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『下町ロケット』立川談春の男泣きが胸に迫る 偉大な“トノ”を失った阿部寛らの行方

リアルサウンド

18/11/5(月) 6:00

 日曜劇場『下町ロケット』(TBS系)が第5話にて「ゴースト編」完結となり、もうすぐ折り返し地点を迎えようとしている。オードリーの春日俊彰が旅先で『下町ロケット』を視聴していたことをラジオで明かす(11月3日放送『オールナイトニッポン』(ニッポン放送)より)など、芸能界にも『下町ロケット』ファンは多い。春日は、第3話にゲスト出演していた古坂大魔王の嫌味たらしい怪演に触れていたが、このドラマは芸人や落語家など、“お笑い”にまつわるキャストが多く揃っていることも一つの特色でもある。イモトアヤコ、ホンジャマカ・恵俊彰、我が家・坪倉由幸(元で言えば、キングオブコメディ・今野浩喜も)……そして、2015年版より変わらずメインキャストを張っているのが、第4話にてストーリーの軸となった殿村直弘を演じる立川談春である。

 立川のドラマ、映画出演はそれほどまで多くはない。それは全国を巡る『独演会』を中心に“最もチケットが取れない”と称される落語家をメインに活動しているからだ。俳優としての代表作は、『下町ロケット』と同じ日曜劇場枠で池井戸潤の原作小説でも知られる『ルーズヴェルト・ゲーム』(TBS系/2014年)、映画『忍びの国』(2017年)、現在公開中の映画『あいあい傘』(2018年)といったところ。第4話では、立川演じる殿村が、佃製作所を離れ、実家の農作業を継ぐことを決断する。新潟県・燕市にある殿村の実家での田植え経験は、佃航平(阿部寛)らのトランスミッション作りの原動力となっている。同時に、父親の看病と畑仕事の手伝いをしながら東京と新潟を行き来する殿村の苦労は常に描かれてきていた。

 第4話でクライマックスとなったのは、殿村が佃に製作所を去ることを正式に告げる場面だ。20年間の銀行員を経て、佃製作所の経理部長となった殿村は、“トノ”として信頼される、会社の柱だった。それは佃にとっても同じ。2015年に放送された『下町ロケット』で、ナカシマ工業から訴えられ佃が社長を辞めようとしたシーンが回想される。「社長あなたは夢に愛されている。だから! 逃げちゃいけない!」。この場面は、演じる阿部も完成披露試写会にて絶賛していたシーンだ。「あの時トノがああ言ってくれなかったら、今の佃製作所はなかった。トノには感謝しかない。佃製作所を救ってくれた恩人だ。だから今度は俺に、お前の背中を押させてくれよ」「よく決めたな、トノ」。佃がそう告げると、殿村は背中を向け、むせび泣きながらドアを開け部屋を出て行く。この殿村の“男泣き”は、前シーズンより観ていた視聴者には刺さる場面である。池井戸潤の個人事務所Twitterアカウントも「佃製作所の守護神・殿村さんが去ってしまうとは…でもトノも、大地を相手にものづくりを始めるんですよね」とツイートしており、彼の存在の偉大さを物語っている。阿部が絶賛するほどの立川の演技力は、噺家として長年鍛え上げられた落語での芸による成果だろう。

 第4話は、ギアゴーストの顧問弁護士・末長孝明(中村梅雀)が裏切り者であることが判明し終幕。第5話の予告では、さらなる裏切り者がいることが匂われている上に、財前道生(吉川晃司)が殿村の実家で稲刈りを手伝うシーンも。果たして、ゴースト編はどのような完結を迎えるのか。(文=渡辺彰浩)

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