ:#sonar813
番組LINEアカウント:http://lin.ee/H8QXCjW

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