LiLiCoのこの映画、埋もらせちゃダメ!
エドガー・ライト監督の原点をあらためてぜひ!
月2回連載
第18回
ファンにはおなじみの作品が日本では劇場初公開!
今回は私の大好きなエドガー・ライト監督の原点ともいえる作品を紹介します。
『ショーン・オブ・ザ・デッド』は2004年の作品で、エドガー・ライト監督を知っている人なら今さら感もある名作。でもこれ、全世界で公開されたとき、日本ではDVDスルーになってしまったので、日本の劇場で公開されるのは初めてなんですよ。
旧作ですから作品の紹介は省略するとして、この作品の最高なところは、数多あるゾンビものの映画の基本を全て踏みつつ、それでいてエドガー・ライト監督らしいユーモアがたっぷり詰まっているところ。もともとジョージ・A・ロメロの名作でゾンビ映画の原点ともなった『ゾンビ』をパロディ化しているんですが、そこにはイギリスらしいブラックユーモア、今では大スターになったサイモン・ペッグら監督の親友たちの才能がギュッと詰まっていて、最高に笑えるんですよね。
この作品で監督は長編劇場映画にデビューしましたが、その後の勢いは皆さんご存じのとおり。日本で初めて劇場公開された『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!』を皮切りに、『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』、『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』と、次々にコメディ映画の傑作を生み出し、一昨年の『ベイビー・ドライバー』は超大ヒット。
『ベイビー・ドライバー』は好きだけど……、という人も多いと思いますので、そんな人こそ『ショーン・オブ・ザ・デッド』で監督のブラックな笑いの原点を見るべきだと思いますよ。