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三浦春馬、「Night Diver」で聴かせる多彩なボーカル表現 力強さと優しさが見えるMVから実感したアーティストしての進化

リアルサウンド

20/7/29(水) 6:00

 三浦春馬の2ndシングル『Night Diver』が、8月26日にCDリリースされる。ファンの要望も受け、“表現者”としての彼の魂がファンの心の中で輝き続けていけるようにとの願いを込めてリリースが決定したという。表題曲MVは、初パフォーマンスが予定されていた7月24日放送の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)で公開されるや話題を集め、当日から各種サイトより単曲で配信がスタートされたほか、所属レーベル・A-Sketch公式YouTubeチャンネルには、死を悼む声と共に彼のパフォーマンスと歌声を称賛する声が多く集まり、公開から5日ですでにMVの再生数は900万回を超えている。

(関連:三浦春馬、舞台/ミュージカル経験を経た“シンガーとしての表現力”に注目

■アーティストとしての進化を実感させるボーカル表現

 表題曲「Night Diver」は、2016年に解散したロックバンド・HaKUのボーカル&ギターだった辻村有記が、作詞・作曲・プロデュースを手がけた。辻村はソロ活動を行う一方でクリエイターとしても活躍し、「U」や「Stupid」といったHey! Say! JUMPの多くの作詞・作曲を手がけているほか、Sexy Zoneの「HIKARI」や日向坂46の上村ひなのが歌う「一番好きだとみんなに言っていた小説のタイトルを思い出せない」の作編曲にも参加している。

 そんな辻村が手がけた「Night Diver」は、パーカッシブなEDMで、夏の夜のムードにぴったりのサウンドだ。大切な相手との別れが忘れられず、それを乗り越えて新しい何かを掴もうとする心模様が表現されている歌詞は、心の中の様々な葛藤を歌っているものの決して暗さやネガティブさはなく、軽やかさのあるサウンドと相まって、むしろそこから何か新しい感情が生まれることを期待しているような清々しさを感じさせる。

 三浦のボーカルも実に巧みで、Aメロではウィスパー調の表現を新鮮に聴かせ、それに続くため息と早口で畳みかけるBメロは、どこかユーモアも感じさせる。そしてサビでは一転、目の前に広い世界が広がるような、スケールの大きいボーカルを聴かせてくれている。ちょうど1年ほど前にリリースした1stシングル表題曲「Fight for your heart」では、ワイルドなハイトーンボイスと共に楽曲を全身で表現していたが、今作では実に多彩なボーカル表現を聴くことができ、アーティストとしての進化を実感させる。

■水の底から聴く者を引き上げてくれるような力強さと優しさ

 水しぶきを上げながらダンスを繰り広げるミュージックビデオは、ひとつの舞台を見るような物語性を感じさせる構成になっていて、非常に見応えがある。4人のダンサーと繰り広げるパフォーマンスは、息ぴったりでダンスのキレ味も抜群だ。女性ダンサーとのデュエットでは、まるで悩める心の内を表現しているようなシアトリカルな雰囲気で魅せる。そしてサビのダンスは、自身の内側にあるものを解放させるようなダイナミックさで見る者を圧倒する。まるで夢の中にいるような暗闇の中で、シンプルな白いシャツ1枚で舞うように踊る姿からは、ダンスや演技の枠を超えた新しい表現方法を感じさせる。

 なかなか寝付けない夜、頭の中には様々な記憶や感情が駆け巡り、それらと格闘していくうちに、気づけば深い眠りに落ちていた。そんな夜は、きっと誰にでも経験があるだろう。この曲は、聴く人のそうした経験にも共感しながら、水の底から聴く者を引き上げてくれるような力強さと優しさも感じさせる。まぶたを閉じれば、夢の中で三浦が手を差し伸べてくれて、朝まで一緒にダンスをしているうちに新しい朝を迎える、といったような……。まるで夢の中でならいつでも会えるから大丈夫だよと、言ってくれているようだ。

 CDシングル『Night Diver』の売上の一部は、三浦が毎年取り組んでいたチャリティイベント『Act Against AIDS』にて支援を続けていた認定NPO法人「フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーJAPAN」を通じて、ラオスのラオ・フレンズ小児病院に寄付される。また同作カップリングには、「ONE」と、三浦自身が作詞作曲に初挑戦した「You & I」も収録される。(榑林史章)

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