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ぴあ

いま、最高の一本に出会える

『さらば愛しきアウトロー』(c)2018 Old Man DistribuDon, LLC. All rights reserved. Manufactured and Distributed by VAP Inc, JAPAN

小西康陽 5243 シネノート

10月から11月

毎月連載

第17回

19/11/27(水)

 きのうもきょうも無駄に早起きしてしまった。どうも目が覚めてしまうのだ。
 小春日和。おだやかな天気。今夜は飯田橋・神楽座でKCDの上映会。その前に近くの喫茶店で打ち合わせが一本。だからその前に観たかった映画を観てしまおう。そう考えて自宅の近くのバス停から都バスに乗る。
 このバスの運転手氏、おだやかなトーンながら、とにかくやたらと喋る。
「ただいま気温は19度。11月下旬とは思えない暖かな陽気です。どうぞ皆さま、上着などのお忘れ物、ございませんようにお気をつけください。」
「こちらで降りて左へ行きますとイチョウ並木です。。たぶんもう色づいていると思います。はい、行ってらっしゃい」
 ずっとこんな調子。喋ることで運行上のストレスを忌避しているのだろうか。
 たどりついた劇場は新文芸坐。プログラムは評判の良い『さらば愛しきアウトロー』と『ゴールデン・リバー』の二本立て。空いている。いちばんお気に入りの座席も空いていて、その席に座って上映を待っていたら、夕方の打ち合わせで会うはずの人が手前のドアから入ってくる。ほんの数秒さきにこちらのことを見つけて確認したご様子のKさんは笑顔を浮かべて近づいてくる。べつに悪いことをしているわけでもないのに、なにかやましい気持ちに。よく考えると悪いことをしているのは勤務中であるはずの時間に名画座に潜り込んでいるKさんのほうなのだけれども。それがすこし可笑しい。

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