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浜崎あゆみ、光を掲げ走り続けた2020年ーー配信ライブからドラマのヒットまで、皆を導き寄り添った1年を振り返る

リアルサウンド

20/12/28(月) 18:00

 クリスマスイブに有観客・無配信で行われる予定だったファンクラブ会員限定の『ayumi hamasaki Special SHOWCASE ~Xmas Eve 2020~』を、無観客&誰もが見られる無料配信に切り替えた浜崎あゆみ。予期せぬクリスマスの英断に賞賛の声が上がるなか、恒例となる国立代々木競技場第一体育館での年越しライブ『COUNTDOWN LIVE 2020-2021 A〜MUSIC for LIFE〜』も、無観客の配信にせざるを得ないという現実がある。オフィシャルサイトでは、「皆様ご家族でのステイホーム期間中、エンターテインメントの力が光となり、少しでも支えとなれるよう引き続き尽力して参ります」と本人がコメントしているが、忘れられない年の最後の瞬間だけでも同じ時間と空間をと願った浜崎、ファン双方の気持ちを思うとなんとも切ない。もちろん、そのやりきれなさを浜崎は配信のベストパフォーマンスに込め、隔てられた時間も空間も超えて視聴者の心を照らすことだろう。この1年ずっとそうしてきたように。

 コロナ禍に見舞われた2020年、浜崎あゆみが取り組んだ最初の配信ライブは、7月の『ayumi hamasaki PREMIUM LIMITED LIVE A ~夏ノトラブル~』だった。1会場のみで中止を余儀なくされた全国ツアー『ayumi hamasaki TROUBLE TOUR 2020 A〜サイゴノトラブル〜』を「幻にはしないよ」とでもいうようなその力強い姿は、身も心も弱っていたであろう人々に大きな希望を与えた。10月2日、自身42歳の誕生日には、その幻と言われたツアーを再現&再構築した『ayumi hamasaki TROUBLE TOUR 2020 A ~サイゴノトラブル~ FINAL』も。現状できる術を最大限に使って、2020年のツアーに2020年ならではの落とし前をつけた形だ。自身のワンマンのみならず、今年配信での開催となったエイベックスのフェス『a-nation online 2020』にも参加。浜崎からのラブコールで実現したくっきー!(野性爆弾)とのブッ飛んだ映像コラボは、ステイホームの退屈や憂さを晴らす「神業」として大きな話題となった。

 
 
 
 
 
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 この年末の2本を入れて配信ライブは計5本。しかも、すべてセットリストも演出内容も開催場所も違う。なんという貪欲さだろう。これができるのは、2000年から一度も欠かさず毎年新たなツアーを敢行し、底力を培ってきたからこそ。ライブに対する並々ならぬ愛と、あのジャンヌ・ダルクにも似た使命感で、浜崎あゆみはコロナ禍にあっても先頭に立って光を掲げ、走り続けてきた。やはり彼女はどこまでいってもスーパースター、スーパーウーマン。そう思わせてくれる、2020年下半期だった。

 その一方で、上半期には我々と同じ「普通の人々」的な一面も多く垣間見られた。ご存知のように、2019年の終わりに浜崎あゆみは第一子を出産している。結婚という形を取らない40代でのこの選択と発表は、一人の女性としての生き方を曝け出すことでもあった。もちろん、出産ギリギリまでライブに取り組み、出産後も即ライブに復帰するという見事なビフォー/アフターは、仕事と子育てを両立している逞しい世の女性たちにとっても驚きであったわけだが、浜崎あゆみもまた同じ人間としての営みのなかにいる存在として認識されたことは大きかった。ツアーが中止になった分、子供と心置きなく過ごす時間に使ってほしいと願った同年代のファンも多かったはず。

浜崎あゆみ / オヒアの木

 そんな折、往年の大映ドラマを彷彿とさせる鈴木おさむの脚本と田中みな実の怪演で、ドラマ『M 愛すべき人がいて』が社会現象と呼べるほどの大ヒットに。漫画チックに描かれた当時の音楽業界を背景に、家庭環境やプロデューサーとの恋も含め、デビュー前の浜崎の頑張りが独特の可笑しみのなかで見られたことで、彼女をかつてなかったほど身近に感じる人が激増。安斉かれんが、嫌味のないあどけなさで果敢にアユ(役名)を演じたことで、若い世代の共感も集まり、「M」や「A Song for XX」など初期の名曲が、ごく自然に次世代へと受け継がれることにもなった。

