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ウエンツ、趣里、う大。異色の顔合わせでおくる『わたしの耳』開幕

ぴあ

『わたしの耳』より 撮影:宮川舞子

俳優としても活躍するマギーの演出のもと、ウエンツ瑛士・趣里・岩崎う大による三人芝居『わたしの耳』が9月9日(水)に開幕した。

イギリスでの濃密な演劇修業の日々を経てきたウエンツ瑛士。人気ドラマ『私の家政夫ナギサさん』でヒロインの妹役を軽やかに好演した趣里。お笑いコンビ「かもめんたる」や「劇団かもめんたる」での躍進も著しい岩崎う大。この舞台の企画がなかったら、おおよそ出会いそうにもなさそうな顔ぶれが集結して、三人芝居に挑戦する。 脚本は、これまたイギリスの有名劇作家ピーター・シェーファーによる1962年初演作。ロンドンの中心地から少し離れた下町にある屋根裏部屋で、男女3人が過ごす一夜の出来事を描き出す。おんぼろの屋根裏部屋に、場違いなオーディオ機器。そこで聞くクラシック音楽をこよなく愛する青年(ウエンツ)が、とある女性(趣里)に一目惚れ。自宅に招待することになり、会社の先輩(岩崎)に助けを求めるのだが――。

『わたしの耳』より 撮影:宮川舞子

演出を手掛けるのは、中堅俳優陣6名によるコントユニット「ジョビジョバ」をはじめ、数々の舞台で演出の手腕を発揮するマギー。俳優としての活躍の幅も広く、NHK朝のテレビ小説『スカーレット』でも、気のいいおっちゃんぶりを大いに発揮。そんな彼が、不器用な男たちが繰り広げるすったもんだを、いかに味付けするか。どこかドライな笑いに満ちた1時間半を届けてくれるに違いない。

本作は厳重なコロナ対策に取り組んだ上での上演を予定しており、シス・カンパニー公式サイトでは感染症予防対策と「ご観劇のお客様へ大切なお願い」を公開中。また、9月12日(土)に行われる2公演が、ストリーミング配信されることが決まっている。公演は9月18日(金)まで新国立劇場小劇場にて。姉妹作とも言うべき『あなたの目』は、八嶋智人・小林聡美・野間口徹の顔合わせで、9月22日(火)より上演開始だ。

『わたしの耳』より 撮影:宮川舞子

【演出家+キャスト コメント】

上演台本・演出:マギー
登場人物それぞれがまっすぐで滑稽なほど不器用で愛おしくほろ苦い。
人の若者のチャーミングな魅力が劇中どこを切っても溢れています。
半世紀前に英国で書かれた戯曲は、今の時代の誰もが共感できる人と人の心の距離感を描いています。そして今回、さらに物理的な距離感にも気を配り演出しました。ソーシャルディスタンスと演劇表現のひとつの解答としても、どや! と全世界に問いたい。そんぐらいの鼻息です。

出演:ウエンツ瑛士(うえんつえいじ)
どんな時代でも期待値なしにありのままの相手を見つめる事は大変難しい。
予期せぬ相手の言動を目の当たりにした時、それを単なる「失望」と受け取るのか。それとも自分が見誤ったのか。
人生を振り返ってみるとゾクゾクする事ばかりが思い出されますが、それでもなお「青い」っていいなーと思います。いやいや、私も未だに青いな。

出演:趣里(しゅり)
男性陣の普段の会話がとても楽しくて居心地がいい稽古場でした。それに刺激的な現場です。この戯曲は生の感覚が大切な会話劇。そのリアクションが嘘にならないよう心がけているので、皆さんが作る空気感は本当に有難いんです。人間の感情や距離感の取り方、男性二人の間に入る20代の女の子の感情の動きなど、最後まで目が離せない舞台です!素敵な時間をご一緒しましょう!

出演:岩崎う大(いわさきうだい)
1960 年代のロンドンで暮らす25歳のテッドを、中野区在住41歳の僕がどれだけ演じきれるか? これが今回の個人的テーマでした。人としてよくわからない所の多いテッドで、僕が彼と会話したら軽い喧嘩になると思います。ですが、演じていてとても面白い人間でもあります。僕が気付かないテッドの魅力を見つけてもらえたら幸いです。 あの後、テッドがどんな風に家に帰ったのか? 興味深いです。

文:小川志津子

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