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狙いは高畑充希と大久保佳代子の化学反応、タナダユキ新作が完成

ナタリー

21/5/18(火) 13:42

「浜の朝日の嘘つきどもと」完成報告イベントの様子。左からタナダユキ、高畑充希、大久保佳代子。

「浜の朝日の嘘つきどもと」の完成報告イベントが本日5月18日に東京都内で行われ、キャストの高畑充希、大久保佳代子、監督を務めたタナダユキが登壇した。

閉館の危機にある映画館を舞台に、ある嘘をついて劇場の立て直しに奔走する浜野あさひを主人公にした本作。福島中央テレビと縁のあったタナダが福島・南相馬を舞台にオリジナル脚本を執筆した。舞台となるのは100年近い歴史を誇る実在の映画館・朝日座だ。現在は映画館としての営業は行っていないものの、不定期で上映会やイベントを開催している。タナダは「1つの大きな箱での人間模様を描きたかったのですが、探してみたら、とってもいい映画館がありました」と朝日座を題材に選んだ理由を明かす。

映画の後日談となる同名ドラマに続いて主演を務めた高畑。「タナダさんの作品が大好き。呼んでいただけて『やった!』という気持ちでした。台本を読んでみても、流れやキャラクターが生き生きと飛び出てくる感じがして」と脚本の感想を口にする。演じたあさひは映画好きな恩師との約束を守るため、茂木莉子(モギり子)と名前を偽ってまで朝日座を再建しようと奮闘するキャラクターだ。高畑は自身の役柄を「ずっと嘘をついているキャラクター。絶対思いつかないようなモギり子という偽名がいいですよね。考えなしな部分もあるんですけど、自分の欲望に忠実で今を生きている感じの人です」と紹介する。

大久保が演じたのは、あさひの高校時代の恩師である田中茉莉子。脚本を読むまで、盛り癖のあるマネージャーの「すごくいい役」という一言を疑っていたという大久保は「読んでみると、とても人間的な魅力のあるいい役でした(笑)。セリフがめちゃくちゃ多くて、覚えられるかな?とプレッシャーもありましたね」と振り返る。タナダは大久保のキャスティングについて「高畑さんが誰と組んだら面白いだろう?と考えて。お互いに化学反応を引き出せるのは誰かと思っていたら大久保さんが浮かんでしまいました」と回想しつつ、その演技を「完璧だったので、何も問題なかったです」と称賛した。

イベントでは、3人が個人的な映画館の思い出を語る場面も。タナダは5歳のとき父親に黒澤明の「影武者」に連れて行かれ禁止されていたコーラを買ってもらった初めての映画館体験、大久保は大学時代にレポートのため浅草の映画館で神代辰巳の映画を観ているときに見知らぬ中年男性から知らない銘柄のコーヒーをもらった話を披露。高畑は5月20日をもって閉館される東京・アップリンク渋谷での思い出を「座席がちょっとソファみたいになってるじゃないですか。もちろんちゃんと観るんですけど、寝落ちしちゃう瞬間が好きで。淡々とした映画を観ながら、アップリンクで寝落ちする時間が至福だったので、なくなるのはかなり寂しいです」と語った。

2020年の1度目の緊急事態宣言が明けてから撮影された本作。最後に高畑は「私にとってはステイホーム期間が終わってからの最初の仕事でした。今だから感じられること、思うことが作品の中に盛り込まれています。タナダ監督の映画愛もギュッと詰まってます。この映画を観てたくさんの人に温かい気持ちになってほしいです」と述べ、イベントを締めくくった。

「浜の朝日の嘘つきどもと」は8月27日に福島県内で先行公開。9月10日より全国でロードショーとなる。

(c)2021 映画『浜の朝日の噓つきどもと』製作委員会

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