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高橋メアリージュンの“良き同僚”がハマり役! 『私の家政夫ナギサさん』薫が追いかける幸せ

リアルサウンド

20/8/4(火) 6:00

 「私と付き合ってもらえませんか!」。現在放送中のドラマ『私の家政夫ナギサさん』(TBS系)の第4話で、会って2回目の田所優太(瀬戸康史)に告白した陶山薫(高橋メアリージュン)。多部未華子演じる主人公・相原メイの同期であり、親友である薫は、田所と会食中、「いつでも結婚できる準備を始めたんです。後は素敵な出会いを待つだけです」と目配せをしたり、「お付き合いされてる方はいらっしゃらないんですよね」「気になる人も?」「じゃあ私にもチャンスあります?」とアピールする。仕事以外のことは無頓着で不器用なメイとは対照的で、恋愛に積極的な薫は視聴者の間で評判だ。

【写真】料理を振る舞う薫(高橋メアリージュン)

 薫を演じる高橋メアリージュンは、NHKの連続テレビ小説『純と愛』でドラマ初出演を果たしてから、着々と俳優としてのキャリアを積んでいる。高橋の演技力と存在感を強く印象付けた作品といえば『闇金ウシジマくん』シリーズ。高橋が演じていた犀原茜は、山田孝之演じる主人公・丑嶋馨を過剰にライバル視し、ボソボソと喋っていたかと思えば突然ヒステリックな声をあげる凶暴なキャラクターだ。丑嶋同様、債務者の頭に躊躇いなく金属バットを振るような得体の知れない狂気を見事に演じきっていた。かと思えば、『コウノドリ』(TBS系)では、仕事と家事、育児の両立に苦しみ、産後うつに追い詰められる母親役を好演。そして『隣の家族は青く見える』(フジテレビ系)では子供が欲しくない女性を演じ、現代における多様な価値観を伝えるキャラクターの一人として、存在感を示していた。

  そして、『サバイバル・ウェディング』(日本テレビ系)に続き、本作でも演じているのが主人公の同期であり、親友というキャラクター。『サバイバル・ウェディング』でも主人公と対照的なキャラクターで、恋愛に対する価値観の違いから衝突する回もあったのだが、お互いに理解し、支え合う、そんなポジションだった。

 本作で高橋が演じる薫も、“仕事以外は不器用”なメイとは正反対。部屋はきれいに片付いていて、料理も上手。婚活にも熱心だ。そんな薫はメイの「結婚願望はあるが行動を起こせない」部分をサポートするように、メイを合コンに誘ったり、マッチングアプリを薦めたりする。合コンもマッチングアプリも、狙っている田所の連絡先をメイから聞き出すときなども、やや強引に見える瞬間もあるのだが、高橋の明るく朗らかな演技のおかげで、メイにプレッシャーを与えたり、不穏な空気になったりはしない。そして何より、メイと田所、そして肥後(宮尾俊太郎)の、気になる恋模様のきっかけを作り出したのは紛れもなく薫である。

 裏表のない性格ゆえ、思ったことをはっきり口にするところも、メイに良い影響を与えている薫。結婚の条件に「今の自分の生活を1mmも変えなくていい人」と口にしたメイに呆れ返る同僚たちの中で、薫だけが「そういうこと言ってるからダメなんだよ」とツッコミを入れる。薫がメイの難点をはっきり伝えられる立ち位置にいることが、メイ、そして視聴者に、自身の恋愛観を思い返す糸口を与えているように思う。

 そんな薫も恋の悩みを抱えている真っ只中。田所に猛アピールしたあと、メイに「田所さんドン引きしたかも…」とメッセージを送っていた。薫が恋を全力で楽しんでいる様子は、馬場(水澤紳吾)から馴れ初め話を聞く姿や、メイが肥後にアプローチされる妄想をする姿から伝わってくる。田所はまだ、薫の告白に返事をしていない。メイの恋路も気になるところだが、今後描かれる薫の物語にも期待が高まる。

 本作は、メイやナギサ(大森南朋)、田所といった主要な登場人物だけでなく、メイの家族や職場の物語も同時に進んでいくのが面白い。キャラクターひとりひとりに丁寧にスポットライトが当たっていくため、それぞれのキャラクターが抱える悩みに視聴者が感情移入しやすいのではないだろうか。そんな中でも、底抜けに明るいキャラクター像が魅力的に映っている薫。果たして薫は幸せを掴めるのか。

(片山香帆)

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