玉川奈々福の 浪花節的ココロ
差別ゴコロがない~梅ケ谷と新門辰五郎
毎月連載
第6回
19/5/7(火)
上方相撲で日本一と言われた梅ケ谷藤太郎。江戸の相撲を志し、土俵に上がったが、勝っても勝っても人気が出ない。相撲取りが、勝つほどに悪評にさらされる……日本一と評された男が、どん底を味わっています。いったいどうしたらよいかと川面を見つめていたときに、江戸っ子の男がぶつかってきて難癖をつける。もみ合ううち、男がよろけて、そこにいた一人のお菰(おこも=乞食)に怪我を負わせた。男は逃げたが、梅ケ谷は、お菰に詫び、金を与える。
その晩、一人のお菰が梅ケ谷を訪ねてくる。乞食仲間の頭と名乗り、うちのものが両国橋で世話になった、その礼に来たのだという...
新着エッセイ
新着クリエイター人生
水先案内