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「ファン・ディエゴ・フローレス テノールコンサート」 現代最高のリリックテノール登場!その圧倒的な美声に浸る

ぴあ

19/12/6(金) 12:00

ファン・ディエゴ・フローレス

ニューヨークのメトロポリタン歌劇場(MET)をはじめとする世界最高峰のオペラハウスを席巻するスーパー・テノール。それがフローレスだ。正確なリズムと超人的な技巧、さらには恵まれた容姿も相まって向かうところ敵なし。「100年に1人のテノール」というやや大げさなキャッチコピーにも納得せざるを得ない凄みがある。

その彼の来日公演が開催されるとなれば、これは気になる。プログラムには、得意のロッシーニやドニゼッティを筆頭に、ヴェルディやレハール、更にはビゼーやプッチーニのオペラ・アリアがずらりと並び、フローレスの真価を堪能するにはうってつけの時間が楽しめそうだ。

声は人それぞれが天から授かった宝物。それをどう使うのかは本人次第だ。天性の美声に磨きをかけたフローレスの天駆ける超高音を耳にすれば、彼が歌手になってくれたことにきっと感謝したくなるだろう。まさに今が旬の圧倒的な歌声を聴き逃がすことなかれ。そのためにも来日公演を前にして、彼が風邪など引かないことを切に祈りたい。

●公演概要

12月10日(火)東京オペラシティ コンサートホール:タケミツメモリアル
12月14日(土)サントリーホール 大ホール

●ファン・ディエゴ・フローレス Juan Diego Florez

「100年に一人のテノール」といわれるオペラ界のビッグ・スター」

「銀色の輝きを帯びたやわらかさを伴い、並はずれて美しいだけでなく、時に想像しうるかぎり最も美しい楽器のように響く」(伊「ムジカ」誌)。

だが、フローレスの強みはそれだけではない。正確なリズムのもと、声を転がし跳躍させる超人的技巧を軽々とこなす一方、レガートの旋律は感情が深くこめられながら洗練を極めている。だから、難しすぎて埋もれていたオペラの数々も、フローレスが歌うことで日の目をみた。そればかりか、メットやウィーン国立歌劇場、スカラ座など最高峰のオペラハウスが、まさにフローレスのために無名のオペラを上演するリスクをあえて負い、結果的に大成功を収めてきた。

1974年、ペルーのリマに生まれたフローレスは、生地の国立音楽院をへて1993年からフィラデルフィアのカーティス音楽院で学び、いまペーザロのロッシーニ・オペラフェスティヴァル(ROF)の総裁兼芸術監督である往年の名テノール、エルネスト・パラシオに師事。1996年、代役でROFにデビューしてセンセーショナルな成功を収めると、短期間で一気にオペラ界の頂点に登りつめた。日本でも、ボローニャ歌劇場公演の『セビリャの理髪師』でのめくるめく超絶技巧、『連隊の娘』での煌めく超高音などで、圧倒的な印象を残している。

世界が「100年に一人」と認めたテノールは一番脂がのった年齢に達し、見事に熟した声で『ルチア』や『ウェルテル』など劇的な作品にも挑戦、大喝采を浴びている。その一方で、2018年夏にはROFで『リッチャルドとゾライデ』という難曲に挑み、だれにも真似できない超人的技巧を軽々と披露して、満場の大喝采を浴びた。

こうして高みに登りつめたいま、待ち望まれた13年ぶりの来日が実現する。

香原斗志(オペラ評論家)

公式HP https://www.juandiegoflorez.com

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