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いま、最高の一本に出会える

アルフォンス・ミュシャ 《舞踏―連作〈四芸術〉より》 1898年 カラーリトグラフ ミュシャ財団蔵 (c)Mucha Trust 2019

ミュシャが後世へ与えた影響とは?『みんなのミュシャ』展がスタート

ぴあ

19/7/14(日) 0:00

アール・ヌーヴォーの騎手として名を成したアルフォンス・ミュシャ(1860〜1939)。彼の作品とともに、ミュシャ作品が後世へ与えた影響をたどる展覧会『みんなのミュシャ ミュシャからマンガへ——線の魔術』が、7月13日(土)よりBunkamura ザ・ミュージアムにて開催されている。

チェコに生まれ、世紀末のパリでサラ・ベルナール主演の舞台ポスターを手がけて名声を得ると、グラフィック・デザイナーとしてさまざまな商品ポスターや装飾パネルを手がけたミュシャ。エレガントな女性の姿に花などの装飾モティーフを組み合わせ、流麗な曲線や円などの構図を多用。「ミュシャ様式」と呼ばれる独創的なスタイルを確立していった。

パリ、 グランド・ショミエール通りのアトリエにて (セルフポートレート)1892年 (c)Mucha Trust 2019
アルフォンス・ミュシャ 《椿姫》1896年 カラーリトグラフ ミュシャ財団蔵 (c)Mucha Trust 2019
アルフォンス・ミュシャ《北極星―連作〈月と星〉より》1902年 カラーリトグラフ ミュシャ財団蔵 (c)Mucha Trust 2019

同展では、そんな「ミュシャ様式」がどのように作られ、また後世にどのような影響を与えたかをひも解いていく。

前半では、ミュシャの少年時代からポスター画家として名声を築く1890年代までの足取りを100点以上の作品とともに追いながら、彼の作品のインスピレーションの源となった蔵書や工芸品も紹介。

後半は、ミュシャから影響を受けた、後世の国内外のグラフィック・アーティストの作品を展示する。

なかでも、1960-70年代の英米で起きたミュシャ・リバイバルとサイケデリック・アートとの視覚的な相関にフォーカスし、ロック・ミュージックのポスターやレコード・ジャケットなどを通して検証していく。

ジャケット・デザイン:ボブ・マス「ザ・コレクターズ」(ワーナー・ブラザース=セヴン・アーツ・レコード)1968年LPレコード・ジャケットRhino Entertainment Company,a Warner Music Group Company

さらに、ミュシャの作風に多大な影響を受けた1985年以降に出現するアメリカの「モダン・エイジ」世代のコミック作家や、日本の明治期の文芸誌、1970-80年代に頭角を表す日本のイラストレーターや少女マンガ家たちの作品も紹介される。

表紙デザイン:藤島武二 『みだれ髪』(与謝野晶子) 東京新詩社と伊藤交友館により共同出版された与謝野晶子の第一歌集 (明治34年)の復刻版 (日本近代文学館、1968年) (c)Mucha Trust 2019
天野喜孝 《ファイナルファンタジーXIV 嵐神と冒険者》 2010年 アクリル・紙FINAL FANTASY XIV/(c)SQUARE ENIX CO.,LTD. All Rights Reserved./IMAGE ILLUSTRATION:(c)YOSHITAKA AMANO

没後80年を経てもなお、世界中で愛されるミュシャの作品。その美学を堪能するとともに、ロックからアメコミ、文芸誌から少女マンガまで及んだ影響力のすごさを、あらためて感じ取ってほしい。

【関連リンク】
みんなのミュシャ

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