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大杉漣さんの未公開映画『モルエラニの霧の中』3月21日公開 室蘭発の7つの“記憶”の物語

リアルサウンド

20/1/29(水) 12:00

 2018年に急逝した大杉漣さんの未公開作『モルエラニの霧の中』が、3月21日より岩波ホールほかにて全国順次公開される。

参考:“24時間俳優”大杉漣が遺したもの 映画評論家・荻野洋一がその功績を振り返る

 本作は、その場所で、時にはエピソードに登場する本人も出演しながら撮影された、“街の自画像”のような実話をもとにした、霧の街の七つの記憶の物語。移り変わる時代の中、地方都市に生きる人々の姿が、優しく慈しむような眼差しで紡がれていく。

 監督・脚本・音楽を務めたのは、2011年に東京から北海道室蘭市へ移住した映画作家・坪川拓史。街で出会った人々から聞いたエピソードをもとに、“7話連作形式”の脚本を執筆。2014年、市民有志が映画製作応援団を結成し、資金を集め始め、同年クランクイン。度重なる撮影中断を乗り越え、2018年10月に全編の撮影が終了した。映画製作には街の人々のべ1000人が協力し、5年の年月を経て室蘭発の映画として完成を果たした。タイトルの“モルエラニ”とは、北海道の先住民族であるアイヌの言葉。「小さな坂道をおりた所」という意味で、“室蘭”の語源のひとつと言われる。

 2018年に惜しまれつつ急逝した大杉さんの未公開映画となる本作。その他のメインキャストには、香川京子、小松政夫、大塚寧々、水橋研二、菜葉菜、中島広稀、 草野康太、久保田紗友、坂本長利らが揃った。また、キャストの半数がオーディションで選ばれたり、街で監督にスカウトされた演技経験の全くない人々も出演している。

 室蘭の印象的なロケーションのなかで撮影され、美しい風景が映し出されているが、過ぎ去る年月のなかですでに壊された建物も多いという。坪川監督が撮影当時を振り返り、大杉さんが室蘭を離れる日にスタッフたちに向けて、「映画づくりは同じ船にみんなで乗ること。モルエラニ号という船の乗組員になれて嬉しい。この映画もきっといつかすてきな港に 着くと思う」と話してくれたことを明かした。

 あわせてポスタービジュアル、予告編、場面写真も公開。ポスタービジュアルでは、霧が立ち込める室蘭の街と、 本作の映像美の象徴ともいえる水上で踊るバレリーナの姿が使用されている。 また、予告編では、七つの章の印象深いシーンが切り取られており、シンガーソングライターの穂高亜希子が歌う主題歌「静かな空」も使用されている。(リアルサウンド編集部)

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