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菅野美穂、高畑充希、尾野真千子が母親演じる「明日の食卓」公開、監督は瀬々敬久

ナタリー

20/12/10(木) 6:00

「明日の食卓」キャスト。左から、尾野真千子、菅野美穂、高畑充希。

菅野美穂が主演を務め、高畑充希、尾野真千子と共演する「明日の食卓」が2021年春に公開される。

椰月美智子の同名小説を瀬々敬久が映画化した本作は、同じ「石橋ユウ」という名の息子を育てる3人の母親たちを描く物語だ。住む場所も環境もまったく違うが、それぞれ息子の“ユウ”を育てながら忙しくも幸せな日々を送っていた彼女たち。しかし、ささいなことがきっかけでその生活は徐々に崩れていき、彼女たちのいら立ちと怒りは無意識に子供へと向けられていく。撮影は2020年8月から9月にかけて茨城、千葉、埼玉、都内近郊で行われた。

菅野、高畑、尾野は物語の主軸となる母親たちを演じる。神奈川在住のフリーライター・石橋留美子を菅野、大阪に住むシングルマザー・石橋加奈を高畑が演じ、静岡で暮らす専業主婦・石橋あすみに尾野が扮した。

自身も育児中である菅野は「運命を感じる役との出会いでした。留美子を演じながら、子どもへの愛情と、母性の狂気を改めて見つめ直すような気持ちになりました」とコメント。高畑は「自分自身が生まれ育った大阪の、空気とか匂いとかを思い出しながら懐かしみながらこの加奈という役をやらせていただけて、本当に幸せでした」と述べる。尾野は「母の気持ち、子の気持ち、まだいくら考えてもわかりません。いくら歳をとっても経験者当事者でないとわかりません」と母親役の難しさを吐露しつつ、「でも繋がりとは素敵で美しい大切なものなのですね」と結んだ。

原作の魅力について、瀬々は「一見平穏で楽しそうな子育て中の三つの家族がゆっくりと崩壊していく様子を、決して悲観的にならず最後は希望を持って描いている」と述べ、「それはどんな家族にも訪れうる悲劇で、他者の身になって想像するという、今の分断化された世界の中で一番必要なテーマだと思えました。より広い世界観につながる映画にしたい、そう思いました」と語る。椰月は「これほど映像化にぴったりな小説はないんじゃないかと、自身はじめての映像化に胸が高まりました。そして、瀬々監督!主役の三人である菅野美穂さん、高畑充希さん、尾野真千子さん!のお名前を耳にし、この映画は成功するに違いないと確信しました」と期待を寄せた。

菅野美穂 コメント

私自身が育児中という事もあり、運命を感じる役との出会いでした。留美子を演じながら、子どもへの愛情と、母性の狂気を改めて見つめ直すような気持ちになりました。
瀬々監督の作品に参加させて頂くのは今回が初めてだったのですが、寡黙なお人柄ですが熱い思いでお芝居を受け止めてくださいました。
瀬々組の阿吽の呼吸のスタッフの皆さんのお陰で、集中して取り組む事ができたのだと思います。
毎日抜け殻になるまで撮影をした、という気がします。
高畑充希さん、尾野真千子さんという素晴らしい女優さん達と一緒にこの作品に参加させて頂けてとても幸運に思っています。

高畑充希 コメント

はじめての瀬々組。とてつもなくパワフルな現場で、あれよあれよという間に時間が過ぎてゆきました。1日1日の密度があまりにも濃すぎて、撮影期間の記憶がほとんどありません。笑
でも、スタッフさん達の瀬々監督作品への愛を毎日肌で感じていた事だけは覚えていて、きっとその愛情が、出来上がる映画からも溢れているんだろうなと思います。
自分自身が生まれ育った大阪の、空気とか匂いとかを思い出しながら懐かしみながらこの加奈という役をやらせていただけて、本当に幸せでした。

尾野真千子 コメント

母を演じる事はやはり難しいです。
母の気持ち、子の気持ち、まだいくら考えてもわかりません。
いくら歳をとっても経験者当事者でないとわかりません。
この役を演じて怖くもありました。
でも繋がりとは素敵で美しい大切なものなのですね。

瀬々敬久 コメント

一見平穏で楽しそうな子育て中の三つの家族がゆっくりと崩壊していく様子を、決して悲観的にならず最後は希望を持って描いている原作にまず惹かれました。
それはどんな家族にも訪れうる悲劇で、他者の身になって想像するという、今の分断化された世界の中で一番必要なテーマだと思えました。
より広い世界観につながる映画にしたい、そう思いました。
3人の母にはこの上ない方たちに集まって貰えました。
菅野美穂さんは実際に子育て中であり、ご自身の経験を生かしてチャーミングなお母さんを演じてくれました。
そしてラストは一線を超えた迫力です。
高畑充希さんが演じるのは大阪のシングルマザー、これも高畑さん自身が大阪出身ということもあり、頑張るオカンを等身大で気丈に演じていただき感動的です。
尾野真千子さんが演じるのは、ちょっとサイコな小学生の母親です。
複雑な性格の彼の暴走を食い止めるには体当たりの魂の叫びしかなく、まさにそこに至っています。
映画の中では、やがてこの三人の姿が微妙に繋がっていきます。
映画ならではのその醍醐味も楽しんでもらえたらと思います。

椰月美智子 コメント

「明日の食卓」が映画化されると聞いたとき、これほど映像化にぴったりな小説はないんじゃないかと、自身はじめての映像化に胸が高まりました。
そして、瀬々監督!主役の三人である菅野美穂さん、高畑充希さん、尾野真千子さん!のお名前を耳にし、この映画は成功するに違いないと確信しました。
「三人の母親」と「虐待」は、どのような経緯をたどって、どのような結末になるのでしょうか。
いろいろな意味で問題作となるはずです。期待しかありません。

(c)2021「明日の食卓」製作委員会

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