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『SUITS/スーツ2』続編として完璧な仕上がりに 織田裕二が見せた圧倒的なスターパワー

リアルサウンド

20/4/14(火) 6:00

 2018年の10月期に放送された『SUITS/スーツ』のラスト。ファームの所長・幸村チカ(鈴木保奈美)に無資格であることがバレた鈴木大輔(中島裕翔)は、最後の仕事を終えて弁護士を辞めることを決意する。しかし、甲斐正午(織田裕二)は幸村に交換条件を持ちかけることで大輔を引き戻し、そして彼にボストン行きのチケットを渡す。「2年やる。一生分遊んでこい」と告げて。

参考:【ほか場面写真】小手伸也らおなじみのキャストも

 そうなれば必然的に続編が作られるのは2年後、つまり今年の10月期以降だと油断していたら、それよりも半年ほど早く観られることになったフジテレビ系列月9ドラマ『SUITS/スーツ2』。新型コロナウイルスの影響で各局の新ドラマが相次いで放送延期になっている中で、予定通り4月13日に放送された第1話は、期待に違わない出来栄えだったと断言できる。しかも初回とあってかゲストキャストも含めて豪華な顔ぶれが集結し、前シーズン以上にリッチな画面が滞りなく進んでいく。今期はとにかく各局が本気を入れていることが窺えるビッグタイトルが揃っているだけに、フジテレビ代表の本作がどこまで輝きを見せるのか。個人的には一番推していきたいタイトルである。

 さて、第1話は甲斐がアーティストの海外進出契約を締結するやり取りでお馴染みのハッタリを仕掛けてその手腕を発揮するシーンと、幸村・上杉法律事務所のゴタゴタ感(東京地検の捜査が入ると思わせて、単に引越し作業だったという)、突然ボストンから呼び戻された大輔が電話で持ち前の記憶力を発揮するという、この三者の同時進行で始まることによって、一気に視聴者を『SUITS/スーツ』の世界観へと呼び戻していく。そして早速、元契約社員の女性からアイデア盗用と訴えられた出版社の案件を“リハビリ”として受け持つ大輔と、顧問先の企業の新システム売却について任される甲斐。2人がそれぞれのやり方で、それぞれの案件を解決に導いてく姿を示すことでもまた、続編の始まりとしてカバーすべき部分をすべて収めることができていたと見受けられる。

 そうした中で、このSeason2独自の動きも見え始める。それは、Season1では名前だけ登場しながらも不在のまま物語が進められていた上杉一志(吉田鋼太郎)の存在だ。オリジナルのアメリカ版でもSeason2で登場し物語を大きく動かした、ファームの共同経営者という位置付けのキャラクターである。幸村や甲斐との因縁はもちろん、すでに第1話での登場シーンからもわかるほどの圧倒的な曲者感(これは甲斐にも負けないものがある)。オリジナルのエッセンスを踏襲しながら日本版として丁寧にアレンジが施されている本作で、彼の存在がどのように物語をかき回していくのかは大きな見どころとなるに違いない。

 ところで、織田裕二が主演を務める連続ドラマがスペシャル版や映画版といった展開の仕方ではなく、連続ドラマとしてシリーズ化されるのは意外にも民放では初めてだそうだ(WOWOWでは先日まで放送されていた『頭取 野崎修平』があり、映画から連ドラという形では『黒田康作』シリーズもあるが)。90年代前半のトレンディ俳優から、一世一代のハマり役となった『踊る大捜査線』の青島俊作役を経て、すっかり貫禄と風格を携えた織田にとって、この甲斐正午というキャラクターは新たな定番となることだろう。少なくとも第1話から、反町隆史を凌駕するほどの圧倒的なスターパワーが、しっかりと画面から伝わってきた。 (文=久保田和馬)

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