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円谷英二による幻の映画「かぐや姫」約85年ぶりに上映、生誕120年の展示会で

ナタリー

「かぐや姫」(1935年)国立映画アーカイブ所蔵

円谷英二が撮影した1935年公開の「かぐや姫」が、85年の時を経て日本に戻ったことが明らかに。一般向けには9月4日、5日に東京・国立映画アーカイブ 小ホールで上映される。

これは、円谷英二の誕生日である“特撮の日”の本日7月7日に、東京・国立映画アーカイブ 長瀬記念ホールOZUで開催された「円谷英二 生誕120年記念特別イベント」で発表されたもの。「かぐや姫」は竹取物語を題材にしたトーキー音楽映画で、1935年11月に日本初公開されて以降、長らくフィルムが所在不明となり“幻の映画”とされていた。

このたび発見されたのは、1936年にイギリスへと輸出された海外向けの短縮版。2015年に英国映画協会に本作の可燃性ポジフィルムが現存しているという情報が寄せられ、約6年にわたる交渉を経て、「かぐや姫」短縮版を不燃化したフィルムが里帰りした。オリジナル版の上映時間は75分だったが、短縮版は33分となっている。

国立映画アーカイブの映画室長 主任研究員の大傍正規氏は「創作のルーツを知るうえで欠かせない1本」と本作を紹介。そして「クレーンを使った撮影や、竹の中からかぐや姫が登場するシーンでは多重露光が使用されている。そういう部分を見ると、円谷さんがのちに“特撮の父”と呼ばれるようになる種がこの映画に残されていると思います」と見どころを紹介した。

またイベントでは、8月17日から11月23日にかけて展覧会「生誕120年 円谷英二展」が同館にて開催されることも明らかに。この展覧会では、日本映画史の中で円谷英二が歩んだ道のりを紹介し、特撮以前の若き日の功績にもスポットを当てる。

円谷プロダクション代表取締役会長CEOの塚越隆行は「この企画を通じて、監督の偉業を知っていただけたらうれしい」とコメント。円谷英二の三男である円谷粲は「120年経っても忘れられずに功績を祝ってくれることは、縁戚の者としても感謝に堪えません。私は父から何を言われたかはほとんど覚えておりませんが、展覧会で再度インプットして、新しい人たちのためになってくれることを祈っています」と喜びを語った。

生誕120年 円谷英二展

2021年8月17日(火)~11月23日(火・祝)東京都 国立映画アーカイブ展示室
※9月4日(土)、5日(日)には国立映画アーカイブ 小ホールで「かぐや姫」短縮版を上映

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