 最終回が終わると同時に、ドラマについて沈黙を続けていた浜崎は、鈴木おさむのインタビューを引用しつつ、「ほんと最低で最高で、大嫌いで大好きでした」とSNSで発言。ドラマにハマりながらも、本人はどう思っているのだろう? と興味を募らせていた視聴者もこれでスッキリしたようで、自分たちと同じように浜崎もステイホーム中にはドラマを観ていたという事実に、SNSでは歓喜の声が飛び交った。

 同時期、浜崎あゆみからこんな能動的なアクションも。Apple Musicの特集ページ『At Home With Apple Music 〜うちで過ごそう〜』では、星野源や藤原聡(Official髭男dism)などと並んで自身選曲のプレイリストを公開。縁を大事にした曲から意外な趣味をのぞかせた曲まで、その気取らないセレクションで人々のおうち時間を彩った。そういった楽しみの提供からさらに一歩進み、おうち時間を持て余す市井のクリエイターたちに向けた提案も。それが、シングル53曲を含む100曲のアカペラ音源をオフィシャルYouTube上で無料公開した「ayuクリエイターチャレンジ」だ。その昔、松任谷由実が、スタジオ作業で自分の声だけプレイバックされる恥ずかしさを「トイレのドアを開けられたみたいような気分」と表現したのは有名だが、それを堂々とこれだけの数を「どうぞ」とばかりに差し出すとは! しかも、楽曲の生命力を宿した裸の歌声そのものが圧巻で、腕に覚えのある人たちはその声を自由にアレンジして、指定のハッシュタグで次々と投稿。YouTubeはみるみる新解釈の浜崎あゆみサウンドで溢れかえった。

浜崎あゆみ / M (Acappella)

 クリエイター志望にとっても、投稿をただ楽しむ人にとっても、これは本当にワクワクするありがたい場となった。ユーザーフレンドリーなこういった細やかな導き方、寄り添い方は、やはり皆と等しくステイホームを経験してこそ生まれた発想だろう。そう、2020年の上半期は、誰にとってもそうだったように、浜崎あゆみにとってもまたさまざまなことを一旦整理するまたとないモラトリアム期間だったのだ。常に前だけを見て時代の先を突っ走ってきたスーパースターが、ふとフラットに自分の過去と対峙する機会を得て、自分の裸の歌声を喜んで差し出してもいいと思うほどに、その過去を慈しめた。きっとそういう静かで豊かな私的時間がそこにはあったはず。過去は背負うものではなく、未来を照らす光の糧と再認識もしただろう。何層にも重なる自分のコアを全肯定で意識できたとき、アーティストとしてのインナーマッスルがまた強靭さを増したのだ。2020年下半期に見せた攻めの姿勢は、その大いなる結果だ。

 とはいえ、第二子を授かって臨む年末の配信ライブは、準備の体調管理も含めて並大抵の大変さではなかっただろう。それでも、浜崎あゆみの今の選択に、どっちか、はない。どっちもなのだ。誰とも変わらぬ一人の女性、母親であり、誰にも代わりのできないスーパースターでもある。それが、2020年に浜崎あゆみが証明してみせた、浜崎あゆみたる所以なのだ。

■リリース情報
LIVE DVD & Blu-ray
『ayumi hamasaki TROUBLE TOUR 2020 A ~サイゴノトラブル~ FINAL』
2021年1月27日発売
[DVD+スマプラムービー] ¥6,300(税抜)
[Blu-ray+スマプラムービー] ¥7,300(税抜)
※初回仕様:三方背ケース/フォトブック(40P)付き

予約はこちら

■ライブ情報
『ayumi hamasaki COUNTDOWN LIVE 2020-2021 A(ロゴ) ~MUSIC for LIFE~』
配信日時:2020年12月31日(木)

<Thmuva(サムバ)配信概要> ※日本国内のサービスとなります。
配信ゲートオープン:21:30
LIVE配信開始:22:30
Thumva(配信プラットフォーム) はこちら
視聴料金:4,200円(税込)
販売期間:2020年12月11日(金)19:00~2021年1月3日(日)21:00
アーカイブ期間:2021年1月1日(金)9:00時~1月3日(日)23:59
※チケット購入者特典として、抽選で10名様にサイン入りツアーTシャツが当たります

<ビリビリ動画配信概要> ※視聴可能地域は中国大陸に限ります。
開演:22:30(中国時間)
チケットサイトはこちら
視聴料金:249人民元
販売期間(中国時間):2020年12月11日(金)19:00~2020年12月31日(木)23:30
bilibili avexLIVEアカウント

■関連リンク
浜崎あゆみオフィシャルホームページ
浜崎あゆみオフィシャルファンクラブ”TeamAyu”
浜崎あゆみオフィシャルYouTubeチャンネル
浜崎あゆみオフィシャルTwitter
浜崎あゆみオフィシャルInstagram
浜崎あゆみオフィシャルTikTokチャンネル

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