ちょっとした思いつきを作品にした小ネタ集、みたいな展覧会。壁に山並みのような線が引かれ、その線上に細い針が何百本も刺してある……と思ったら、壁に針を刺してその影の先にまた針を刺して、を繰り返すことで山並みの線をつくっていた。暗い部屋に板を立てかけ、裏から照明を当てている……と思ったら、板の裏の壁にスリットを入れて向こう側の光を採り入れていた。台の上に細かい砂が敷かれ、その上にボールの転がった跡が残っている……と思ったら、帰りのエレベータの向こう側にボールを発見！ みたいな遊び心にあふれた作品ばかり。最大のひらめきは、ガラスに囲まれたギャラリー内にもう１つ部屋をつくったことだろう。