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2018年は“BTS(防弾少年団)の年”だった? 『MGA』ノミネートから紐解くK-POPシーンの今

リアルサウンド

18/10/22(月) 8:00

 年末に向けて音楽業界では毎年恒例の賞レースが始まっている。韓国も例外ではなく、以前紹介した『MelOn Music Awards』を皮切りに、これから授賞式ラッシュを迎えることになる。

(関連:BTSの躍進にミックステープが果たした役割 Tempalayなど愛聴するRMソロ作を中心に考察

 11月6日には、『2018 MBC PLUS × genie music AWARDS(MGA)』が仁川で開催される。この授賞式は、韓国テレビ局・MBS PLUSと音楽配信サービス・genie music、さらに日本の音楽専門CSチャンネル・MUSIC ON! TVの共同で行われ、日本でも生中継される。また、韓国でも人気の高いチャーリー・プースや、日本からはGENERATIONS from EXILE TRIBEが参加し、パフォーマンスをすることになっている。

 今回はこの『MGA』の大賞部門「ベストアーティスト賞」「ベストソング賞」のノミネートアーティストから現在の韓国の音楽シーンについて考察してみたい。

■やはりBTSか? 「今年のベストアーティスト賞」
 『MGA』における重要な賞は、おそらくこの「今年のベストアーティスト賞」だろう。ここには今年デビューをした新人を含め33組のグループとアーティストがノミネートされている。ビルボードで1位を取ったBTS(防弾少年団)はもちろん、今年で期間限定の活動を終えるWanna Oneも選ばれている。

 他の面子を見ても、TWICEやiKON、SEVENTEENといった人気のアイドルグループが中心といったところだ。毎年、賞の常連であったEXOの名前がないのだが、それはこの賞が今年活躍したアーティストを中心にチョイスされているからだろう。そんな彼らは11月に久々にカムバックをする予定だ。

 ノミネートアーティストの中には、日本のバブリーダンスを意識した芸人グループ・CELEB FIVEも入っており、思わぬ番狂わせがあったら面白いのだが、順当にいけば、BTSが大賞を取るだろう。それくらい2018年は「BTSの年」だったと言える。

■音源チャート王者に注目「今年のベストソング賞」
 「今年のベストソング賞」は今年を代表する1曲を決める賞になる。35曲がノミネートされているが、これが先ほどのアーティスト賞と違い、“曲”で評価されるためなかなか面白いラインナップになっている。当然、音楽マーケットを賑わせたBTSは「FAKE LOVE」「IDOL」の2曲がノミネートされているが、無名のアーティストも入ってくることがある。

 筆者が注目したいのは、「Tale」と「Deepen」の2曲がノミネートされているMeloMance(メロマンス)だ。彼らは2015年にデビューをした、ボーカルのキム・ミンソク、ピアノのチョン・ドンファンによる音楽デュオ。2017年にリリースしたアルバム『Moonlight』のリード曲「Gift」が音楽チャートを逆走したことにより、一気に有名になった。その勢いは2018年に入っても止まらなかったということだろう。

 本人たち曰く「落ち着いた曲調の音楽と、盛り上がる音楽まで、色んなライブと音楽で皆さんに幸せを伝えているのが魅力だ」という。アイドルのような華やかさがあるわけではないのだが、彼らの作るまっすぐな音楽は多くの人たちの心を揺さぶり、今年の音楽チャートを賑わせたのは事実だ。

 他にも、同じように音楽チャートトップ常連の赤頬思春期(BOL4)「Travel」やHYUKOH「LOVE YA!」、Heize「Jenga(feat.Gaeko)」などもノミネートされている。

■K-POPらしい「ダンス部門」にも注目
 『MGA』には他に「歌手部門」と「ジャンル部門」があるが、その中でもジャンル部門に設定された「ダンス賞」に注目したい。多くの人が思い浮かべる「K-POP=ダンス」の部分に特化した賞と言える。この賞は男女にわかれており、今年話題になったダンスを踊ったグループがノミネートされているようだ。

 「女性ダンス賞」にノミネートされているMOMOLAND「BBoom BBoom」は、馴染みやすい“ダサくて可愛いダンス”がウケたという。ダンス練習動画は10月現在で、1億回再生数を超えた。MV以外の動画では珍しい現象ではないだろうか。

 「男性ダンス賞」には「ハンマーダンス(シュートダンス)」を取り入れたことで曲とともに多くの人たちに広まっていったPENTAGON「Shine」がノミネートされている。日本ではDA PUMP「U.S.A」の「いいねダンス」で有名な振り付けだが、韓国ではPENTAGONがそのダンスを広めた。

 他のノミネート者にはBTSやTWICEといった強豪が揃っているが、ダンスをどういった形で評価するかが気になるところだ。

■年末の賞レースを見ることで韓国の音楽シーンが見えてくる
 『MelOn Music Awards』の時もそうだったが、年末の賞レースというのは今年の音楽シーンを振り返るのにはもってこいだ。数多くの音楽たちが怒涛のように流れていくリアルタイムの時間の中ではなかなか気付けなかったことが、俯瞰してみることで見えてくる。そして、来年の流れも見えてくることもあるだろう。そういった視点で、賞レースを見てみたら面白いのではないだろうか。

 これから、多くの授賞式が韓国で行われる。それぞれの特色などもあるので、1つに限らず様々な授賞式をチェックしてみて欲しい。また、1年の締めくくりを飾るということもあり、各授賞式では豪華で特別なステージが行われることも多い。ここにもぜひ注目して欲しい。(西門香央里)

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