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OWV「Ready Set Go」も手掛ける気鋭の振付師チーム LOOK SEVENTEEN、Wanna Oneらの楽曲から見る魅力と特徴

リアルサウンド

21/1/17(日) 12:00

 オーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN』出身者の中でもリーダーシップや実力が一際目立った本田康祐、力強いラップが魅力の中川勝就、歌唱力抜群の浦野秀太、ダンスで一目置かれていた佐野文哉を擁し、絶妙なコンビネーションと高いパフォーマンススキルで注目を集めているユニット・OWV。1月20日にリリースされるその2ndシングルのタイトル曲「Ready Set Go」の振付を手掛けているのが、K-POPシーンを席捲する気鋭の振付師チーム・LOOKだ。2015年頃から活動を始め、これまでにSEVENTEENやEXO、GOT7、Wanna Oneといった人気グループの振付を手掛けてきた彼らが、初めて日本人アーティストとのコラボレーションに挑んだ同作。今回はその振付の特徴や魅力について考察してみたい。

OWV – 「Ready Set Go」Music Video

 LOOK側からの提案だったという「Ready Set Go」の振付コンセプトは“姫を助けに行く4人の騎士”。随所に散りばめられた力強いポージングでヒーロー感を体現しつつ、〈前代未聞のKiss もう待てないよ〉で体中にキスを浴びせるようなセクシーな動きを、〈そろそろこの距離縮めようよ?〉では扉を開けた騎士が姫の手を取るような物語性のある動きを組み合わせ、トリッキーな要素が強かった1stシングル「UBA UBA」とは感触のまったく異なるパフォーマンスが完成した。

OWV – 「Ready Set Go」Dance Performance Video

 特徴的に感じられるのが、重心を低くしたヒップホップ的な動きと全員が同じ振りを踊るユニゾンの多用、そして曲中を通してさまざまに形を変え続けるフォーメーションの流麗感だ。ユニゾンを美しく見せるためにはK-POPダンスの特徴といえるカル群舞(刀物のように角度をそろえるダンス)的な要素やシンクロ感が求められるのだが、この曲では例えば〈一手先のYou&I〉で全員がぴたっと静止し、ラスサビで1列になって踊る箇所などに、4人のチームワークや高いダンススキルがうかがえる。また全員がボーカルやラップを担当するグループとしては挑戦的といえるほどの複雑なフォーメーションチェンジは、“目が足りない”ほどに見ごたえがある。

 LOOKの手掛けてきた作品の中でも、ジャストな音の取り方や細かい振りを詰め込んだ構成の今回のOWV作品を彷彿とさせるのがメンバーのホシと共に制作するSEVENTEEN楽曲の振付だ。中でも代表作といえるのが、彼らの日本デビュー曲「CALL CALL CALL!」だろう。

[TEASER]SEVENTEEN – CALL CALL CALL! (from DVD&Blu-ray『2018 SEVENTEEN CONCERT ‘IDEAL CUT’ IN JAPAN』)

 曲調やテンポ感は異なるが、エネルギッシュに踊り続ける構成やシンクロ感をキープしながら、魚群のようにしなやかに形を変えていくフォーメーションチェンジの魅力が実にわかりやすいのではないだろうか。センターといえるメンバーが固定ではなく大所帯のグループが多いK-POPのダンスにフォーメーションチェンジはつきものなのだが、同曲verse1のサビ前半では13人が3組に分かれて左右の2組がクロスする形で移動→後半で全員が片足だけで跳ねるステップで時計回りに動きながら広がり→同じ動きで反時計回りに動きながら集合、という立体感のある動きで魅了している。

 ボーイズグループとの仕事が多いLOOKだが、その人数やアーティストカラーによって振付でもさまざまなニュアンスを表現している。たとえばアグレッシブなパフォーマンスで知られるニューカマー・Stray Kidsの楽曲では、やはりフォーメーションを細かく変えながら先述の「CALL CALL CALL!」のようにインパクトのある大振りをサビに配している。

Stray Kids “神메뉴” M/V

 LOOKとのコラボが多かったWanna Oneの「Spring Breeze」などはしっとりとしたセクシー感を放つ楽曲だが、やはりフォーメーションチェンジの美しさが一目瞭然だ。解散後にソロデビューしたパク・ジフンやパク・ウジン&イ・デフィらが再スタートを切ったAB6IXも引き続きLOOKに振付を依頼しており、強い信頼関係がうかがえる。

Wanna One_Spring Breeze│2018 MAMA in HONG KONG 181214

 そしてLOOKが振付を手掛けた中でも、キャリアを重ね大人の魅力を醸し出しているのがEXO。「The Eve」はスローテンポの楽曲ゆえにニュアンスをどう付けるかがポイントといえる楽曲で、スピード感のある楽曲よりもユニゾンの見せ方など格段に難易度が高いのだが、このダンスショットには貫禄すら漂う。

EXO 엑소 ‘전야 (前夜) (The Eve)’ Dance Practice

 最後に、現状のLOOK作品としてはレアといえるのが昨年デビューした女性グループ・Weeeklyの「Tag Me」。キュートな動きを1曲の中にぎゅっと詰め込んだ構成や、万華鏡のように変化を見せていくフォーメーションに他作品と同じDNAが感じられるのではないだろうか。

[MV] Weeekly(위클리) – Tag Me (@Me) (Performance ver.)

 構成の複雑さなど、ライブでパフォーマンスするにはややハードな要素が多いともいえるLOOKの振付。しかし先述のOWV「Ready Set Go」への参加が発表になったタイミングで「ファンの癖という癖を熟知したアサシンみたいなチーム。期待しかない」といった声もいち早く上がっており、K-POPファンからもその動きに熱い視線が向けられている。今後のK-POPシーンでの活躍はもちろん、日本のグループとの次なるコラボについても期待したい。

■古知屋ジュン
沖縄県出身。歌って踊るアーティストをリスペクトするライター/編集者。『ヘドバン』編集を経て、『月刊ローチケHMV』『エキサイトBit』などで音楽/舞台/アートなど幅広い分野について執筆中。

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