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横浜流星が“復讐の鬼”と化す 『シロクロ』涙を流し、虚ろな瞳でナイフを握った決意

リアルサウンド

20/3/9(月) 11:45

 コアラ男誘拐事件の真犯人がわかり、直輝(横浜流星)の狂気が目覚める。『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』(読売テレビ・日本テレビ系、以下『シロクロ』)の第9話では、あずさ(白石聖)の過去と佐島一家にうずまく暗い影がフォーカスされる。

 やっと哲也(田中圭)の残した動画のパスワードにたどり着いた直輝は、哲也からのビデオレターを受け取る。そこでは、直輝に対して“復讐はせず自分の人生を楽しんでほしい”というメッセージが込められていた。その頃、レン(清野菜名)がコアラ男に誘拐され人質にされていた。直輝はコアラ男からのビデオ通話の動画を頼りに、あずさと共にレンを捜索する。しかし途中であずさもコアラ男のグループに連れ去られてしまった。居場所を突き止めた直輝は、いよいよコアラ男と一騎打ちとなる。そこで直輝はキャンドルの溶けたロウを使ってレンに催眠をかけミスパンダを呼び覚ます。ミスパンダとタッグを組んだ直輝は、コアラ男の正体を突き止めるのだった。

【写真】血を流す横浜流星

 コアラ男はあずさの兄の一郎(きづき)だった。幼い頃、父親(佐藤二朗)の愛情に飢えていたあずさは一郎と企て、父に振り向いてもらうためにコアラ男誘拐事件を自作自演した。事件は想像以上に大ごとになり、真実がバレたら佐島は職を失うことになる。その真実にいち早く気づいた哲也がパンダ男として佐島の前に現れ、自作自演であることを咎める。佐島は罪を償おうと、哲也に謝罪していたその時、再度あずさの命令で一郎が現れ、哲也を殺してしまったのだ。事件の真相がわかった直輝は、心の中の父と独り言のように会話したかと思うと、「いってくる」と残し、あずさを刺そうとナイフを構えて突き進む。だが刺されたのは、あずさをかばったミスパンダだった。

 やっと復讐を果たせることで狂気に蝕まれた直輝は、父に弁明しながらもあずさを刺す決心をする。涙を流し、虚ろな瞳で「大丈夫、俺、強くなったよ、わかってくれてありがと…」とつぶやく直輝は、その瞳から大粒の涙をポロポロとこぼし、聞こえるはずのない声に幾度もうなずく。直輝を案じた父親からのメッセージもむなしく、「パパ…大好き」と、大きく目を見開いた瞬間、まさに“復讐の鬼”と化した。およそ1分半にもわたる横浜の芝居は、第9話の大きな見どころとなっただろう。

 さらに、第9話ではこれまで直輝を苦しめてきた事件の真相が全て明らかになった。なんと真犯人はあずさだった。寂しさを埋めるため、そして周りからの注目を得るために兄を利用し、様々な人を陥れてきたあずさ。大人になっからも、度々直輝にすがってきたが、あずさは今でも孤独なままだ。この苦しみを埋められるのは父である佐島しかいない。一家で共謀し、大きな事件に蓋をしてきた佐島一家はどう償っていくのだろうか。

 次週の最終回では、事件のその後、残された人々の行く末が描かれる。コアラ男事件の真相は解明されたものの、レンを取り巻く環境や、直輝の狂気の末など明らかになっていないことはまだたくさんある。

(Nana Numoto)

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