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ジェニーハイ、音楽×お笑いで拡張する独自の世界観 アリーナツアーも発表した無観客配信ライブ

リアルサウンド

20/10/31(土) 18:00

 じつに今年2月のツアー以来となるジェニーハイのライブ、Zepp Tokyoからの無観客公演『ベイビージェニー』。まずはゲストに『キングオブコント2019』の王者・どぶろっくが登場して、おなじみの「大きなイチモツをください」や「もしかしてだけど」といったネタを披露する。画面の向こうにコール&レスポンスやシンガロングを要求して場を温めると、いよいよジェニーハイのライブがスタートだ。

 ステージにバックライトを浴びながら登場した5人。赤いジャケットを着た川谷絵音から新垣隆、くっきー!、中嶋イッキュウ、小籔千豊と「ジェニーハイのテーマ」のラップリレーが展開していく、問答無用でわくわく感を煽るオープニングから、ハンチング帽を被った新垣の流麗なピアノが映える「グータラ節」へと流れ込み、そして小籔のスネアロールが「ランデブーに逃避行」をドライブさせる。ダイエットしたいけどタピオカ大好きだし本当は痩せる気ない女子の心情を叫ぶ「ダイエッター典子」では、くっきー!のベースラインと川谷のギターリフがスリリングなアンサンブルを加速。

 ここまでストイックに3曲を披露すると、再びどぶろっくの2人がやってくる。小籔が「裏で並んでてもニヤけて歌詞飛びそうになったわ」と感謝の意を示すと、どぶろっくの仕切りで以前も好評だった即興コーナーへ。Twitterで視聴者から寄せられたキーワードをもとにアドリブで曲を作っていく。最初のお題は「自分を捨てないで」「この世はパラレルワールド」「イチモツ」。川谷と新垣がアイコンタクトでセッションを始めると、イッキュウの歌がそこに乗り、さらにはいきなりくっきー!が「イチモツ」を連呼しながら、そのイッキュウにぐいぐい迫っていくという謎の展開を見せる。

 さらに「痒み止め」「くるぶし×5」「味噌汁」「全集中」とキーワードを4つに増やして突入した2曲目でも、もちろんまたくっきー!が乱入してくるというお約束。ぐいぐいイッキュウに迫っていく。3曲目では「乾燥肌」「歯が小っちゃい」「浮気」「金髪巨人」「一重と二重と奥二重」というキーワードで……もういいか。文字で伝えるのは限界があるが、とにかく「ほんとにこのコーナーが大好評やったんかギモンやな」(小籔)というユルい中身だとしても、同時にどうしようもなく音楽的なセッションである。さすがはジェニーハイだ。

 その後もソロ回しでそれぞれキレキレのプレイを見せつけた「強がりと弱虫」に、背景のLEDスクリーンに映し出された夜景も相まってアーバンで大人な雰囲気を醸し出した「東京は雨」、そして後方に設えられた高いステージでダンスも交えて披露された「愛しのジェニー」に「ジェニーハイラプソディー」と芸達者ぶりを見せつけるバラエティ豊かな楽曲を次々披露した。

ジェニーハイ

 すると、ここでイッキュウが「友達来てるんで連れてきてもいいですか?」と誰かを連れてきた。白いジャケットが決まった彼女はアイナ・ジ・エンド(BiSH)。アコースティックギターを弾くイッキュウとともに歌うのは、もちろん彼女をフィーチャーした「不便な可愛げ」だ。歌い終えて「しゃべることないんで帰ります」とそそくさと帰っていくアイナに、「好きな食べ物だけ教えて!」と追いすがる小籔。カメラのフレームの外から聞こえてきた「白いごはんです」というアイナの答えがクールだった。

 いよいよライブも終盤戦。ドラマティックなメロディがやっぱり最高なデビュー曲「片目で異常に恋してる」ではマイクを握るイッキュウの周りにくっきー!と川谷、そしていつの間にか戻ってきたアイナが集まってくる。そしてやっぱりアイナが「しゃべることないんで帰ります」とそそくさと帰っていくと、ここで新曲「コクーンさん」を披露した。アーバンファンクなリズムと流れるようなメロディがぐっと耳を惹き付ける楽曲である。「もう時間なんでね、ラスト18曲……」というくっきー!のボケに「18曲! めっちゃ多い! 18曲!」とさすがの間でツッコミを入れる小籔というやりとりを挟んで、最後に披露されたのは「シャミナミ」、そして新垣のピアノと川谷のかき鳴らすアコギが盛り上げるバラード「まるで幸せ」。さんざんここまで笑かしてもらったのに、この美しい曲を聴いているとちょっとキュンとしてしまうのがなんか悔しい。

 終演後には次回のワンマンライブとして、2021年2月7日に国立代々木競技場 第一体育館で開催する初のアリーナ公演『アリーナジェニー』、そしてこの日のライブでも披露した新曲「コクーンさん」の配信リリースを発表。ますます広がっていくジェニーハイワールド、やっぱり目が離せない。

■小川智宏
元『ROCKIN’ON JAPAN』副編集長。現在はキュレーションアプリ「antenna*」編集長を務めるかたわら、音楽ライターとして雑誌・webメディアなどで幅広く執筆。

ジェニーハイ公式サイト

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