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Saucy Dog、念願の「はじめてのホールツアー」東京ガーデンシアターで完遂

ナタリー

Saucy Dog「Saucy Dog ワンマンライブ 全国ドックラン!!“今度こそ、はじめてのホールツアー!”」東京・東京ガーデンシアター公演の様子。(撮影:白石達也)

Saucy Dogが9月から12月にかけて全国ホールツアー「Saucy Dog ワンマンライブ 全国ドックラン!!“今度こそ、はじめてのホールツアー!”」を開催した。

昨年3月に開催予定だったバンド初の単独ホールツアー「はじめてのホールツアー」を新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて中止したSaucy Dog。3人は「Saucy Dog ワンマンライブ 全国ドックラン!!“今度こそ、はじめてのホールツアー!”」と題して、改めて初のホールツアーを開催した。ここでは12月2日に東京・東京ガーデンシアターで行われた最終公演の模様をレポートする。

Saucy Dogがオープニングナンバーとしてセレクトしたのは、2017年5月にリリースされた初の全国流通盤ミニアルバム「カントリーロード」の収録曲「煙」。石原慎也(Vo, G)は冒頭の弾き語りで、切ない歌声を響かせて一気に観客の心を掴んだ。この日、東京ガーデンシアターの周りには冬の冷たい雨がパラついていたが、バンドは「シーグラス」「なつやすみ」と清涼感のあるナンバーを連投。場内にひととき、さわやかな夏の風を吹かせた。そしてせとゆいか(Dr, Cho)は会場を見渡して「大きいね。どこを見てもみんながいてくれてうれしいです。ツアーの会場各所でもらってきた幸せをみんなに送って帰ろうと思ってます。メンバーよりも楽しんで帰ってくれたらうれしいです!」と朗らかな笑顔を浮かべた。

Saucy Dogはこの公演で、8月にリリースされた最新ミニアルバム「レイジーサンデー」の収録曲を多く披露。本作のリリース前に実施されたインタビューで、石原が「自分たちが推している曲」だと語った「シンデレラボーイ」の演奏では、彼のタイトルコールを受けてオーディエンスがにわかに沸き立つ。女性目線の切ない恋心が綴られたこの曲を、石原はエモーショナルに歌い上げてドラマチックな空間を演出した。せとと同じく、多くのファンをうれしそうに見つめた石原は「これから先、嫌なこともうれしいこともあると思うんですけど、そんなあなたの節目節目に俺たちの音が加われたらと思っています。俺たちがライブをしているのは、ここにいる1人ひとりに面と向かって音楽を届けたいからです。今日は出会ってくれて、本当にありがとうございます。ここにいるあなたの心を柔らかく、楽しい気持ちにさせてあげられたらいいなと思っています」と語った。

中盤にはSaucy Dogのワンマンライブでおなじみのアコースティックコーナーが用意された。まず奏でられたのは、せとが作詞作曲を担当し、「レイジーサンデー」のCDにのみボーナストラックとして収録されている「いつもの帰り道」。せとがマイクを握り、透明感のある歌声で観客を魅了する。続いて演奏されたのは4thミニアルバム「テイクミー」より「film」。柔らかなアコースティックサウンドに乗せて石原が優しく歌い上げて、場内を温かな雰囲気で満たした。そして終盤、Saucy Dogは晴々しいバンドアンサブルが鳴る「君がいない」、秋澤和貴(B)の踊るようなベースラインが光る「雷に打たれて」と、バンドの持ち味のひとつである疾走感のあるナンバーを畳みかけた。

アンコールでは、バンドは石原のハイトーンボイスが印象的なバラード「東京」を披露。感傷的な歌唱でオーディエンスをバンドの世界観に没入させる。そしてSaucy Dogは最後にアットホームな「猫の背」を充足感に満ちた表情でパフォーマンスして本ツアーを締めくくった。

Saucy Dog「Saucy Dog ワンマンライブ 全国ドックラン!!“今度こそ、はじめてのホールツアー!”」2021年12月2日 東京ガーデンシアター セットリスト

01. 煙
02. 雀ノ欠伸
03. ナイトクロージング
04. シーグラス
05. なつやすみ
06. シンデレラボーイ
07. BLUE
08. メトロノウム
09. リスポーン
10. いつもの帰り道
11. film
12. sugar
13. 君がいない
14. 雷に打たれて
15. ゴーストバスター
16. バンドワゴンに乗って
17. いつか
<アンコール>
18. 東京
19. 猫の背

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