白髪一雄
20/2/29(土)
「フットペインティング」とは文字通り、足を筆の代わりに用いて絵を描いていく手法。これをみずから編み出し、オリジナルな表現として築き上げたのが白髪一雄だった。それは身体性を全面的に押し出した作風といえるけれど、それのみに留まらず、画面からはつくり手の思想や精神性が剥き出しになっているのが感じられるし、「絵画ってなんだ?」という根源的な問いかけもくっきり浮かび上がってくる。これほどいろんなものが詰め込まれているからだろうか、抽象的な画面を眺めていると、血湧き肉躍る気分にさせられる。
白髪は没後10余年。東京でこれだけまとまった作品を観られる機会は意外や初となる。戦後日本の前衛芸術を牽引した巨星の軌跡を今こそたどりたい。
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