インド・ムンバイで2008年に実際に起きた同時多発テロ事件が舞台。自動小銃の乱射や爆破などで170人以上が亡くなった凄惨な事件だった。冒頭にインドの女性と結婚した白人男性が登場し、この人が主人公かと思っていたら、実はそうではなくターバン被ったシーク教徒のホテルマンの方が主人公的な役割…というあたりには、インドとの合作にしても、近年の映画のフラットさを感じる。テロリストたちも決して血も涙もない非人間としてキャラクター化されるのではなく、家族愛を持ち、人間性までをもきちんと描写されている。それにしても映像のリアリティは凄まじく、人ってこんなに簡単に死んでいくのかと呆然となり、しかしやはりホテルスタッフたちの奮闘は本当に感動した。今年後半のイチオシ作品。