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『天気の子』4DXで見事に表現された帆高と陽菜の心理描写

ぴあ

19/9/24(火) 14:30

『天気の子』 (C)2019「天気の子」製作委員会

新海誠監督の劇場用アニメーション『天気の子』が7月に公開されてロングランを続けているが、9月27日(金)より4DXバージョンが上映されることになった。

『天気の子』といえば、異常気象で延々と雨が降り注ぐ東京を舞台に、家出した16歳の少年・帆高と、晴れを呼ぶ力を持つ少女・陽菜の物語。タイトルにある通り“天気”が非常に重要なモチーフとなっており、客席に雨が降り注ぎ、風が吹き抜ける4DXのエフェクトとは相性が良いのではないかとファンの間で話題になっていたところに、満を持して4DXバージョンがお目見えすることになる。

いち早く試写会で体験してみたところ、物語の大半は雨が降っている設定だけにビショビショに濡れることを覚悟していたのだが、水絡みのエフェクトの出番は多いものの、効果的にメリハリが付けられていて始終水が降ってくるわけではなかった。筆者が体験した4DXで過去最高の水量だと感じたのは『アクアマン』だったが、さすがに『アクアマン』級に水が降ってくるとアトラクション要素が強まってしまうので、『天気の子』の水加減は帆高と陽菜のエモーショナルな物語を味わう上でちょうどいいバランスではないだろうか。

4DXならではと感じたのは、クライマックス近くで夏の東京に雪が降る場面で、ちゃんと客席にも雪が降ってくる演出。もちろん帆高や陽菜が空を舞うシーンの浮遊感は4DXが得意とするところで、4DXバージョンの発表とあわせて公開された新ビジュアルのポスターデザインが帆高と陽菜が空で手をつなぎ合っているシーンなのも納得だ。

そして芸の細やかさを感じるのが、4DXの振動エフェクトを使った心理描写。心臓の鼓動やわずか一瞬のシーンの電車の揺れを観客にも実際に感じさせることで、帆高や陽菜のさりげない心の動きを伝えてくれている。すでに『天気の子』の観客動員数は950万人。リピーターも多い作品だけに、新たな発見や気づきを与えてくれる4DXバージョンは、初見の人にとっても再見したいファンにとっても無視できない選択肢になるに違いない。

取材・文:村山章

『天気の子』
9月27日(金)から、全国4DX劇場にて開始

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