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立川直樹のエンタテインメント探偵

カイル・イーストウッド、梅棒『OFF THE WALL』、プロデュースした『金沢城とロックの夕べ』など。得難い体験が忘れ難い記憶として刻み込まれる

毎月連載

第44回

カイル・イーストウッド/Photo by Yuka Yamaji

水先案内でも紹介したがクリント・イーストウッドの息子で父の才能を受け継いだ人気ジャズ・ベーシスト、カイル・イーストウッドのブルーノート東京でのライヴは期待はしていたが、それをはるかに超える素晴しいものだった。スタンド・チェアに坐り、ウッドベースを弾く左側にはピアノのアンドリュー・マコーマック、右側にはトランペットのクエンティン・コリンズとテナーサックスのブランドン・アレン、その後方にドラムのクリス・ヒギンボトム。5人の卓越したテクニックとセンスを持ったミュージシャンの奏でる音楽はシャープなグルーヴ感がありながらエレガントさも兼ね備えていて、B.B.キングやミルト・ジャクソン、カサンドラ・ウィルソン……と今までの極上のライヴで酔わせてくれたアーティストたちと肩を並べるというか、それ以上の魅力を持っていて、アンコールの『ピーター・ガン』が終わった時には一緒に出かけた音楽好きの友人に「本当にいいものが見れた。得難い体験だったね」とつぶやいていた。

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